荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー

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2章 クラン

27話 ご挨拶

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ダンジョンギルドに入ると待合所の方で疲れてぐったりしたミリーたち3人がいたんだ、もしかしてダメだったのかな。


「みんなお疲れ様」

「ああバイトにゃか、丁度いい所に来たにゃ、ちょっと話を聞くにゃ」


アイミがそう言って話してくれました、どうやら申請の内容を書くのに苦労したそうです。


「張り紙はしたにゃから、しばらくすれば希望者はくるんだにゃ、でもにゃ~」

「私たちとお近づきになりたいってだけの男性が来ると思うんだよバイトっち、だからそう言った人は拒否しますって書いたの」


ミリーもそう言っているように、みんなを目当てに来るって話です、そう言った人を拒否する為に、条件を追加で結構書かないといけなくて大変だったようだよ。


「た、大変だったんだね、でもこれで後は集まるのを待つだけですね」

「それはそうにゃ、でも来るかが心配にゃ」

「ん、そう言った奴しかこなそう」


みんなそれでぐったりしてるんだね、不安みたいだけど問題ないよ、何せ昨日すでにそう言ったヤツらは全員処罰したんだからね、きっとこれはギルド側の対処法なんだ、それなら女性ばかりのクランって事で重要視されるよ、まぁ僕は困るけどさ。


「まぁ心配しても仕方ないですよ、それよりも加入者を連れてきました」


僕は早速ティーアたちを紹介したよ、そしてすぐにギルドにも申請したんだ、あと最低2人だね。


「有翼人にゃ」

「ん、凄く珍しい」


申請を済ませてテーブルに戻ると、みんなが有翼人の二人を囲んで翼とかを触っていました、2人はすごくくすぐったそうにしてます、アンジェとカッツェが来るまではここにいる事になるけど、みんな気付こうよ、他の冒険者たちの注目が全部集まってますよ。


「あ、あのそろそろいいっぴ?」


我慢が出来なくなったのかパーエンティが下を向いて言ったので、ミリーたちは落ち着いて椅子に座り始めたよ。


「それにしても、皆さんすごくきれいですね、あたいたち入って良いのでしょうか?」


モジモジしてティーアが言ってますけど、そんな事心配する必要ないよね、ミリーたちが顔を見合って笑ってるよ。


「あ、あの」


僕たちがワイワイ話しているとギルド職員の人が来ました、タタマさんではなくスレンダーなエルフさんですね、たしかサイーフさんだったかな。


「何にゃ?」

「いえ私の後ろに隠れている人が加入希望者で、少しよろしいですか?」


そう言われたので僕はサイーフさんの後ろを見たけど誰もいません、どういう事でしょうね。


「そっちではないです、こちらなんです」


サイーフさんが少し移動すると頭のとこにフェアリーさんが浮いてたんだ、つまり加入者ってフェアリーですか。


「これまた珍しい種族にゃ」

「い、いかがでしょうか?」


サイーフさんも少し心配そうだね、確かにフェアリーの冒険者ってすごく珍しいよ、魔法がすごく使えるけどそれ以外の戦闘では使えないって話だからね、でもここでそう言った子を入れたがるって事は、これも何かの対策って気はします。


「別に問題にゃいにゃ、条件を満たしているなら拒む理由はないにゃ」

「「「ほんと!?」」」


フェアリーの声が重なって聞こえました、もしかして1人じゃないの?って見たら3人いたんですよ、後ろにくっ付いていたから見えなかったんだ。


「サイーフさん、これでクランとして人数は満たしたって事ですよね?」

「そうなります、ですので誓いの炎のクラン申請を認めます、冒険者カードをお願いできますか」


そう言われたので僕たちはカードを渡しました、アンジェとカッツェは後で渡すことになったけど、もしかしたら急いでメンバーを揃えたかったのかもね、カードを走って持って行ったもん、そしてアンジェとカッツェを待っている間にテーブルで自己紹介をしました、待ち時間が長くなったから僕がお菓子を出してお喋りをしています。


「ほんとおいしぃーの!」


今ブドウにかぶりついているフェアリーさんは赤い服の子でリズアズリ、ピンクの子がオリーミで青い服の子はウクスルトだそうです、そしてウクスルトはなんと男の子です、僕としてはやっと男性の仲間ができたって心の中で喜んでいます。


「そんなに食べるとこの後のお祝いの時に食べれないよリズアズリ、まぁ出した僕は嬉しいけどさ」


フェアリーの子たちはやはり果物系が好きみたいでフルーツに群がってるよ、出したらみんな嬉しそうに食べています、それは有翼人のティーアたちも同じで追加で出しています。


「バイトはいい人です、気に入ったです」

「おいらも気に入ったよバイト」


僕の肩にオリーミとウクスルトが乗ってこめかみ辺りをペシペシ叩いてきました、まぁ気に入ったなら良いんだけどさ、ハナも一緒にしてくるんだよね。


「おう!みんな揃ってるんだな」


僕が叩かれているとギルドにカッツェとアンジェが入ってきました、しょんぼりはしてないから武器は買えたのかな。


「おかえりカッツェにアンジェ、その様子だと武器は買えたの?」

「ええ、何とか代用的な物はね、今の手持ちじゃこれ以上は無理だって言われちゃったわ」


アンジェが見せてくれた剣はミスリルソードです、でも作った人の名前は聞いたことがなかったね、きっと料金的に足りなかったんだ、これは準備をしておかないと戦闘中に壊れる恐れがあるね。


「そうですか、じゃあもっと稼がないとですね」

「ふふ頼りにしてるわバイト・・・それでその子たちが新しく入る子かしら?」


アンジェとカッツェが興味津々です、まぁ無理もないよね加入者がみんな珍しい種族なんだからさ。自己紹介をしてもらったけど、ふたりは嬉しそうでした。


「じゃあ早速クランの拠点に行きましょう、施設の説明をしないといけないんですよ」


僕のその言葉に全員がハテナマークを浮かべましたよ、一緒にいたティーアたちまでね、ふたりはトイレとかお風呂の改造を見てないからね。


「ここがそうです」

「なんだ普通の宿屋じゃねぇか、脅かすなよバイト」


カッツェがみんなを代表して言ってきたけど、外見は変えてないもん普通に決まってるよね。


「まぁ中に入れば分かるよ、じゃあ行こう」


僕を先頭に拠点に入りました、まずは正面にエレベーターがあります、これはそれほど珍しくないかな、ちょっとこっちにはないエレベーターだけどね。


「自分で閉めないのねこのエレベーター」

「そうですよアンジェ、これは自動でしまってくれます、そして中の階層のボタンを押すと、その階に移動してくれるんですよ」


こっちのエレベーターは上に行くか下に行くかしか決められません、そして各階に一度止まらないといけません。


「へぇ~これなら楽そうね」

「はい、それとアンジェたちはお風呂を使った事があるので説明は要らないと思うのですが、他の人は説明が必要ですかね」


平民の人は大抵使った事がないです、なのでお風呂場に行って説明しましたよ。


「これがバイトさんが作った石鹸とシャンプーですか、早く使ってみたいですねパーエンティ」

「そうっぴねティーア、羽の手入れなんて久しぶりっぴ」


有翼人の二人は早く使いたそうだね、でもそれはまだ後だよ、問題のトイレが待ってるんだ。


「さてこれからトイレの使い方をご説明します」


みんながすごく不安と言いますか、警戒しています、トイレなんて説明する必要ないですからね。そして既に便器を見て不思議そうなんですよ、この世界のは底のない木箱でしゃがんで済ませるんです、こんな白い椅子みたいな便器ではありません。


「まずこの蓋を上げて座ります」


僕は取り敢えず実演しています、ズボンは下げないでですからね、そしてみんな聞いてますがあまり変わらないと思っています、ここまでは変わりませんよ、問題はここからです。


「そして用を足したらこのボタンを押すと、水が出てお尻を洗ってくれます」

「「「「「ふえっ!?」」」」」


僕は一度便器から立って横のボタンを押しました、すると便座の所からノズルが出てきて水がちょろちょろ出て、みんなから驚きの声をいただきました、日本でもこれが出た当初はこんな感じだったのかな。


「そしてもう一度押すと水が止まりノズルも引っ込みます、そうしたらこっちの紙でお尻を拭いて中に捨ててこの取っ手を引きます」


トイレットペーパーを水で流して見せてみんながかなり固まっています、この世界でも紙で拭きますが、かなり荒い物でそのまま捨てるだけで水を流すことはしません、書類とかには使えないくらいの紙しか作れてないそうなので、みんなすごく見てますね。


「どうですか?分かりましたか」


みんな何となく分かったのか頷いてますね、まぁ最初は困るかもですね、僕を呼ぶときはする前にしてくださいと言っておきました。


「後部屋は6階をアンジェたちが使ってください、ここのリーダーPTですからね、そして他の人は2階と3階と4階で個室か2人部屋ですね」


玄関ホールに移動して指を差して説明しました、最初にするべきだったかと反省しています、みんなトイレの使い方を考えてる顔です、使い始めれば便利なのでしっかりと覚えてね。


「部屋は自分で掃除してください、他は誰かを雇うつもりです、それとご飯は当番制にしたいと思います、足りないものがありましたら僕に言ってください、ある程度でしたら揃えられるので、では乾杯!」


説明を済ませ食堂でクラン結成のお祝いを始めました、そしてどうしてか僕が乾杯の挨拶をすることになったんです、きっとアンジェが固まってしまってるからでしょう、クランのリーダーはアンジェなんだから早く戻ってきてやってほしいよ。


「って事なんですよアンジェ、なので護衛の報酬はみんなで分けてそこから雇う人の費用も出してほしいんです、僕は食材とかその他を持ちますから、お願いします」


僕はアンジェに掃除や食事の話をして護衛の報酬分配を変えてもらうように説明しました、クランは何もしてなくてもお金を使いますからね、こう言った時に余分なお金って大切だね、みんなに渡すはずのお金があって良かったよ。


「そうねそれで良いんじゃないかしら、良かったわバイトが全部出すって言ってこないで、私はてっきりそう言って来る物かと思ってたのよ」

「そ、そんなこと言いませんよアンジェ、それで早速なんですが、前の納品分を貰ったのでこれをみんなに話して分けてください」


アンジェのジト目を避けて僕は話しを進めました、ほんとあの時に決めておいて良かったね。


「288万ククリの半額なので144万ククリです、確認してください」


革袋をアンジェの前に出して渡しました、かなり驚いた顔してます。


「ちょ、ちょっとバイト!?こんなに貰えないわ」

「そう言われましても、それは正式な報酬ですよ、雇う人は僕が連れてきますから渡すのを忘れないでください、それ以外はみんなで分けてくださいね」


僕は笑顔で渡しました、クランの人数が増えていけば分け前は減るかもだけど、金額は話し合った額だもんね、それに僕の商品はまだまだ増えるから、今の額は一番少ないかもなんだよ。


「これは他にも何か考えないと貰ってくれないかな?」

「ん?何か言ったかしらバイト」

「い、いえ、料理当番をどうしようかなって思っただけです、出来る人とか教えてくださいねアンジェ」


そう言って僕は誤魔化しました、アンジェは顔を少し引きつらせてたからきっと苦手だね、僕が入ってサポートすればいいと思うけど、大変そうだよ、色々とさ。
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