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4章 1年3学期
112話 奇跡を呼んだ英雄
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城の復元が終わる頃、マリア様たちが倒れていた兵士たちから話しを聞き終わったんだ。
傷が治り、起き上がった本人も驚いて身体を触って確認していたよ。
「これでみんな元通りですよマリア様」
「そ、そうなのね。命を落とした兵士まで治るとは聞いてなかったけど、良かったわ・・・もしかして仮面の敵も」
「すみませんマリア様、この魔法の対象は味方に限りますから、敵は生き返りません」
時魔法で治る者は味方でないとダメで、敵と認識している人が復活したら大変だと説明しました。
マリア様は「確かにそうね」っとつぶやき、納得していましたね。
「じゃあ、僕は外壁の強化に向かいます。復元はしてありますけど、また攻撃されたら同じですからね」
「ちょ、ちょっと待って!その前に演説をするから一緒にいてちょうだい」
「それは良い考えですねマリア様。生き返った者たちもいるんだ、説明は必要だな、白騎士こっちにこい」
マリア様とエメローネ様に腕を捕まれながら提案され移動が始まった。
僕も確かにそうだと思ったけど、自分で歩きたいと、付かない足をプラプラさせます。
「自分で歩くので離してください。シャルティル様も見てますよ」
「良いじゃない、ねぇエメローネ」
「そうですねマリア様、これは必要な事だぞ白騎士」
仲良くしている事を強調させると言ってくる二人ですけど、これは違う気がすると突っ込みたいです。
その間にエメローネ様が兵士に指示を出し、投影の魔道具を準備し始めます。
「準備できましたよマリア様」
「分かったわエメローネ、始めてちょうだい」
エメローネ様が騎士に指示を出すと、目の前のカメラの様な魔道具が起動しました。
そして、マリア様が少し前に出て演説を始めましたよ。
「白騎士様、あなたは何者ですの?」
「それは言えませんシャルティル様」
プランプランから解放されると、次はシャルティル様の質問攻撃です。
僕の隣で目を輝かせて聞いて来たので、僕は少し身を引いてしまいました。
「そんな事言わずに教えなさいよ」
「ダメです」
マリア様たちは知っていますが、しっかりとお話は済ませていますし、僕が仮面をかぶっている理由が無くなるので言いません。
演説でも僕のことは友人として紹介し、マリア様の窮地を知り助けに来たと説明しています。
「お母様の友人なのでしょ?」
「友人ってほどではないんです、僕は最近知り合ったばかりですからね」
マリア様の演説が続く中、その情報を元にシャルティル様の質問は続きます。
どこから来たのか、いつ知り合ったのか、すべて言えない事が続いたんだ。
「わたしに言えない理由があるのかしら?」
「シャルティル様にというか、世間に知られたくないんですよ。僕は自由に生きていたい、仲間と楽しく話したり、冒険をしていたいんです」
そう言って仮面をコツコツ叩き、これはそのために着けていますって強調させたんです。
シャルティル様も分かったようで黙ってしまい、そこで演説もいよいよ大詰めです。
「建物を直し人々を癒したのは、彼の究極魔法のおかげです。わたくしはこの功績を称え彼にナイト・オブ・キングを与えたいと思います」
外の声は聞こえませんが、きっと今頃騒ぎになってる事でしょう。
ただでさえ命を落とした人は生き返り、破壊された建物は直っていますからね。
「そして、彼の獣魔たちには十騎士の称号を授け、これから国を守る事を約束しました。これは本来の十騎士たちとは別で、新たに作る騎士団となり、白十騎士と命名します」
僕が静かになったシャルティル様を見ていると、マリア様が予定通りの宣言をしました。
これで国を守る力が増強したことになり、次の戦いに備える事が出来ます。
「受勲は勿論ですが、今はその奇跡を喜びましょう」
王都を救ったのになにもなしでは、女帝として今後困るから勲章くらいは貰ってねって事だったけど、僕としては顔を隠せるので、こちらで目立った方が良いと乗り気です。
「本来ならば!彼らには城に仕えてもらいたいのですが、彼は旅を続けなくてはなりません。ですが、わたくしがまた窮地になった時、彼は助けに来ると誓ってくれた。彼らは究極魔法を見つける為に旅立ちますが、わたくしはその願いを叶えたいと思います。白騎士ノヴァ、これからも頑張ってください」
エメローネ様がマリア様に金色の勲章を手渡すと、僕の左胸にマリア様が勲章を当てました。
鎧の上だからつきませんよ?っと思ったのですが、マリア様が手を離すと勲章は鎧にくっつき落ちませんでしたよ。
「皆!奇跡を起こしてくださった彼らに感謝を」
マリア様が拍手をすると、魔道具が僕をアップで写しているのが分かりました。
きっと、外では歓声が上がっているんでしょうね。
「こんなものでしょう、どうだったかしらエメローネ」
「上出来ですよマリア様、これで襲撃された恐怖は、英雄の誕生で塗り替えられました。後は獣魔たちの受勲を大々的にして、マリア様と白騎士が深い仲だと、誰もが分かるようにしたいところです」
それと同時に外壁の強化も行う、エメローネ様はそう言って僕に視線を向けて来た。
当然僕は頷いたけど、シャルティル様がジッと見て来て、僕は動きにくさを感じたよ。
「じゃあ、ブルーがエメローネ様と一緒にマリア様の隣で守りについて、十騎士と白十騎士が対等であることを見せると?」
「そうだ、そうすれば変な事を言ってくる奴は出てこない」
シャルティル様と別れ、応接室で秘密の話し合いを始めた僕たちは、形だけの英雄にならないよう、マリア様の近くに獣魔を置くことを決めた。
白十騎士のリーダーにブルーを任命し、大福と月見はその下の部下として席を持たせたんだ。表面上はペット代わりだけど、専属の護衛として常時ふたりの傍に付く事になったよ。
「後は受勲だが、アレシャスには勿論出てもらうからな」
「それは良いですけど、僕はそれほど出れませんからね」
「それは分かっている、呼ばなければいけない行事もあるだろうが、年に数回だ」
それを聞いてホッとしました。行事のほとんどは、ブルーと他の鬼神たちで済むと言う話で、仕事が増えなくて安心したんだよ。
「どうしても出席しないといけない時は知らせてください、急いで駆けつけます」
「ありがとアレシャス・・・あと、問題とするなら顔と背丈ね、あなたはまだ11歳だもの、まだ成長するでしょ?」
「そうですねマリア様」
「ですがマリア様、それは逆に良いことですよ。実力があれば、子供でも爵位をもらえると分かりますし、獣魔でもそれは証明されるのです、これで疑う者はいません」
エメローネ様にそう言われ、マリア様は納得して頷き、後は僕の顔が問題だと注目された。
さすがに受勲式やパーティーなどで、仮面で顔を隠している訳にはいかないそうです。
「明日のパレードには、顔を出せるようにした方が良いんですよね?」
「受勲は終わってるけどその方が良いわ、みんなあなたの顔を見てみたいって思ってるもの・・・それとお願いなんだけど、娘には素性を話してくれるかしら、あの子わたしたちだけ知っててずるいってむくれてるの」
僕はそのやりとりを見ているから、仕方ありませんねと了承した。
応接室に来る前のシャルティル様は、相当怒っていたんですよ。
月見が抱きしめられて苦しそうにしていたのを思い出すね。
「まぁお二人が知っていますから良いですけど、マリア様は親としてちょっと甘いですね」
「そうかしら?これくらい愛情を注いでも良いと思うけど」
マリア様が母親の顔をしてちょっとテレていたけど、僕はそれがほしくて今頑張っています。
ちょっとうらやましいと思い、同時に守ってあげたいと感じたよ。
「マリア様は良い母親ですね、僕の母さんみたいです」
僕は仮面を着け直して立ち上がり、そんな言葉を呟いたんだ。
マリア様はちょっと顔を曇らせ、平民の待遇を気にしてくれた、マリア様なら直してくれると僕は信じてます。
傷が治り、起き上がった本人も驚いて身体を触って確認していたよ。
「これでみんな元通りですよマリア様」
「そ、そうなのね。命を落とした兵士まで治るとは聞いてなかったけど、良かったわ・・・もしかして仮面の敵も」
「すみませんマリア様、この魔法の対象は味方に限りますから、敵は生き返りません」
時魔法で治る者は味方でないとダメで、敵と認識している人が復活したら大変だと説明しました。
マリア様は「確かにそうね」っとつぶやき、納得していましたね。
「じゃあ、僕は外壁の強化に向かいます。復元はしてありますけど、また攻撃されたら同じですからね」
「ちょ、ちょっと待って!その前に演説をするから一緒にいてちょうだい」
「それは良い考えですねマリア様。生き返った者たちもいるんだ、説明は必要だな、白騎士こっちにこい」
マリア様とエメローネ様に腕を捕まれながら提案され移動が始まった。
僕も確かにそうだと思ったけど、自分で歩きたいと、付かない足をプラプラさせます。
「自分で歩くので離してください。シャルティル様も見てますよ」
「良いじゃない、ねぇエメローネ」
「そうですねマリア様、これは必要な事だぞ白騎士」
仲良くしている事を強調させると言ってくる二人ですけど、これは違う気がすると突っ込みたいです。
その間にエメローネ様が兵士に指示を出し、投影の魔道具を準備し始めます。
「準備できましたよマリア様」
「分かったわエメローネ、始めてちょうだい」
エメローネ様が騎士に指示を出すと、目の前のカメラの様な魔道具が起動しました。
そして、マリア様が少し前に出て演説を始めましたよ。
「白騎士様、あなたは何者ですの?」
「それは言えませんシャルティル様」
プランプランから解放されると、次はシャルティル様の質問攻撃です。
僕の隣で目を輝かせて聞いて来たので、僕は少し身を引いてしまいました。
「そんな事言わずに教えなさいよ」
「ダメです」
マリア様たちは知っていますが、しっかりとお話は済ませていますし、僕が仮面をかぶっている理由が無くなるので言いません。
演説でも僕のことは友人として紹介し、マリア様の窮地を知り助けに来たと説明しています。
「お母様の友人なのでしょ?」
「友人ってほどではないんです、僕は最近知り合ったばかりですからね」
マリア様の演説が続く中、その情報を元にシャルティル様の質問は続きます。
どこから来たのか、いつ知り合ったのか、すべて言えない事が続いたんだ。
「わたしに言えない理由があるのかしら?」
「シャルティル様にというか、世間に知られたくないんですよ。僕は自由に生きていたい、仲間と楽しく話したり、冒険をしていたいんです」
そう言って仮面をコツコツ叩き、これはそのために着けていますって強調させたんです。
シャルティル様も分かったようで黙ってしまい、そこで演説もいよいよ大詰めです。
「建物を直し人々を癒したのは、彼の究極魔法のおかげです。わたくしはこの功績を称え彼にナイト・オブ・キングを与えたいと思います」
外の声は聞こえませんが、きっと今頃騒ぎになってる事でしょう。
ただでさえ命を落とした人は生き返り、破壊された建物は直っていますからね。
「そして、彼の獣魔たちには十騎士の称号を授け、これから国を守る事を約束しました。これは本来の十騎士たちとは別で、新たに作る騎士団となり、白十騎士と命名します」
僕が静かになったシャルティル様を見ていると、マリア様が予定通りの宣言をしました。
これで国を守る力が増強したことになり、次の戦いに備える事が出来ます。
「受勲は勿論ですが、今はその奇跡を喜びましょう」
王都を救ったのになにもなしでは、女帝として今後困るから勲章くらいは貰ってねって事だったけど、僕としては顔を隠せるので、こちらで目立った方が良いと乗り気です。
「本来ならば!彼らには城に仕えてもらいたいのですが、彼は旅を続けなくてはなりません。ですが、わたくしがまた窮地になった時、彼は助けに来ると誓ってくれた。彼らは究極魔法を見つける為に旅立ちますが、わたくしはその願いを叶えたいと思います。白騎士ノヴァ、これからも頑張ってください」
エメローネ様がマリア様に金色の勲章を手渡すと、僕の左胸にマリア様が勲章を当てました。
鎧の上だからつきませんよ?っと思ったのですが、マリア様が手を離すと勲章は鎧にくっつき落ちませんでしたよ。
「皆!奇跡を起こしてくださった彼らに感謝を」
マリア様が拍手をすると、魔道具が僕をアップで写しているのが分かりました。
きっと、外では歓声が上がっているんでしょうね。
「こんなものでしょう、どうだったかしらエメローネ」
「上出来ですよマリア様、これで襲撃された恐怖は、英雄の誕生で塗り替えられました。後は獣魔たちの受勲を大々的にして、マリア様と白騎士が深い仲だと、誰もが分かるようにしたいところです」
それと同時に外壁の強化も行う、エメローネ様はそう言って僕に視線を向けて来た。
当然僕は頷いたけど、シャルティル様がジッと見て来て、僕は動きにくさを感じたよ。
「じゃあ、ブルーがエメローネ様と一緒にマリア様の隣で守りについて、十騎士と白十騎士が対等であることを見せると?」
「そうだ、そうすれば変な事を言ってくる奴は出てこない」
シャルティル様と別れ、応接室で秘密の話し合いを始めた僕たちは、形だけの英雄にならないよう、マリア様の近くに獣魔を置くことを決めた。
白十騎士のリーダーにブルーを任命し、大福と月見はその下の部下として席を持たせたんだ。表面上はペット代わりだけど、専属の護衛として常時ふたりの傍に付く事になったよ。
「後は受勲だが、アレシャスには勿論出てもらうからな」
「それは良いですけど、僕はそれほど出れませんからね」
「それは分かっている、呼ばなければいけない行事もあるだろうが、年に数回だ」
それを聞いてホッとしました。行事のほとんどは、ブルーと他の鬼神たちで済むと言う話で、仕事が増えなくて安心したんだよ。
「どうしても出席しないといけない時は知らせてください、急いで駆けつけます」
「ありがとアレシャス・・・あと、問題とするなら顔と背丈ね、あなたはまだ11歳だもの、まだ成長するでしょ?」
「そうですねマリア様」
「ですがマリア様、それは逆に良いことですよ。実力があれば、子供でも爵位をもらえると分かりますし、獣魔でもそれは証明されるのです、これで疑う者はいません」
エメローネ様にそう言われ、マリア様は納得して頷き、後は僕の顔が問題だと注目された。
さすがに受勲式やパーティーなどで、仮面で顔を隠している訳にはいかないそうです。
「明日のパレードには、顔を出せるようにした方が良いんですよね?」
「受勲は終わってるけどその方が良いわ、みんなあなたの顔を見てみたいって思ってるもの・・・それとお願いなんだけど、娘には素性を話してくれるかしら、あの子わたしたちだけ知っててずるいってむくれてるの」
僕はそのやりとりを見ているから、仕方ありませんねと了承した。
応接室に来る前のシャルティル様は、相当怒っていたんですよ。
月見が抱きしめられて苦しそうにしていたのを思い出すね。
「まぁお二人が知っていますから良いですけど、マリア様は親としてちょっと甘いですね」
「そうかしら?これくらい愛情を注いでも良いと思うけど」
マリア様が母親の顔をしてちょっとテレていたけど、僕はそれがほしくて今頑張っています。
ちょっとうらやましいと思い、同時に守ってあげたいと感じたよ。
「マリア様は良い母親ですね、僕の母さんみたいです」
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