レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー

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1章 新しい風

2話 初日で制覇

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やっと僕たちの番が来てダンジョンに入ると、壁が石を敷き詰めたいかにもって感じのダンジョン通路に出ました。


「ついに来たわ、アタシワクワクしてきたわ」
「ちょっとミサ、あなたが先走ってはいけないのだからね」
「分かってるわ美穂子、中衛で待機ね」
「そうよ、私とミクルが突破されたら、相手をするのはあなたなのよ」


2段構えの陣形で、その間にレンジャーの桃ノ木砂沙美さんが矢を撃つことになっていた。
これは今の最高PTが考案した戦略で、スイッチして戦う手法で評価され、本当によく勉強していると感心し、急遽入った僕は魔法で砂沙美さんと一緒に攻撃する事になった。


「じゃあ行くわよ」
「「「「は~い」」」」


僕以外が返事をして歩き始め、ものの5分で最初のモンスター【切り裂きアント】が姿を見せた。
中型犬並みの大きさで、前足がとても鋭い爪を持っている4足歩行のモンスターはちょっと怖く感じた。


「でも、委員長たちはもっと怖いみたいだから、ちょっと心配だね」


話し合った陣形にスイッチするはずなのに動くことが出来ず、レンジャーの桃ノ木さんは後ろに下がらず震えていた。
本来は佐々木さんが号令を掛けて下がらせないといけないのに、ここに来てしり込みしてしまい、仕方ないので僕が前に出たんだ。


「みんなしっかり、桃ノ木さんは下がって、相手の爪は鋭くて怖いけど、動きは遅いよ」
「斑鳩君・・・ミクル行くわよ」
「わ、分かったわ」


何とか剣を抜き、茨木さんと佐々木さんが前に出て攻撃を開始してくれた。
震える手で攻撃したからか一撃とはいかず、僕は桃ノ木さんに声を掛けて矢を放ってもらい、それに合わせて僕も指輪から火の魔法(ファイアーボール)を撃って倒したんだ。


「「「「「た、倒した~」」」」」
「良かったね、ドロップした魔石(極小)を拾って先に進もう」
「その前に、ありがとう斑鳩君、おかげでちゃんと倒せたわ」
「「「「ありがとう」」」」


みんなにお礼を言われ、この子たちなら僕の計画を任せられると思いました。
どういたしましてっと【ペコリ】と頭を下げて僕は後ろに下がり、桃ノ木さんが先頭に戻って委員長と茨木さんが交代するのを見ていました。


「うん、言われなくても動けてるし、さっきよりも足取りが軽い、これならいけるね」


もう平気と思えるほどに、その後の戦いはスムーズに進み、中衛で守っていた白石加奈さんと桜木美沙が暇そうにしていた。
余裕が出来たのでスイッチして戦う戦法も試して間隔を掴んで更に1時間経った時、全然疲れてないから変と白石加奈さんが言い出したんだ。


「ああそれはね、僕の付けてるイヤリングのおかげなんだ」
「「「「「え」」」」」


耳の裏に付けていて気付かれなかったけど、イヤリングの効果は疲労軽減で、PTメンバー全員に効果のある品だった。
耳を裏返して見せると、可愛いと欲しがってきたから、次の時に用意することを提案したよ。


「良いのかしら?」
「うん、PTに誘ってくれたお礼ね、効果はそれぞれ決めてもらうから考えておいてよ」
「斑鳩君・・・ありがとう」


お礼を言う時、委員長はなんだか暗い顔をしてきて、何かあるのかと心配になり、異世界行きは保留にしたけど、疲れの少ないみんなはどんどんと進み、モンスターの数が増えて中衛の二人が戦闘に参加するようになっても余裕がありました。


「さて、学校のダンジョン最下層、地下5階に着いたけど、ここからはモンスターが変わるから注意よ」
「おっけーだよ美穂子、元気もあるし行けるよ」
「ミクル、手から血が出てるわよ」


革のガントレットが破れていて、血が流れているのに気づいてなかった様で、ガントレットを外すと結構深い傷を負っているのがわかりました。
休憩も兼ねて直ぐに手当てをしようと座ったんだけど、僕以外誰も医療セットを持ってなかったんだ。


「そういえば、荷物も持ってなかったね」
「それ、斑鳩も」
「桃ノ木さん、僕はこの収納袋に入れてるんだ、みんなも腰にポシェットを付けていたから、そう言った物に入れてるのかと思ってたんだよ」


でも、武器以外持ってないらしく、今日はここまで進むつもりはなかったと言い訳を言ってきた。
上手く行きすぎたせいもあり、仕方ないと僕が手当てを始めたよ。


「消毒液に包帯って、ちょっと斑鳩、その袋どれだけ入るのよ?」
「桜木さん、これは収納系アイテムだよ、10種類なら20個ずつ入るんだ」
「それって、探索者に必須とか言われてる奴じゃない、あなたそんなのまで作れるの?」


お店で売ってる品よりは劣ると言いながら手当てを済ませ、進むかどうかの選択を求めた。
委員長に視線が集まり、疲れはそれほどないから進むことになったけど、ここからは本当に心配なので、防御の指輪を渡す事を提案した。


「指輪って、その魔法が飛ばせるやつね」
「そうだよ桜木さん、ちょっと待っててね、今作るからね」
「「「「「今作るのっ!」」」」」
「当然だよ、僕のユニークスキル【手芸】は、どこででも使えるんだ」


詳しくは話さなかったけど、材料になる糸を画面を出して購入し、そのまま画面で糸に付与を500エーンで追加納入して、3本の糸を1本の主糸に編んでいきます。
みんなは手慣れた手つきに驚いていたけど、道具の無いここではこれが精いっぱいと謝ったんだ。


「何謝ってるのよ、十分じゃない」
「ミサの言う通りよ斑鳩君」
「いやね、糸を編むときに使う針を買って使えばもっと複雑な作業が出来ますし、その方が生まれる付与も強いんです」


最初に付けた付与が編まれていくと、完成した時新たな付与が生まれ、それはとても強いものになると説明しました。
それが僕の強みで、初期の品が1つしか付与のついてなかった理由でもありましたよ。


「みんな、これを着けて進もう」
「ありがとう・・・ねぇ斑鳩この指輪、どんな付与が出来たの?」
「ごめんね茨木さん、生まれた付与は防御力プラス4っていう弱めのしか出なかった」
「4って、数値じゃ分からないわね」


ステータスが見れないから仕方ないけど、みんなの革装備と同じだと言ったら驚かれた。
最初に付けた付与が弱い防御プラス1だったから、それから生まれた付与は4となった。


「主糸にこの付与は付くんだけど、3本の捕糸の防御プラス1を合わせて7上がるね」
「「「「「7もあがるのっ!」」」」」
「そんなに驚く事かな?最初に付ける付与はもっと高いのがあるよ」


お金がないから付けられないと嘘を付き納得してもらったけど、これはかなり凄いとみんなが喜んで指輪を付けてくれた。
初期に作る品だから性能はかなり低いんだけど、驚かれて僕はびっくりだよ。


「僕の知ってるアクセサリーショップで売ってる品はもっとすごいよ、鉄装備以上の性能が基準なんだ」
「これだってそれくらいじゃない?」
「数値だけならそうだよ茨木さん、でもこれはただ編んだだけのリングで装飾がない、教室で可愛いのを付けていた子がいたけど、気づかなかったの?」


どうしてか、委員長たちは見てなかった様で、見に行きたいと僕に同行を求めてきたよ。
僕も予定していたから了承したけど、これはデートなのかとみんなが嬉しそうだったね。


「6人で行くならデートじゃないと思うけど、それよりもそろそろ出発しない?」
「それよりって、女の子とデートのお話なのに、斑鳩君は何とも思わないのかしら?」
「佐々木さん達が可愛いのは認めるけど、僕は恋愛に興味がないんだ」
「「「「「可愛い!」」」」」


テレているみんなを見て、高校生だから仕方ないと思ったけど、僕はみんなと同じではなかった。
転移水晶を作れたことにも繋がるけど、僕には異世界にいた頃の記憶があり、それを踏まえるとおじさんと呼べる年齢だった。


「おかげで向こうの座標も分かるし、その時もっていたユニークスキル【手芸】をこの体でも使えたんだよね・・・まぁ働きすぎて40歳で死んだから、おじさんだよね」


この体になって15年、多少はこの体に引き込まれるときはあるけど、精神は40のおじさんでした。
だから、自分の容姿が高校生のわりに小さくても気にしてないし、みんなが恥ずかしそうにしているのも温かい目で見る事が出来た。


「エッチな事はしないと言われた時も、芝居を打って恥ずかしそうにしたけど、みんなは本気だからなんだか可愛いね」


あははっと笑い、準備が出来たから進もうと提案し、みんなも頷いて気持ちを切り替えていた。
桃ノ木さんが直ぐに先頭に走ってくれたけど、どうしてか後ろの僕をチラチラ見てきたから、笑顔を返しておきました。


「まだ集中してないけど、防御力は上がってるし何とかなるよね」


ここからのモンスターは、僕と同じくらいの背丈を持つ二足歩行のアントソルジャーで、更に鋭く剣の様になった爪が驚異のモンスターでした。
それでも今の僕たちの敵ではなく、サクサク進んで出口に繋がる魔法陣を見つけてみんなで校庭に戻ったんだ。


「ふぅ~終わったわね」
「うん、ちょっと疲れた」
「早くシャワーを浴びたいわ」
「「「同じく~」」」


みんながひと段落して緊張を解いていて、僕は良いPTなのを十分理解した。
同じようにダンジョンから帰ってきていた生徒は、門からではなく魔法陣から僕たちが出てきて制覇したことに驚いていたけど、そんな事は些細な事で明日はどうするのか聞いたんだ。


「そうね、ドロップした魔石を交換して、そのお金で買い物に行きましょうか」
「「「「さんせ~い」」」」
「斑鳩君もそれで良いかしら?」
「5階までに手に入れた魔石を計算すると、一人2万エーンにはなるし、僕も賛成だよ」


一度の探索で12万も稼げるとか、学生が出来る事を超えていたけど、委員長たちはそのことに気づいてなくて、何を買うか楽しみにしていた。
これなら期待できると思いつつ、学校の魔石交換所に行き、お金に換金して分配したので、僕はお疲れと解散しようとしましたが、委員長に止められてしまった。


「どうしたの委員長?」
「斑鳩君、これから反省会を兼ねてカラオケに行くけど、一緒にどうかしら?」
「僕が行っても良いの?」
「勿論よ、あなたはもう私たちの仲間なんだからね」


出来れば来てほしいとお願いされ、みんなの意思を聞くためにもついていくことにした。
目指している場所がどこなのか、志を聞いて最終決定すると決め、将来が楽しみになりました。
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