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まったりー

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3章 抵抗

49話 軍事会議に裏会議

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第3皇子の僕【グラハム】は、今とっても違和感を持って会議の内容を聞いていて、その気持ちは僕だけが思っている感じだった。


「みんな、本当に疑問に思って無いのかな?」


とても信じられなかったけど父親の国王まで同じで、領地を取られるから力で守ると言っていたんだ。
相手の強さは分からないけど、強い様だったから全軍を集める事が言い渡され、出来るなら相手の技術を奪う事を命じられた。


「良いですな、久しぶりの戦、血が騒ぎます」
「兄さんちょっと待ってください、僕は反対です」
「グラハム、お前はまだ若いから分からないんだろう、これは必要なのだよ」


王族として国を支えなくてはいけないとグランダラ兄さんはいうけど、それならまず話し合った方が良いと僕は反対したんだ。
そんな気持ちになっているのも、相手の動きが気になっているからで、僕はどうしても戦いだけが選択肢にはおもえませんでした。


「それに、相手はこちらを舐めている、それなら叩きのめすのが道理だ」
「相手は攻撃を控えているだけです、それに途中の村や街は攻められても被害はなく、あっちからは襲撃していません」
「それが舐めているというのだグラハム」


そう見えるから兄さんたちは余計怒っていて、殲滅の為に戦争する事を止められませんでした。
でも、僕はどうしても諦めきれなかったので、その日の夜護衛騎士のミラを呼んだんだ。


「グラハム様、ミラがまいりました」
「こんな遅くにごめんね」
「いえ、ご命令とあれば・・・それで、どのような要件ですか?添い寝なら喜んでいたしますよ」
「そんな事させないよ、こんな時間に呼んだのはね、ちょっと危険なお願いをしたかったからなんだ」


僕を問題の部隊がいる場所に連れて行ってほしいと、絶対に断られるお願いをしました。
でも、そんな危険で無謀なお願いなのに、ミラは「喜んで」っと直ぐに返事をしてきたよ。


「そんな簡単に・・・死ぬかもしれないんだよ」
「グラハム様と一緒なら本望ですよ、あなた様がいたから自分たちの今があるのです」


平民の兵士だったミラたちを選んだのは僕だけど、それは大会で実力を知っていたからだし、騎士に勝ってしまったミラたちを応援したいからでした。
それからは、ミラたちは僕の為に頑張ってくれて、今ではとても強い騎士団になったんだ。


「ですので、グラハム様が止めても自分は行きます、一人でも行きますよ」
「僕がお願いしてるんだけど、まぁ良いかな」


とても頼もしいミラにお願いし、僕はその夜にお城を抜け出し、ミラの馬に乗って目的の場所に向かったんだ。
休まず走ってもらったから、直ぐに目的の村に着いたんだけど、そこには僕たちを待っている感じで立っている人?がいたんだ。


「あの、あなたは?」
「クマックはクマックというクマ、そちらはこの国の王子クマね」
「ど、どうして知ってるんですか!」
「情報は武器クマ、そちらの事なら何でも知ってるクマよ」


例えばっと、会議で決まったばかりの事まで知っていて、全部筒抜けなのが分かりました。
それなのに奇襲を掛けない時点で、僕は話が出来ると思いなんでこんな事をするのかと聞いたんです。


「あれ、聞いてないクマ?」
「何をですか?」
「クマックたちがいた領地で裏切られたんだクマ、だからそんな事が二度と無いように領地を貰ったんだクマ」
「そんな、それならどうして先の領地まで」


その答えは、場所を変えて話そうと言われ、クマックと名乗ったアヒルぬいぐるみに見える人?は、他のぬいぐるみを使って椅子とテーブルを作り、クマックがお茶を淹れ始めた。
村の中に入らなかったのは、僕たちが警戒していたからで、お茶も飲まなくても良いと言ってきたんだ。


「それならどうして用意したのだ、まるで意図が読めんぞ」
「護衛の方、これはそちらが敬意を見せてくれたから淹れたんだクマ、毒を入れても何の意味もないクマ」
「そうか、それなら心配はないな」


ミラは納得してぬいぐるみで作った椅子に座り、お茶を飲んで美味しいと笑顔になっていました。
僕もそれに習ってお茶を飲んで、クマックが進軍を止めない理由を聞いたんだ。


「隣の領地を持っていた人が問題クマ」
「それって、裏切るかもしれないからですか」
「それもあるクマ、でも一番は提案を断ったのが問題クマ」


クマックは、仲良く領地を良くしようと提案したそうで、それを断られたから占領する事にしたそうです。
奪われると思ったからなのか、そこの領主は何を考えているんだと僕は呆れてしまったよ。


「王子様はまともクマね、でも事前にクマックたちの事を聞いていたら違うんだクマ」
「それって、そちらの領主が王都に救援を求めてきたやつですね」
「そうクマ、だから話を聞いて貰えなかったクマ」


裏切られると思ったからその前にっと、クマックは領主の心を読んできて、それは同時にクマックが攻め続けている理由だった。
裏切られると分かっていればそうだろうと、僕も納得してしまったよ。


「それなら、こちらが攻めなければ」
「そうクマ・・・だけど、それは無理クマ」
「それは・・・僕が会議で言った事の繰り返しですね」


クマックが頷き、話し合いは無理と僕が思っている通りに答えてきた。
僕が説得出来れば良いのだけど、それは力のない僕には出来ないことだったよ。


「こんなに分かっているのに、僕はどうしたら良いんだよ」
「グラハム様・・・クマックとやら、何とか出来ないのか?」
「占領は回避できないクマ、でもそちらが王族として残る事は出来るクマよ」


共に国を作ると約束出来れば良いのだけど、それが難しいから悩んでいました。
クマックの作戦は降参する事で、その為に動いても良いと提案してくれたよ。


「クマックたちは、攻めずに王都を包囲するクマ」
「つまり、包囲した長期の持久戦ですか」
「そうクマ、ずっと緊張すれば降参する気持ちが生まれるクマ」


それしかないっと、僕も納得してお願いしました。
ずっと包囲されていたら辛いかもしれないっと、クマックは心配してくれて、僕はどちらが味方なのか分からなくなったよ。


「グラハム様、良かったですね」
「うん・・・でも、王都に暮らす人たちには辛い思いをさせてしまうよ」
「それならば、グラハム様がそれを助ければ良いのです、自分たちの時の様に」
「そうだね、それが僕に出来る事だね」


力のない僕に出来る事が見つかり、これから忙しくなるとやる気が出てきました。
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