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1章 新しい風
1話 僕は後衛手芸持ち
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世界にダンジョンが出現して500年、腕に自信のある人は探索者になり、その人たちが持ち帰る魔石や素材で世界が回っていました。
学生は、そんな探索者を目指して勉強と訓練をしていて、僕はその中で戦闘職でもなく支援職としても落ちこぼれと見られてます。
「おい、一般科に行かなかった能無し、邪魔だ」
「邪魔って、ここは僕の席だよ笹田君」
「今日のダンジョン探索の話し合いをするんだ、だからどけよ」
5人で集まりたいという事で、僕は渋々席を立ち教室を出たんだけど、教室から笑い声が聞こえちょっと嫌な気分になったよ。
僕が戦闘職でないから負け組と思っている様で、ああはなりたくないという言葉も聞こえてきた。
「まったく、高校1年で自分たちもそれほど実力がないのにね」
僕からしたら、スキルを持たないクラスの生徒の方が負け組で、知らないとは言えユニークスキル持ちの僕に対して最悪な事をしたんだ。
この世界には、ステータスを見る術がなく、本人が何となくしか分かってません。
「そんな中、あの子たちは運動が出来て剣を沢山振ってきたから、スキルを持たないのに自信たっぷりでいる」
中にはスキルを持ってる子がいるかも知れない、でも僕に勝てないと自信を持って言えたんだ。
僕には、他にも秘密にしている事があり、もし戦ったとしたら、小さくて弱そうに見える僕は圧勝するんだ。
「それだけ、肉体的な有利は僕らにはない、そんな事も分からないとか、ガッカリだよ」
それと言うのも、僕はユニークスキル【手芸】と言う力を使って様々な品を世に出して儲けていたんだ。
その力を使い、調べる事の出来る道具を作れるし他にも沢山作ってたから、彼らより先に行ってた。
「僕が月に稼いでる額を知ったら、みんな気絶するだろうね・・・まぁ商売だから売る事はするけど、贔屓はしないよ」
探索者はラノベやゲームの様にレベルは上がらず、肉体を鍛え技術を上げるしかないから、僕の作る付与のついた品は絶対に必要だった。
そして、高校に入学したら別の品作りをするつもりでいた僕は、使ってくれる相手を探していたんだけど、クラスにはいなくてガッカリです。
「レベルを上げる手立ての為に装備を強化したいのに、誰かいないかな」
他のクラスを外から見て、そんな有望そうな生徒を探していたら、弱そうに見える僕を見て悪口が聞こえてきた。
これはダメだと、クラスを見るのを止めて廊下を歩いていきました。
「はぁ~まいったね、やっぱり身分を明かすべきなのかなぁ~」
商品を売って既に大成してる事を明かせば僕が選ぶ側になるけど、その場合ダメな奴らが増えて選定が大変になるから止めていた。
僕が戦闘職でなくても仲良くしてくれる生徒、そんな優しい人たちが良かったんだけど、今の所いなくてガッカリして屋上に出ました。
「でも、せっかく前世の記憶を使って別世界に行ってレベルアップが出来るのに、使わないのはもったいないよねぇ」
アクセサリーなどに付与を付けて売ってる僕は、まだ手芸スキルのほんのひとかけらしか力を使って無くて、スキルを使う為の資金が出来たら進めようと決めていた。
だから高校に上がって張り切っていたのに、いざ入学してみたらあんな人たちばかりで本当にガッカリだった。
「これじゃあ、武器も防具も用意したのにダメじゃん」
手芸スキルは、レベルが上がると他にも作れる様になり、中学1年から始めてレベル5まで上がっていて、出来る事がアクセサリー以外に【魔道具・武器・防具・日用品】が作れる様になっていた。
スキルを起動すると出現する画面を眺め、作った品を見て勿体ないと諦めきれなかったよ。
「僕自身もレベルを上げたいし、もっと作って試したいのに、使ってくれる対象がいないんじゃねぇ」
今使ってるお店では、アクセサリーしか売ってないから、他のお店に卸す予定だったけど、先に現役の探索者を雇って検証するしかないと考え直したんだ。
その場合、感想を聞くのも時間が掛かり、おまけに雇われているから真実を言ってくれるのかも分からなかった。
「自分の作った品には自信はあるけど、やっぱり率直な意見が欲しいんだよね」
だから身分を隠して入学していて、これでは意味がないと屋上の床に寝転がって他の方法を考えました。
手芸スキルで作った魔道具【転移水晶】を使い、異世界の方で人員を確保する案が浮かび、最悪はそれで行こうと思ったよ。
「とはいえ、異世界はあくまでもレベルアップの場所で、こちらにあるダンジョンを制覇したいんだよね」
僕の夢である10つ星ダンジョンの制覇、それを成し遂げる為に強い仲間が欲しかったんだ。
その為に必要な資金を作っては手芸スキルで道具や材料を買い込み、出来上がった品を売りまくっての繰り返しをしたのに、これでは先に進めないと落ち込んだ。
「入学してまだ1日目だし、諦めるにはまだ早いんだけど、学校の管理してるダンジョン程度であれじゃなぁ」
笑い声は全員ではなかったから、まだ望みはあると信じてクラスで探す事を諦めきれず、僕の偽名で作った商人名【ハトポッポ商会】の品を貸さないで試す事にした。
せっかく資金を多めに使って特別に作ったアクセサリーだったけど、仕方ないと諦めたんだ。
「入学したばかりだし資金はあるんだ、店を先に買って装備を作っておいても良いよね」
今までは倉庫で作業をしてて、アクセサリーのお店は出来上がった品を売るだけの場所で作業場は無かった。
お店と一緒に工房を買って先に進めようと決め、起き上がって教室に戻ることにした。
「席は取られてるけど、他の人に話をするくらいできるよね」
諦めたらそこで試合終了っと、何処かの偉い人が言っていたし、ダメでも他のクラスがあるし探せるだろうと前向きに考えた。
そもそも、スキル持ちは貴重で支援と言ってもPTに入れても問題ないはずなのに、手芸と言う聞いた感じ弱そうというだけでダメとか考え無しで困ると思ったよ。
「お店の品よりも低い付与を試すのも良いかもしれない、うんそれが良いそうしよう」
まずは軽めのジャブという事で、初期に作った指輪やイヤリングを有効に使おうと収納袋(小)から取り出せる準備をした。
教室に入ると担任が自己紹介を始めていて、僕は遅れてきた事を注意されたよ。
「すみません先生」
「いいから、早く席に着きなさい」
叱られた後、それぞれ得意な事と名前を伝えて自己紹介をして、PTを組む様に時間を貰いました。
でも、僕のアクセサリーは興味がないみたいで、クラスのみんなからはPTに誘ってくれません。
「そうだよねぇ~みんな、既に僕が世に出してる中の安価な品を付けてる、これは誤算だね」
防具は強化された学生服で良いし、肌が出ている部分が心配なら、ガントレットとか軽装備でもつければ万全で、外のダンジョンに行くまではいらなかった。
でも僕は声を大にして言いたい、収納袋(小)とか、他にもダンジョンで便利な品は作れて、そっちも貸すから入れてほしいっと大声で言いたかった。
でもそれはすでに遅くて、クラスのみんなはPTを組み終わってしまった。
「斑鳩君、良かったら私のPTに入らない?」
僕ががっかりしていたら、一人の女子生徒が声を掛けてくれて、僕は泣きそうなままで顔を上げて喜んだよ。
「良いんですか佐々木さん」
「勿論、女性だけだからちょっと肩身が狭いかもしれないけど、それでも良いかしら?」
「僕の方は全然問題ないよ、でも本当に良いの?」
女性だけとなると、僕が入るとそれだけで問題だし、余裕がない状態だと迷惑になると思ったんだ。
そんな僕の意見が逆に信用を貰えたようで、節度を持ってくれれば良いと笑顔で言われました。
「エッチなことしちゃダメよ」
「ししし、しないよ」
「じゃあ良いじゃない、みんなに紹介するから行きましょう」
教室の窓際に集まっていた4人が佐々木さんの仲間だった様で、僕は直ぐに挨拶をしました。
4人は、自己紹介でレンジャーを目指していると言っていた桃ノ木砂沙美さん・剣士を目指している茨木ミクルさん・盾使いの白石加奈さん・拳闘士の桜木美沙さんで、剣士を目指している委員長の佐々木美穂子さんと同じで僕を受け入れてくれて、ちょっとどころじゃないほどに僕は嬉しかったよ。
「おいおい、そんなお荷物連れていくのかよ委員長」
「なによ笹田君、あなたには関係ないでしょう」
「いやいや、初日からクラス委員長が大怪我をしたら、他のクラスに笑われるぜ、そうなったら俺たちも舐められる」
それはもっともだけど、僕としては笹田君たちの方がそうなるんじゃないかと思っていて、PT構成をもっと考えた方が良いと小声で言いました。
全員がアタッカーの剣士で、力押しが見え見えだったから、委員長もそこを指摘したよ。
「良いんだよ、学校の管理してるダンジョンなんて、弱い奴らばかりだからな」
「それなら良いけど、私達の方はもっと安全に行くから平気よ」
「ふんっ!せいぜいリタイアなんてするなよな」
はいはいっと、委員長が教室を出たので僕たちも後に続き、廊下を歩きながら陣形のお話をしてくれた。
メンバーを見てなんとなくわかってたけど、探索者が良く編成する内容だったんだ。
「レンジャーのササミは、先頭で罠を確認して、モンスターを発見したら後方に下がるのよ」
「うん、後方から弓を使う」
「そうね、そこからは前衛に剣を使う私とミクルが戦うから、ディフェンダーのカナは盾で斑鳩君を守って、拳闘士のミサが攻撃ね」
「「うん、任せて」」
それぞれが頷き、僕は守られるだけで中心にいてほしいと言われた。
だけど、僕も魔道具を使って戦えるので、魔法の指輪を使うと伝えたよ。
「「「「「ま、魔法の指輪!」」」」」
「うん、僕が作ったんです、だから戦えますよ」
「ちょっと待って、魔法の指輪を作ったってどういう事よ」
「そうですね、手芸スキルをクラスの自己紹介の時に話しましたが、手芸スキルはアクセサリーだけでなく、魔道具も作れるんですよ」
腰に付けていた収納袋(小)も同じで、自分で作った事を伝えたら凄いと言われた。
まだ全然凄い品を出してないけど、手芸スキルは使用するのにお金が必要と話、PTに入れてくれて助かったと頭を下げて感謝の気持ちを伝えました。
「だから、僕は頑張りますよ」
「そうだったのね、色々大変なのね斑鳩君」
分かってくれる人がいてよかったと、僕は委員長たちに期待して学校の校庭に見える門に向かいました。
そこには武器を持った生徒が集まっていて、門を通る順番待ちをしていたから、僕たちは一番後ろに並んだ。
学生は、そんな探索者を目指して勉強と訓練をしていて、僕はその中で戦闘職でもなく支援職としても落ちこぼれと見られてます。
「おい、一般科に行かなかった能無し、邪魔だ」
「邪魔って、ここは僕の席だよ笹田君」
「今日のダンジョン探索の話し合いをするんだ、だからどけよ」
5人で集まりたいという事で、僕は渋々席を立ち教室を出たんだけど、教室から笑い声が聞こえちょっと嫌な気分になったよ。
僕が戦闘職でないから負け組と思っている様で、ああはなりたくないという言葉も聞こえてきた。
「まったく、高校1年で自分たちもそれほど実力がないのにね」
僕からしたら、スキルを持たないクラスの生徒の方が負け組で、知らないとは言えユニークスキル持ちの僕に対して最悪な事をしたんだ。
この世界には、ステータスを見る術がなく、本人が何となくしか分かってません。
「そんな中、あの子たちは運動が出来て剣を沢山振ってきたから、スキルを持たないのに自信たっぷりでいる」
中にはスキルを持ってる子がいるかも知れない、でも僕に勝てないと自信を持って言えたんだ。
僕には、他にも秘密にしている事があり、もし戦ったとしたら、小さくて弱そうに見える僕は圧勝するんだ。
「それだけ、肉体的な有利は僕らにはない、そんな事も分からないとか、ガッカリだよ」
それと言うのも、僕はユニークスキル【手芸】と言う力を使って様々な品を世に出して儲けていたんだ。
その力を使い、調べる事の出来る道具を作れるし他にも沢山作ってたから、彼らより先に行ってた。
「僕が月に稼いでる額を知ったら、みんな気絶するだろうね・・・まぁ商売だから売る事はするけど、贔屓はしないよ」
探索者はラノベやゲームの様にレベルは上がらず、肉体を鍛え技術を上げるしかないから、僕の作る付与のついた品は絶対に必要だった。
そして、高校に入学したら別の品作りをするつもりでいた僕は、使ってくれる相手を探していたんだけど、クラスにはいなくてガッカリです。
「レベルを上げる手立ての為に装備を強化したいのに、誰かいないかな」
他のクラスを外から見て、そんな有望そうな生徒を探していたら、弱そうに見える僕を見て悪口が聞こえてきた。
これはダメだと、クラスを見るのを止めて廊下を歩いていきました。
「はぁ~まいったね、やっぱり身分を明かすべきなのかなぁ~」
商品を売って既に大成してる事を明かせば僕が選ぶ側になるけど、その場合ダメな奴らが増えて選定が大変になるから止めていた。
僕が戦闘職でなくても仲良くしてくれる生徒、そんな優しい人たちが良かったんだけど、今の所いなくてガッカリして屋上に出ました。
「でも、せっかく前世の記憶を使って別世界に行ってレベルアップが出来るのに、使わないのはもったいないよねぇ」
アクセサリーなどに付与を付けて売ってる僕は、まだ手芸スキルのほんのひとかけらしか力を使って無くて、スキルを使う為の資金が出来たら進めようと決めていた。
だから高校に上がって張り切っていたのに、いざ入学してみたらあんな人たちばかりで本当にガッカリだった。
「これじゃあ、武器も防具も用意したのにダメじゃん」
手芸スキルは、レベルが上がると他にも作れる様になり、中学1年から始めてレベル5まで上がっていて、出来る事がアクセサリー以外に【魔道具・武器・防具・日用品】が作れる様になっていた。
スキルを起動すると出現する画面を眺め、作った品を見て勿体ないと諦めきれなかったよ。
「僕自身もレベルを上げたいし、もっと作って試したいのに、使ってくれる対象がいないんじゃねぇ」
今使ってるお店では、アクセサリーしか売ってないから、他のお店に卸す予定だったけど、先に現役の探索者を雇って検証するしかないと考え直したんだ。
その場合、感想を聞くのも時間が掛かり、おまけに雇われているから真実を言ってくれるのかも分からなかった。
「自分の作った品には自信はあるけど、やっぱり率直な意見が欲しいんだよね」
だから身分を隠して入学していて、これでは意味がないと屋上の床に寝転がって他の方法を考えました。
手芸スキルで作った魔道具【転移水晶】を使い、異世界の方で人員を確保する案が浮かび、最悪はそれで行こうと思ったよ。
「とはいえ、異世界はあくまでもレベルアップの場所で、こちらにあるダンジョンを制覇したいんだよね」
僕の夢である10つ星ダンジョンの制覇、それを成し遂げる為に強い仲間が欲しかったんだ。
その為に必要な資金を作っては手芸スキルで道具や材料を買い込み、出来上がった品を売りまくっての繰り返しをしたのに、これでは先に進めないと落ち込んだ。
「入学してまだ1日目だし、諦めるにはまだ早いんだけど、学校の管理してるダンジョン程度であれじゃなぁ」
笑い声は全員ではなかったから、まだ望みはあると信じてクラスで探す事を諦めきれず、僕の偽名で作った商人名【ハトポッポ商会】の品を貸さないで試す事にした。
せっかく資金を多めに使って特別に作ったアクセサリーだったけど、仕方ないと諦めたんだ。
「入学したばかりだし資金はあるんだ、店を先に買って装備を作っておいても良いよね」
今までは倉庫で作業をしてて、アクセサリーのお店は出来上がった品を売るだけの場所で作業場は無かった。
お店と一緒に工房を買って先に進めようと決め、起き上がって教室に戻ることにした。
「席は取られてるけど、他の人に話をするくらいできるよね」
諦めたらそこで試合終了っと、何処かの偉い人が言っていたし、ダメでも他のクラスがあるし探せるだろうと前向きに考えた。
そもそも、スキル持ちは貴重で支援と言ってもPTに入れても問題ないはずなのに、手芸と言う聞いた感じ弱そうというだけでダメとか考え無しで困ると思ったよ。
「お店の品よりも低い付与を試すのも良いかもしれない、うんそれが良いそうしよう」
まずは軽めのジャブという事で、初期に作った指輪やイヤリングを有効に使おうと収納袋(小)から取り出せる準備をした。
教室に入ると担任が自己紹介を始めていて、僕は遅れてきた事を注意されたよ。
「すみません先生」
「いいから、早く席に着きなさい」
叱られた後、それぞれ得意な事と名前を伝えて自己紹介をして、PTを組む様に時間を貰いました。
でも、僕のアクセサリーは興味がないみたいで、クラスのみんなからはPTに誘ってくれません。
「そうだよねぇ~みんな、既に僕が世に出してる中の安価な品を付けてる、これは誤算だね」
防具は強化された学生服で良いし、肌が出ている部分が心配なら、ガントレットとか軽装備でもつければ万全で、外のダンジョンに行くまではいらなかった。
でも僕は声を大にして言いたい、収納袋(小)とか、他にもダンジョンで便利な品は作れて、そっちも貸すから入れてほしいっと大声で言いたかった。
でもそれはすでに遅くて、クラスのみんなはPTを組み終わってしまった。
「斑鳩君、良かったら私のPTに入らない?」
僕ががっかりしていたら、一人の女子生徒が声を掛けてくれて、僕は泣きそうなままで顔を上げて喜んだよ。
「良いんですか佐々木さん」
「勿論、女性だけだからちょっと肩身が狭いかもしれないけど、それでも良いかしら?」
「僕の方は全然問題ないよ、でも本当に良いの?」
女性だけとなると、僕が入るとそれだけで問題だし、余裕がない状態だと迷惑になると思ったんだ。
そんな僕の意見が逆に信用を貰えたようで、節度を持ってくれれば良いと笑顔で言われました。
「エッチなことしちゃダメよ」
「ししし、しないよ」
「じゃあ良いじゃない、みんなに紹介するから行きましょう」
教室の窓際に集まっていた4人が佐々木さんの仲間だった様で、僕は直ぐに挨拶をしました。
4人は、自己紹介でレンジャーを目指していると言っていた桃ノ木砂沙美さん・剣士を目指している茨木ミクルさん・盾使いの白石加奈さん・拳闘士の桜木美沙さんで、剣士を目指している委員長の佐々木美穂子さんと同じで僕を受け入れてくれて、ちょっとどころじゃないほどに僕は嬉しかったよ。
「おいおい、そんなお荷物連れていくのかよ委員長」
「なによ笹田君、あなたには関係ないでしょう」
「いやいや、初日からクラス委員長が大怪我をしたら、他のクラスに笑われるぜ、そうなったら俺たちも舐められる」
それはもっともだけど、僕としては笹田君たちの方がそうなるんじゃないかと思っていて、PT構成をもっと考えた方が良いと小声で言いました。
全員がアタッカーの剣士で、力押しが見え見えだったから、委員長もそこを指摘したよ。
「良いんだよ、学校の管理してるダンジョンなんて、弱い奴らばかりだからな」
「それなら良いけど、私達の方はもっと安全に行くから平気よ」
「ふんっ!せいぜいリタイアなんてするなよな」
はいはいっと、委員長が教室を出たので僕たちも後に続き、廊下を歩きながら陣形のお話をしてくれた。
メンバーを見てなんとなくわかってたけど、探索者が良く編成する内容だったんだ。
「レンジャーのササミは、先頭で罠を確認して、モンスターを発見したら後方に下がるのよ」
「うん、後方から弓を使う」
「そうね、そこからは前衛に剣を使う私とミクルが戦うから、ディフェンダーのカナは盾で斑鳩君を守って、拳闘士のミサが攻撃ね」
「「うん、任せて」」
それぞれが頷き、僕は守られるだけで中心にいてほしいと言われた。
だけど、僕も魔道具を使って戦えるので、魔法の指輪を使うと伝えたよ。
「「「「「ま、魔法の指輪!」」」」」
「うん、僕が作ったんです、だから戦えますよ」
「ちょっと待って、魔法の指輪を作ったってどういう事よ」
「そうですね、手芸スキルをクラスの自己紹介の時に話しましたが、手芸スキルはアクセサリーだけでなく、魔道具も作れるんですよ」
腰に付けていた収納袋(小)も同じで、自分で作った事を伝えたら凄いと言われた。
まだ全然凄い品を出してないけど、手芸スキルは使用するのにお金が必要と話、PTに入れてくれて助かったと頭を下げて感謝の気持ちを伝えました。
「だから、僕は頑張りますよ」
「そうだったのね、色々大変なのね斑鳩君」
分かってくれる人がいてよかったと、僕は委員長たちに期待して学校の校庭に見える門に向かいました。
そこには武器を持った生徒が集まっていて、門を通る順番待ちをしていたから、僕たちは一番後ろに並んだ。
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