レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー

文字の大きさ
80 / 82
4章 制覇

80話 ドラゴンとタイマン

しおりを挟む
ドラゴンステーキの数枚お代わりする間、僕は二人からお話を聞いて情報を貰っていて、種族の名前や人数などを聞いたよ。


「じゃあ、ドラゴンジュラは10万もいるんだね」
「そうさ、10階に住んでるんだが、ちょっと狭くなってきてるんだ」
「だから今、9階に家を建てたりしてる」
「大変だね」


食料は5階から上で取れるから問題ないらしく、これからさらに増えても8階や7階を作り変えると話してくれた。
そこで僕の料理はみんなに喜ばれると誘われたので、全員で行けるならと条件を出したよ。


「それはどうかな」
「認めた者だけよ、他はダメ」
「そう言わずに頼むよ、そうすればもっと美味しい料理を教えられるよ」
「「もっと美味しい料理」」


二人の反応はとても良く、あと一押しで行けると判断したから、料理の具体的な話をしたんだ。
みんなが同行出来ないのならそれは叶わないと残念と伝えたら、二人が認めると即答してきた。


「良いのかい?戦ってもないよ」
「関係ねぇよ、認めたんだからな」
「そうそう、もう仲間」
「それなら良かった、じゃあ明日の朝から移動するとして、どれくらい掛かるかな?」


まだ地下1階だし、数日は掛かると思ったんだけど、二人は近道を使うと教えてくれて、1日も掛からないことが分かって驚いたよ。
僕の知らない裏技で、まだまだ知らない事があって楽しくなったよ。


「じゃあ、オイラたちは一度戻るぜ」
「うん、お頭の説得・・・説明してくる」
「分かった、これ説得に使ってよ」


ドラゴンステーキの入ったお弁当を渡し、食べてはダメと念押ししました。
あれだけ食べたのに、二人は食べたそうにしていて、念押ししてもダメかもと心配になったよ。


「成功したら、もっと美味しい料理が食べれるんだ、我慢だよ二人とも」
「そ、そうだな」
「分かった、我慢する」


何とか我慢は出来てるけど、お弁当をジッと見ながら階段を下りていき、僕はとても心配だったよ。
二人がいなくなり美穂子達が集まってきて、どうするのか聞いてきたよ。


「予定と全然違うけど、戦わないで済むならその方が良いし、友好関係を築ければ今後の為になるよ」
「そうだけど、平気なの?」
「少なくとも、あの二人は平気だけど、お頭って人に会ってみないと分からない」


騙して裏切る可能性はあるので、会ってから決めると話しました。
僕に任せてくれる様で、僕はテントで休んだんだけど、朝早くに朝食を作っていたらドラゴンジュラの二人が階段から上がってきたよ。


「おはよう、随分早かったね」
「ああ・・・フミヤ、すまない」
「ごめんなさい」
「もしかして、ダメだったのかな?」


二人の反応からそうだと思ったんだけど、そうではなく、なんとお頭がここに来ているという事だった。
お弁当がそれだけ気に入ったようで、直に話を聞きたいからここまで来たと説明されて呆れてしまったよ。


「それで良いんですか、種族のトップなんでしょう?」
「食事はオイラたちの命だからな」
「うん、それが無くなったら死んじゃうわ」
「そうだけど、まさかそこまでとは思わなかったよ」


呆れたけど、大切な事だから納得はしたし、そこに貪欲なのは裏表がなくて良いと思った。
丁度朝食を作っていたので、一緒に食べながらお話をしようと提案し、喜んで参加すると階段の先から聞こえたんだ。


「その声、もしかしてお頭って女性なんですか」
「そうさ、オイラたちの中で一番強いんだぜ」
「おいおい、強いと言っても条件がいるだろうカク」


そんな声と共に、紫の長い髪をなびかせて階段から上がって来た女性は、カクたちより鱗が体に見えた。
その条件は聞けなかったけど、食事を取る事には賛成で、僕は急いで料理を済ませてテーブルに並べた。


「どうぞ、ハムサンドに火を入れた【ホットサンド】です」
「ほう、これは美味しそうだ」
「サラダもベーコンエッグもありますからね」


3人が席に座り直ぐに食事を食べてくれたのだけど、あっという間に食べてしまいお代わりを出しました。
美穂子たちが起きる前に4回もお代わりをしてやっと満腹になると、僕の力を試したいと言われたよ。


「カクと戦ったんだけど」
「これだけの料理を作れる相手だ、確かめたいのは道理だろう?」
「仕方ないですね、ではちょっと離れた場所で戦いましょう」


みんなが起きてしまうのは離れても変わらなかったけど、それでも近すぎて驚かせるよりは良いと離れていきました。
置き手紙代わりにビーズアニマルに言伝を頼み、離れた場所で杖を構えました。


「それがあんたの武器かい」
「はい、それで勝利条件は何でしょうか?」
「そうだね、命のやりとりじゃないし、一撃入れたらって事にしましょう」


それは良かったと、僕は杖から氷の魔法を出し、50本の氷の矢を浮かせた。
それを見て、お頭は笑って余裕を見せて来て、さすがドラゴン種と思ったんだよ。


「じゃあ、ドラゴンジュラ、頭の【ジュラ】行くわよ」
「探索者【斑鳩文哉】です、いつでも良いですよ」


頭の名前は、代々受け継がれる名前らしく、離れて見ているカクが教えてくれたよ。
ジュラは、口から炎を出し、その炎は宙に舞って玉になった。


「ファイヤーボールなんて甘い威力じゃないね」
「分かるかい、これは龍の息吹を塊として飛ばす【龍の咆哮】っていうのよ」
「では、どちらの攻撃が強いか勝負ですね」


ジュラがタイマンで強いと言うのは、その咆哮の数で圧倒するからで、トキは100個出せると自慢げだった。
今浮かんでいるのは30個で、まだまだ余裕があると思ったんだよ。


「じゃあ、時間もないし、僕も本気を出しますね」
「へぇ~今の数が限界じゃないのね、良いわよ、その挑発に乗ってあげる」



僕が氷の矢を更に50本出すと、ジュラが70個の炎の玉を追加してきて、僕たちの撃ち合いが始まった。
蒸発する矢と炎は同格の威力の様で、打ち消し合ってしまい互角とカクが驚いていたよ。


「これは凄いわ、アタシと同じなんて認めるしかないわね」
「一撃入れてませんが、分かってくれたのなら良かった」
「認めるわ、だからアタシたちを助けて」


何やら話が違う感じで、その場で話を聞いたんだけど、どうやら建物を作るのに苦戦している様でした。
作り方は問題ないと聞き、それではどうして?っと質問したんだ。


「実はね、材料が足りないのよ」
「ダンジョンの中だから、手に入らないって事ですか」
「そうなの、だから外から来たあなたに頼みたいのよ」


そんなことならお安い御用出たけど、それなら外に出て探せばよかったんじゃないかと疑問が生まれました。
その答えは、信じられる相手がいるか分からないと言うモノで、僕がいて助かったと安心されたよ。


「アタシたちはね、実力を認めた者としか交渉はしないの、材料を奪っても良いのだけど、弱い奴を相手にしてもつまらないのよね」
「そうでしたか、じゃあ僕が用意しますね」
「ありがとう・・・それと、料理の方もお願いね」


とても楽しみにしている様で、建物の方が後になっている感じでした。
それでも仲良くなれそうなので、僕は早々にダンジョンを出る事にしたんだ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味
ファンタジー
※完結しました。感想をいただけると、今後の励みになります。よろしくお願いします。 これは、今まで暮らしていた世界とはかなり異なる世界に移住することになった僕の話である。 ようやく再就職できた会社をクビになった僕は、不気味な影に取り憑かれ、異世界へと運ばれる。 気がつくと、空を飛んで、口から火を吐いていた! これは?ドラゴン? 僕はドラゴンだったのか?! 自分がドラゴンの先祖返りであると知った僕は、超絶美少女の王様に「もうヒトではないからな!異世界に移住するしかない!」と告げられる。 しかも、この世界では衣食住が保障されていて、お金や結婚、戦争も無いというのだ。なんて良い世界なんだ!と思ったのに、大いなる呪いがあるって? この世界のちょっと特殊なルールを学びながら、僕は呪いを解くため7つの国を巡ることになる。 ※派手なバトルやグロい表現はありません。 ※25話から1話2000文字程度で基本毎日更新しています。 ※なろうでも公開しています。

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜

仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。 森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。 その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。 これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語 今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ! 競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。 まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!! 「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

処理中です...