荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー

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3章 戦争

47話 やっぱり来ちゃった

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『「「「「「似合う」」」」」』


拠点に戻ってアンジェたちがドレスを着てみました、そして僕もタキシード姿ですがアンジェたちが似合うのは当たり前で僕が登場したらクリプルたちまで声が揃ったんですよ。


「みんなが声を合わせるほどじゃないでしょ、アンジェたちがすごすぎだよ」


どこかのお姫様とか言われても納得するよ、僕は少し似合うってだけです、貴族にも見えないだろうし執事さんとかにだって見えないさ。


「バイト自覚した方が良いわ、あなた似合ってるカッコイイ」

「そうかなぁ・・・それで国王様に会う時の作法ってこんな感じ?」


アンジェに向かって跪いてみました、そして国王様が頭を上げていいと告げたあとは顔を上げるだけにして話を聞くそうです、よくあるやつだね。


「そうよバイト、注意としては国王様が顔を上げても良いと言うまでは上げちゃだめってくらいね」

「分かったよ注意する、じゃあ着替えに戻ろうか」


お披露目を済ませたので、各自部屋で普段着に着替えて再度食堂に集まって昼食です、でもその途中で玄関にあの人がいたんですよ、それも腕を組んでかなり怒ってます。


「あなた良い度胸ですわね、わたくしに嘘を付くなんて」

「僕は嘘を付いてませんよ、商業ギルドの人が良く知ってると言っただけです、僕本人とは一度も言ってません」

「ぐっ言われてみれば確かに・・・では再度言いますわ、わたくしの物になるのですわ発明王」


お嬢様が今度は間違わないように言ってきたよ、それが嫌だからあの時名乗らなかったのに、それが分からないんだね。


「すみませんけどお断りします」

「な!?なんでよ!わたくしの元に来れば資金は使いたい放題ですのよ、存分に発明をすればいいですわ」

「いえ、僕は別に発明をしたいわけではないんです、荷物持ちですからね」


ポーターですって言っても良いんだけど、知らないかもしれないからね、それに僕に頭を下げてくれたメイドさんが驚いてる、きっとポーターだって知ったからだね、そこら辺を説明しました。


「そう言うわけでしたか、ひめゴホンゴホン!・・・お嬢様諦めましょう」


カリーナさんが何か言いかけて咳ばらいをしてました、でもそのお嬢様はあきらめてないみたいですよ。


「ダメですわ!あなたはわたくしの物になるのです、そうしないと・・・お母さまが」

「お嬢様!」


カリーナさんが肩を掴んで止めてるけどちょっと気になるね、親しいはずのカリーナさんも知らないみたいだし、どういうことか聞いた方が良いのかな。


「事情を話していただけませんか?僕はここから離れませんが何か出来るかもですよ」

「お嬢様言ってみましょう、もしわたしがお邪魔でしたら退場しますから」


メイドさんが退出ってそっちの方がまずいと思うんだけど、それだけ重要事項なんだろうね。


「いつまでも隠して置ける問題ではありませんわ、お話ししますカリーナも聞いてくださいまし」


どうやら覚悟を決めたみたいです、そしてとりあえず僕の部屋に二人を案内しました、その間ずっとカリーナさんの顔色を見てましたが相当秘密にしていることなのかもね。


「まずこれを話すにはわたくしの素性を明かさないといけません、わたくしはアリステア・ブリリアン・バーバルス」

「な!?」


それを聞いて僕は驚きました、アリステアと言う名前は知らないけど、他の2つはこの国にいる人ならだれでも知ってる名前です、なにせ国王様ですからね、そしてそれを名乗って良いのは第一婦人の子供だけ、つまりこの子は王女様ですよ。そして話が終わるとお嬢様の髪の色が茶色から金髪に変わり、眼の色も金色になりました。


「も、申し訳ありませんでした王女様」


僕は直ぐに椅子から飛び上がって跪いて謝罪しました、まさか変装してる第一王女様だったなんて誰も思わないよ。


「良いのですわ頭をお上げてくださいまし、それよりも事情をお話ししなくてはいけませんわ」


王女様が許可してくれたので僕は椅子に座り直して話を聞きました、それは聞くと簡単な話で病気の母親を治したいって事でしたよ、でもそれは普通の人だった場合です。


「王妃であるお母さまが病に倒れているのですわ、でもそれは貴族にも伏せ王族でもわたくしとお兄様、それとお父様だけが知っています」


医師も相当口の堅い人を選んでいるそうです、そしてこの世界では病気は魔法で治すのでそう言った薬はありません、状態異常回復薬や魔法のキュアがあります。王妃様には上位の物を使ったはず、それでも治らないとなるとこれは細菌って可能性が高いね、普通の細菌なら状態異常を回復させれば体の抵抗力で治せるんです、でもそれが追い付いてないんでしょう。


「手を尽くしたのですがダメなのです・・・だからわたくしはあなたをなんとしてでも手に入れ、治す方法を見つけてほしいのですわ」

「そうだったんですか・・・もしかして国王様がここに来るのってそれも関係してますか?」


お茶を出しながらそう聞いたらすぐに頷いたよ、ダンジョンをタイミングよく突破してくれたから誰も疑う事が無くて助かったと言ってますね。


「でもそれならそのお父様に頼んでおけば良かったじゃないですか、どうして姫様が来られたんですか?」


護衛もメイドさんたちだけだから相当少ない、きっとお忍びできたんだ。


「それはお母さまを助けたいからですわ、お父様はすでにあきらめている様子ですもの、あまり強めに言わずあなたを引き抜こうとするはずですわ」

「なるほど、だから姫様は僕が欲しいって強引にきたんだね」


姫様が頷いてるけど僕はそもそも医者じゃない、それなのにいきなり引き抜きに来た、お母さんが大切なんだね。


「そうですわ、あなたは新しく変わった物を作っていると聞きましたわ、だからお願いですの!どうか母様を治せる何かを作ってください」

「何かですか・・・う~んさすがに情報が無さすぎますね」


状態異常でないのは分かるので毒や普通の病気ではない、きっとHPの回復を使って臓器も治したはず、となるとさっき言った細菌が一番可能性はあるけど、それが何処にいてどう悪いのかを調べないとダメだね。


「だからわたくしの物になって一緒に王都に来てほしいのです、詳しく調べてほしいのですわよ」


まぁ簡潔に言ったからそうなんだろうけど、どうしようかな。


「それはできませんけど、症状は大体検討が付きます、なので治すことは出来ますよ」

「ほ、ほんとですの!?」

「ええ、ですがそれには姫様にも手伝ってもらいます」


僕はダンジョンカゼの時に作った、細菌吸入器と血液検査機を出しました。


「なんですのこれは?」

「恐らく王妃様は細菌というとても小さな毒にやられています、それはすごく小さいため体から出すには相当大変なんです、そしてそいつらは生き物だから状態異常回復とかは効きません、HP回復魔法とかを使ったら症状が悪くなりませんでしたか?」


僕がそう言ったらお姫様はかなり青ざめた顔をしてた、きっと覚えがあるんだろうね。


「使い方を説明しますので良く聞いてください姫様」


細菌吸入器は口に着けて使います、病院とかにある口に着けて酸素を送れるやつと同じだね、そして血液検査機はそのままで血液の状態が分かります、王妃様はこれで分かると思うのでもう一つは出さないけど、レントゲンカメラってのも作りました、それのおかげで体の中も分かるようになったんですよ。


「この説明文なら分かりやすいですわ・・・でもどうしてこんな物を作っていますの」

「王妃様の様に魔法も薬も効かない人がいたのでそれで作りました」


嘘は言ってません、ノームたちの事ですからね、こっちの世界では見たことないですよ。


「そうでしたの・・・これでお母様は治るのですわね」

「それは分かりませんよお姫様、それで取れない場所に細菌がいた場合根本的な治療にはなりません」


そうなんです、その為の血液検査機です、そしてその時は細菌吸入器は時間稼ぎをすることが出来ます。


「って事です、もし症状が変わらないようでしたら王妃様の血を一滴血液検査機に入れて調べてください、そして検査機を使った時点で僕に手紙をください、僕はその時までに治療機を作って置きます」


細菌吸入機で治らない場合、血液の中に細菌が入っている可能性があります、その場合は血液を綺麗にしないといけないのでかなり大変です。


「わ、分かりましたわ、ではカリーナ治療機材を運び出してくださいまし」

「はい姫様」


カリーナさんがそう言って普通に持ち上げて運び出そうとしてるよ、収納魔法持ってないんだね。


「カリーナさんこれを使ってください、収納魔法のように多くの物をしまっておけます」


僕は機材を収納鞄にしまって渡しました、凄く驚いた顔してますね、収納鞄はノームたちしか使ってません、こっちではポーターたちがいますからね。


「あ、あなたはほんとにすごいのね」

「そうでもないですよカリーナさん、僕はただあったら便利だと思って作ってるだけです、使ってくれてこそなんですよ」


カリーナさんが不思議そうな顔してました、でもほんとにそうなんだ、使ってない道具何てあっても仕方ないんだよ。


「ではバイトさん、ありがとうぞんじます、お礼は後ほど」


お姫様がそう言ってスカートをつまんで頭を少し下げました、淑女の礼ですね。


「王妃様が治ることを祈っています」


僕は拠点の玄関で手を振ってふたりを見送りました、アンジェたちが遠くで見てましたけど、食堂で少し話しましたよ、もちろん王妃様とかお姫様ってとこは黙ってます、貴族って事にしたんですよ。
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