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2章 1年1学期前半
26話 タフな奴
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「な、なんて場所だよここは」
僕たちが背中に着地すると、そこはツノの様な柱が沢山立っている場所でした。そのツノの先端が光の球を出している様で、少しずつ光が大きくなると飛んできます。
「溜めたエネルギーを飛ばしてたのか、通りで強いはずだよ」
近くだからか避けるのは簡単で、僕たちは躱してツノを切断しながら走った。
でもツノは沢山あって、斬っても斬ってもキリがなかったよ。
「ダメだ、避けて進むと球に押し負ける」
相手にしないで何とか進もうと頑張るけど、次第に増えて来た光の球が邪魔をして進めず、ツノの切断を余儀なくされたんだ。
「こっちの体力が持たないニャ~」
「諦めるなワフ、ボクたちは不滅ワフ」
コボルトがツノの根元に噛みつき倒していくのを見て、ケットシーはやれやれって仕草をしながら、爪でツノを切断して行った。
僕も同じだけど、無策じゃないよ。鬼神やスライム騎士たちが後から来るはずなんだ。
「主ぃーー!!」
「来たね、この数なら」
合流を済ませた僕たちは、矢の様な陣形を取り一点突破を試みます。
初級の武技を先頭が放つと交代し次のメンバーが同じ様に放って進む。
「順番に武技を放つからラグもなく、走る速度も落ちないから光の球も追いつけない」
これなら行ける!っと、背中を超え光の球が飛んで来ない首元まで来た僕たちは、走りながら驚愕の事実を知りました。
「信じられない!?火炎弾も魔法もかなりの威力なのに、あまりダメージになってないじゃないか」
僕たちが見たモノは、空部隊の攻撃を物ともしない首の装甲だった。
火龍たち空部隊の攻撃は、上級技を使ったモノでかなりの威力だったはずなんだ。
「それなのに、皮膚を少し剥がす程度のダメージしか受けてないじゃないか!?」
これはいよいよまずいと、僕はみんなの方を向き指示をします。
「みんな、攻撃は僕たちが食らった光の球よりも強力なはずだった、それぞれの最大の武技を使うよ」
「御意!!」
上級武技の【爆砕斬撃】を放ち、スライム騎士たちはアトミックパワーストライクを使った。
それぞれ溜めの多くない武技で首元がえぐれました。でも、マウンテンの首は400mくらいあるから、この威力じゃ倒せず回復を始めてしまう。
「みんな!もう一度、今度はタメの多い方を準備だよ」
みんなの返事は闘気と魔力の収束で貰う事か出来て、僕もその意気ごみに続き闘気を溜め始めたんだ。
そして僕は領域に入る為に意識を集中した、スキル【集中】はこの為に会得したモノで、僕の未熟さを補ってくれる。おかげであの領域に入れて何処まで斬れるのかが分かった。
「いける、これならいけるよ」
みんなとの全力攻撃でギリギリ倒せる。そう感じて失敗が出来ないと震えてきた。
「うわっ!?僕が震えてたんじゃなかった。みんな」
そう、震えていたのは足元で、揺れが激しくなり始めたんだ。
マウンテンが僕たちの力を感じて、首を振りながら雄叫びを上げて暴れ出したんだよ。
「こ、これはかなりきつい・・・みんな堪え、ああっ!?」
力を溜めている時の僕たちは、かなり無防備な姿勢だった。後ろを振り向き伏せる様に言おうとして、遅かったと頭を抱えます。
「「「「「主ぃ~」」」」」
一番安定感のないスライム騎士たちが飛ばされ、空部隊の火龍たちにキャッチされていました。
僕はホッとしましたが、攻撃する人数が減ったにも関わらず、まだまだ振り落とされるメンバーがいます。
「「「「「ガウゥゥゥ~~~」」」」」
「「「「「ワ、ワウゥゥゥ~~~」」」」」
「ウルフにコボルトー!かみつきだけでしがみつくからだよ、しっかりと爪も立てないからだよぉぉー!」
牙に自信を持っていた彼らは、言葉通りに噛みついて絶えていた。だけど両手を使わなかったから、つっこみを入れて僕も耐えます。
「半数が脱落、これじゃ無理かも」
残ったのはケットシーとラビットマンと鬼神で、僕と同じ様に武器をマウンテンに突き刺し、更には鱗をしっかりと掴んで捕まっていたメンバーです。
それでもかなりギリギリで、あと少し暴れていたら僕たちも振り落とされていた。マウンテンは疲れたのか、大人しくなりホッとしたよ。
「数は減ったけど、みんな行くよ」
「「「「「御意!」」」」」
「「「「「ニャニャー!」」」」」
「「「「「ウサウサー!」」」」」
闘気は溜め終わってる僕たちは、それぞれの超級武技を放った。僕は奥義【神剣天の業雲】鬼神たちは【爆砕流動斬】ケットシーは【双剣神速斬】ラビットマンたちは【アブソリュートアックス】を順番に一点集中でぶつけた。
マウンテンの首がかなりえぐれたけど、やはり数が減ったからか落とすまでは行かず消滅しません。僕たちは反動で息が切れ、回復していく首を睨んでたよ。
「くっだめなのかよ、確かに首を切った訳じゃないけど、半数で300mはえぐった・・・みんなもう一度っああ!?」
マウンテンが再度の首振りを始め、体力の限界だったのか、鬼神とケットシーとラビットマンのみんなが堪えられず飛ばされてしまった。
「また僕だけなのか」
空部隊のリザードマンたちにキャッチされたのを確認したけど、残るは僕だけになった。
もうダメかもと思った瞬間、僕はマウンテンの首元に光の線が見えたんだ。
「見えない時もある、あれって点滅してる?」
領域にいる状態だからか、よく分からない現象でした。だけどあの線はマウンテンの首元の端から端まで通ってた。
あのタイミングで斬ればもしかして?僕はそれに賭けようと走ったよ。
「マウンテンの首は200mが回復してる、今度は斬る事だけを考えよう」
斬れないモノは無いとされる斬鉄剣は、刃の衝撃で先の先を斬る事が出来る。さっきは広範囲に広げたけど、今度は細く深く行く。
息を整え腰の刀に手を添えた。これでダメなら撤退命令を出す事になる、これが最後の攻撃です。
「斬鉄剣お願い力を貸して・・・僕の刀スキルが10になってたら、また違う結果だったかもしれないけど・・・お願い」
僕のスキルが高いのはみんなのおかげです。鬼神が刀を使っているので、みんなで訓練をして8まで上げた。
でも、斬鉄剣は他の刀と違い声をまだ聞けてない。
「ごめんね斬鉄剣、未熟な僕が主じゃ嫌だよね。でも今日だけは力を貸して」
スキルが低くて、斬鉄剣が応えてくれず、僕ではまだ未熟なんだと伝わって来る。
早く10になって声を聞きたいと、斬鉄剣を抜きマウンテンの首元に向けた。
「でもね、あの台詞を言うまでは諦めない。僕の憧れのセリフは、絶対次までに言うからね」
斬鉄剣は抵抗なくマウンテンの首に通って行き、見事に切断しました。
こんなに簡単に?とか思うけど、これが本来の斬鉄剣の力なんだ。あの光は斬鉄剣が僕に見せてくれた新たな領域だった。
本当にまだまだだねっと、落ちていく首を見て反省です。
「主~」
マウンテンが消滅していくので、僕の足元は無くなり落ちて行く。そこに火龍隊が迎えに飛んで来てくれて思ったんだ。
「僕はまだまだ弱い、みんなと一緒にもっと強くなりたい。僕たちはまだまだ頑張れるよ」
スキルが10にならないと使えない斬鉄剣の奥義【神王斬鉄剣】の手応えは感じられた気がします。
でも、それ以上に悔しくて仕方なかった。
「次は絶対自分たちの力で勝つからね、絶対だよ!」
火龍にキャッチしてもらい僕は叫びました。勝ったのに僕はスゴく悔しかった。斬鉄剣は僕の手に余る代物で、それで勝っても僕たちの勝利とは言えません。
もっともっと精進したい、帰ったらみんなと訓練の計画を検討します。
「っと、反省はここまでにして、皆さんよく頑張ってくれました。今日は無礼講だから、じゃんじゃん騒ぎましょう、カンパーイ!」
マウンテンのドロップ品を回収した僕たちは、生活ダンジョンに来て料理を並べてパーティーを開いています。
モンスターたちは食事を必要としませんが食べられないわけではなく、みんなと一緒の時は全員で食事をとってるんだ。
「マウンテンの肉、めちゃくちゃうまいね、これはもう一度挑戦間違いなしだ」
マウンテンの厚切りステーキを食べ、僕は心からそう思います。最初は堅いんじゃないかと思ったんだけど、ぜんぜんそんなことは無くて、すごく柔らかくて噛むと溶けるように肉がプツンと切れる。肉汁がもう旨い以外の言葉がでませんでしたね。
「みんなもすごくおいしそうに食べてる、これからもよろしくねみんな」
僕たちは楽しい食事をして戦闘の事を話し、その日は夜遅くまで騒ぎました。そして次の日は訓練をして、遂に僕の入学式です。
僕たちが背中に着地すると、そこはツノの様な柱が沢山立っている場所でした。そのツノの先端が光の球を出している様で、少しずつ光が大きくなると飛んできます。
「溜めたエネルギーを飛ばしてたのか、通りで強いはずだよ」
近くだからか避けるのは簡単で、僕たちは躱してツノを切断しながら走った。
でもツノは沢山あって、斬っても斬ってもキリがなかったよ。
「ダメだ、避けて進むと球に押し負ける」
相手にしないで何とか進もうと頑張るけど、次第に増えて来た光の球が邪魔をして進めず、ツノの切断を余儀なくされたんだ。
「こっちの体力が持たないニャ~」
「諦めるなワフ、ボクたちは不滅ワフ」
コボルトがツノの根元に噛みつき倒していくのを見て、ケットシーはやれやれって仕草をしながら、爪でツノを切断して行った。
僕も同じだけど、無策じゃないよ。鬼神やスライム騎士たちが後から来るはずなんだ。
「主ぃーー!!」
「来たね、この数なら」
合流を済ませた僕たちは、矢の様な陣形を取り一点突破を試みます。
初級の武技を先頭が放つと交代し次のメンバーが同じ様に放って進む。
「順番に武技を放つからラグもなく、走る速度も落ちないから光の球も追いつけない」
これなら行ける!っと、背中を超え光の球が飛んで来ない首元まで来た僕たちは、走りながら驚愕の事実を知りました。
「信じられない!?火炎弾も魔法もかなりの威力なのに、あまりダメージになってないじゃないか」
僕たちが見たモノは、空部隊の攻撃を物ともしない首の装甲だった。
火龍たち空部隊の攻撃は、上級技を使ったモノでかなりの威力だったはずなんだ。
「それなのに、皮膚を少し剥がす程度のダメージしか受けてないじゃないか!?」
これはいよいよまずいと、僕はみんなの方を向き指示をします。
「みんな、攻撃は僕たちが食らった光の球よりも強力なはずだった、それぞれの最大の武技を使うよ」
「御意!!」
上級武技の【爆砕斬撃】を放ち、スライム騎士たちはアトミックパワーストライクを使った。
それぞれ溜めの多くない武技で首元がえぐれました。でも、マウンテンの首は400mくらいあるから、この威力じゃ倒せず回復を始めてしまう。
「みんな!もう一度、今度はタメの多い方を準備だよ」
みんなの返事は闘気と魔力の収束で貰う事か出来て、僕もその意気ごみに続き闘気を溜め始めたんだ。
そして僕は領域に入る為に意識を集中した、スキル【集中】はこの為に会得したモノで、僕の未熟さを補ってくれる。おかげであの領域に入れて何処まで斬れるのかが分かった。
「いける、これならいけるよ」
みんなとの全力攻撃でギリギリ倒せる。そう感じて失敗が出来ないと震えてきた。
「うわっ!?僕が震えてたんじゃなかった。みんな」
そう、震えていたのは足元で、揺れが激しくなり始めたんだ。
マウンテンが僕たちの力を感じて、首を振りながら雄叫びを上げて暴れ出したんだよ。
「こ、これはかなりきつい・・・みんな堪え、ああっ!?」
力を溜めている時の僕たちは、かなり無防備な姿勢だった。後ろを振り向き伏せる様に言おうとして、遅かったと頭を抱えます。
「「「「「主ぃ~」」」」」
一番安定感のないスライム騎士たちが飛ばされ、空部隊の火龍たちにキャッチされていました。
僕はホッとしましたが、攻撃する人数が減ったにも関わらず、まだまだ振り落とされるメンバーがいます。
「「「「「ガウゥゥゥ~~~」」」」」
「「「「「ワ、ワウゥゥゥ~~~」」」」」
「ウルフにコボルトー!かみつきだけでしがみつくからだよ、しっかりと爪も立てないからだよぉぉー!」
牙に自信を持っていた彼らは、言葉通りに噛みついて絶えていた。だけど両手を使わなかったから、つっこみを入れて僕も耐えます。
「半数が脱落、これじゃ無理かも」
残ったのはケットシーとラビットマンと鬼神で、僕と同じ様に武器をマウンテンに突き刺し、更には鱗をしっかりと掴んで捕まっていたメンバーです。
それでもかなりギリギリで、あと少し暴れていたら僕たちも振り落とされていた。マウンテンは疲れたのか、大人しくなりホッとしたよ。
「数は減ったけど、みんな行くよ」
「「「「「御意!」」」」」
「「「「「ニャニャー!」」」」」
「「「「「ウサウサー!」」」」」
闘気は溜め終わってる僕たちは、それぞれの超級武技を放った。僕は奥義【神剣天の業雲】鬼神たちは【爆砕流動斬】ケットシーは【双剣神速斬】ラビットマンたちは【アブソリュートアックス】を順番に一点集中でぶつけた。
マウンテンの首がかなりえぐれたけど、やはり数が減ったからか落とすまでは行かず消滅しません。僕たちは反動で息が切れ、回復していく首を睨んでたよ。
「くっだめなのかよ、確かに首を切った訳じゃないけど、半数で300mはえぐった・・・みんなもう一度っああ!?」
マウンテンが再度の首振りを始め、体力の限界だったのか、鬼神とケットシーとラビットマンのみんなが堪えられず飛ばされてしまった。
「また僕だけなのか」
空部隊のリザードマンたちにキャッチされたのを確認したけど、残るは僕だけになった。
もうダメかもと思った瞬間、僕はマウンテンの首元に光の線が見えたんだ。
「見えない時もある、あれって点滅してる?」
領域にいる状態だからか、よく分からない現象でした。だけどあの線はマウンテンの首元の端から端まで通ってた。
あのタイミングで斬ればもしかして?僕はそれに賭けようと走ったよ。
「マウンテンの首は200mが回復してる、今度は斬る事だけを考えよう」
斬れないモノは無いとされる斬鉄剣は、刃の衝撃で先の先を斬る事が出来る。さっきは広範囲に広げたけど、今度は細く深く行く。
息を整え腰の刀に手を添えた。これでダメなら撤退命令を出す事になる、これが最後の攻撃です。
「斬鉄剣お願い力を貸して・・・僕の刀スキルが10になってたら、また違う結果だったかもしれないけど・・・お願い」
僕のスキルが高いのはみんなのおかげです。鬼神が刀を使っているので、みんなで訓練をして8まで上げた。
でも、斬鉄剣は他の刀と違い声をまだ聞けてない。
「ごめんね斬鉄剣、未熟な僕が主じゃ嫌だよね。でも今日だけは力を貸して」
スキルが低くて、斬鉄剣が応えてくれず、僕ではまだ未熟なんだと伝わって来る。
早く10になって声を聞きたいと、斬鉄剣を抜きマウンテンの首元に向けた。
「でもね、あの台詞を言うまでは諦めない。僕の憧れのセリフは、絶対次までに言うからね」
斬鉄剣は抵抗なくマウンテンの首に通って行き、見事に切断しました。
こんなに簡単に?とか思うけど、これが本来の斬鉄剣の力なんだ。あの光は斬鉄剣が僕に見せてくれた新たな領域だった。
本当にまだまだだねっと、落ちていく首を見て反省です。
「主~」
マウンテンが消滅していくので、僕の足元は無くなり落ちて行く。そこに火龍隊が迎えに飛んで来てくれて思ったんだ。
「僕はまだまだ弱い、みんなと一緒にもっと強くなりたい。僕たちはまだまだ頑張れるよ」
スキルが10にならないと使えない斬鉄剣の奥義【神王斬鉄剣】の手応えは感じられた気がします。
でも、それ以上に悔しくて仕方なかった。
「次は絶対自分たちの力で勝つからね、絶対だよ!」
火龍にキャッチしてもらい僕は叫びました。勝ったのに僕はスゴく悔しかった。斬鉄剣は僕の手に余る代物で、それで勝っても僕たちの勝利とは言えません。
もっともっと精進したい、帰ったらみんなと訓練の計画を検討します。
「っと、反省はここまでにして、皆さんよく頑張ってくれました。今日は無礼講だから、じゃんじゃん騒ぎましょう、カンパーイ!」
マウンテンのドロップ品を回収した僕たちは、生活ダンジョンに来て料理を並べてパーティーを開いています。
モンスターたちは食事を必要としませんが食べられないわけではなく、みんなと一緒の時は全員で食事をとってるんだ。
「マウンテンの肉、めちゃくちゃうまいね、これはもう一度挑戦間違いなしだ」
マウンテンの厚切りステーキを食べ、僕は心からそう思います。最初は堅いんじゃないかと思ったんだけど、ぜんぜんそんなことは無くて、すごく柔らかくて噛むと溶けるように肉がプツンと切れる。肉汁がもう旨い以外の言葉がでませんでしたね。
「みんなもすごくおいしそうに食べてる、これからもよろしくねみんな」
僕たちは楽しい食事をして戦闘の事を話し、その日は夜遅くまで騒ぎました。そして次の日は訓練をして、遂に僕の入学式です。
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