フェアリー軍師の天下取り、小さくたって頭脳はすごいんですよ!

まったりー

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1章 旅立ちの一歩

26話 遠出中

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「ほんとに私は行ってはいけませんかラリーファファ様」


私たちは次の日、馬車が門の前に用意されていると言う事だったので、準備をして向かいました、門の前ではギルドマスターたちが見送りに来てくれたんです。でもカリーサさんが一緒に行こうとして荷物を持って準備をしていましたよ、私は今断っています、向こうのギルドで話題になると敵が嗅ぎつけますからね。


「カリーサさんにはこっちで仕事を頼みたいんです、他種族の人を使ってこれらを作っておいてください」


私は羊皮紙をカリーサさんに渡しました、そこにはロープ網と小さな筒の大量受注、それと秘密裏にしてほしいと書きました、これでここで何も起きなければ軍に加入がしやすくなります。


「なるほど、それだけ私を信頼してくれているのですね、ありがとうございます」

「こちらこそですよカリーサさん、報酬は私の出した討伐の残ったお金でお願いします」


そう言って、私はメリーナに目配せをして馬車に乗ってもらい、私たちは馬車を囲んで出発したわ。配置は私が馬車の屋根で、ペルーロとミサーラは後方よ、本来は左右を守るのが普通かもだけど、私たちにはシールドがあるの、左右が見える後方の方が展開しやすいのよ。


「護衛依頼って大変そうだねラリーファ」

「そうねペルーロ、でもこれでまた経験になったでしょ、これからもどんどんやって行きましょうね」


ペルーロには昨日の夜に説明したの、もちろん賛成は貰ったわ、そしてペルーロが気になっているのか、ある人を見ているわ、今日まだひと言も話していない人です、ペルーロたちに朝の挨拶をした時も頭を下げるだけにしたのよ、いい加減諦めてほしいわね。


「ミサーラ、私たちだけになったんだから、いい加減話さないと後で余計恥ずかしくなるわよ」


馬車の上で私が言うとペルーロが首を傾げています、そしてミサーラが諦めたみたい。


「分かったウサ」

「ウサッ!?ちょ、ちょっとラリーファ!」


ペルーロがすぐに分かったようで私の方を驚いて向いてきたわ、でも私は腕を組んでうんうん頷いています。


「ペルーロだって思ってたでしょ?ミサーラがいつまでも敬語で他人行儀だったの、この方が可愛いんだし、可愛いわ正義なのよ!今度からそれで話して貰うわ」

「よ、良く分からないんだけど・・・ミサーラは良いの?」

「ウチも敬語を使っているのを変だと思ってたウサ、良いきっかけウサ」


そう言ってかなりぎこちない笑顔です、でも笑顔はかなりの破壊力だったようで、ペルーロがちょっと赤くなっているのが分かったわ、なかなか前進しなかった二人の仲がいい感じね、今のミサーラは喋り方を変えて手いっぱいで気付いていないようですけど、ちょっとは力になれたかしらね。


「さぁどんどん進みましょ、どうせ何も起きないけど」


私はフラグのような事を言って前方を指差したわ、でもほんとに何も起きることはないの、王都までは森もないし平原ばかりだからね。

だからね、私のこの旅の作戦はこうよ。


「フォーメーションA!」

「はいウサ!」


私の掛け声でミサーラはシールドを素早く動かし、全方位で馬車を守る形を取ったわ、私はそれを見てうんうんって頷いたの、もちろん私も同じ位置に展開させてるわよ、シールドの大きさは直径30センチ、馬車を守るには数を出さないといけないからね。


「良いわよミサーラ、ここ数日でどんどん早くなってきているわ、次B!」

「はいウサ!」


次はペルーロにシールドを1つ飛ばした形で、馬車は前方以外を守ります。そうこれは馬車を守る布陣の練習です、馬車の移動中は暇なのでアーボラを出発して3日、ずっと練度を上げる為に行っています、ペルーロは周りの警戒をしてくれています、シールド持ちの私とミサーラふたりの練習ね。


「良いわよ、次ゼットよ!」

「ウサ!」


ミサーラの返事を聞いて、私もシールドを動かしたわ、馬車の車輪の下にね、ミサーラは馬とペルーロの足元よ。そして宙に少し浮かせて移動を早めたの。


「な、何事ですか!?」


いきなり移動が速くなったので、馬車の窓から顔を出しキャミカルが叫んだの、私はテヘって感じで「ごめん」と謝ったわ。


「もうっまたですか!あれほど声を掛けてと言ってるでしょう、メリーナ様が怪我をしたらどうするのですか!」

「ごめんごめん、お詫びに今日は特別な物を用意するから許してよ」


私の特別という言葉に、キャミカルがすごく反応しています、初日に私の料理を食べてから、メリーナとキャミカルは食事の時間が楽しみみたいなの、コショウまでしかない世界では、他の調味料は刺激的だったようよ。


「ねぇラリーファ、やっぱりキャミカルさんにだけは言った方が良いんじゃないの?御者の人には悪いけどさ」


ペルーロが馬車を操作している獣種さんを見ています、彼は傭兵ギルドが雇ってくれた人で、耳の垂れたオットリ風のイヌさんです、ペルーロと違い顔がほんとにイヌさんなんですよ、さっきの急な速度アップで頭を天井にぶつけていたけど、はてな?って感じで痛がってませんでした。

でも、こうやって急に動きを早くするのには、ある秘密があるのよ。


「ダメよペルーロ!護衛は守るだけじゃダメ、一流は護衛対象に気付かれないで不測の事態を回避、もしくは防ぐものだって言ったでしょ」


そうなのよ、私はなにも暇だから訓練をしている訳じゃないの、私の新しく開発した小型カメラ付きウイングシールドを飛ばし、前方を監視してるの。私が訓練と称して馬車を緊急移動させた時は、前方に盗賊っぽい奴らを発見したから移動をしてるの、映像は今私が付けている眼鏡でみれるのよ。


「それはそうなんだろうけど、ラリーファなら先にそいつらを倒す事だって出来るんじゃないの?」


ペルーロに痛い所を突かれたわ、確かにそうなのよ、爆撃をするなり上空から狙撃する事も出来るわ、そうすれば御者の人も安心して運転できるし、キャミカルに怒られることもない。

でもねペルーロ、時は待ってくれないのよ、カリーサさんに頼んだ道具も網は爆撃用だし、筒は薬莢よ、今のうちに量産しておく必要があるの。


「私ばかり戦ってたら訓練にならないでしょ、ミサーラはまだ入ったばかりだし、シールド操作も上手くならなくちゃいけないの、ペルーロだって今負荷を掛けて歩いてるでしょ」

「まぁそうだけど・・・これってほんとに役に立つの?」


体を動かしにくそうにして言ってきたわ、ペルーロは今、電磁気で体に負荷を掛けてるの、私的には重りを付けるとかしたいんだけど、不測の事態になった時に脱ぐのは大変なの、だからボタン一つで出来る事をやってもらってるわ。これのおかげでスキル『能力倍化』をペルーロが覚えたわ、これはあの有名な漫画に出てくる技に似てるの、全能力が何倍にもなる感じね、そして欠点も同じ感じで最初に使った時、1分ともたないでペルーロが倒れたの、体が負荷に耐えられなかったみたいで私の回復魔法で治したわ、だから今訓練中ね、王都に着くころにはコントロールも訓練して使えるようにするわ。


「何度も言ったでしょペルーロ、こういったの事は積み重ねだって」


ペルーロがそれを聞いて、素直に馬車の護衛に戻りました、それぞれの訓練をしてレベルアップをしたいの、私も開発は勿論だけど、欲しいスキルがあるから鍛えてる最中ね、酒場で聞いてずっとしてる訓練で覚えれば魔力が倍になるわ、今後絶対に必要になるのよ。

戦争は待ってくれないわ。


「こ、これが特別な料理ですか、美味しそうですね」


馬車の大移動が終わり今は野営中です、私は開発した台所を出して調理中なんです、キャミカルが手伝いながら覗いて来ているわ。


「今日は餃子って言うのを作ってるのよ」


体が小さいから包むのが大変だけど、レベルが上がっているから何とかなってるの、もし前のままだったらまず出来なかったわね。


「ギョウザですか・・・パンのような薄い生地に肉を包むのですね、パイの様ではありますけど違う感じですね」


私のマネをしながらキャミカルも餃子を包み始めました、最初なのにうまく出来ているのは、やはりメイドとして優秀だからですね。そして私は専用の鉄板も用意しています、早速円状にセットして焼き始めました、周りにはいい匂いが広がっていますよ。


「な、何だかすごく良い匂いがしてきたねラリーファ」


鼻の良いペルーロと、御者のワンコ組みが鼻をクンクンさせて涎が垂れそうです。


「はーい!羽根つき餃子お待ち同様」


キャミカルに手伝ってもらい、各自の皿に餃子を乗せて行ってみんなに配りました、そして全員で一口食べたの。

もう、美味しいなんてものじゃないわよ。


「お、美味しい!?これがギョウザというものですか」

「キャミカルこっちのタレを付けてみるっす、また違う味っすよ」


キャミカルがタレを付けずに食べて感想を言っていると、横でショウユを付けて食べていたメリーナが小皿を渡しているわ、他にもポン酢やソースと色々出しています、私のおすすめはポン酢ね、ちょっと酸っぱいんだけど、それが良いのよ。


「この大きさだと、何だか巨人の世界にある食べ物を食べてるみたい・・・今度フルーツにかぶり付こうかしら、お菓子の家とかも良いわね」


私は色々楽しそうなことを考えていました、子供の頃夢だったのよねぇ。


「た、食べにくい」


私が妄想にふけっていると餃子を取り損ね、皿に落としているペルーロがチラッと目に映りました、訓練のスーツを着ているので疲れていて細かな動きに苦戦しています。


「ミサーラ手伝ってあげなさい、ほらア~ンって」


私は口を開いて見せました、ミサーラはペルーロの隣でオロオロしてたからもう一押しだったの、私の提案を赤くなって準備しています。

ほら頑張りなさいよね、もう少しでしょって応援したわ。


「ペルーロ・・・いいですかウサ?」

「うん、ごめんねミサーラありがと」


ペルーロがあまり恥ずかしそうにしないで口を近づけてパクっと食べました、私はまだまだかぁ~って思いながらミサーラにドンマイって心で伝えたわ、当の本人はあ~んって出来てすごく嬉しそうですけどね。


「あと7日、まだまだ掛かりそうね、色々と」


自分と同じ位の大きさをしている餃子にかぶり付いて、私はやることが多くてため息が出そうです、開発は楽しいって思ってもいるんですけどね。
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