3 / 8
1章
3話 何も出てこないのが
しおりを挟む
「田舎の教師をしていた?」
「はい」
諜報部にマエノを調べさせた結果、家庭教師の面接の時と同じ結果が出ました。
そんなはずはないと、メイドに言いつけてますが、ほんとにそれしか出てこなかったのよ。
「そんなはずないわよ、何かあるでしょ」
「そう言われましても」
「ああ、そう言えば」
メイドの1人が、思い出したかのように何かを言おうとして、注目されたから口を手で抑えました。
何を言うのか気になり発言を許すと、何と今話題の帳簿の書き方の話をして来たんです。
「それが何よ」
「いえ、その式は問題のマエノが教えた生徒が広めたらしいんですよ」
「そうだったのね」
「それならワタクシもありますよ」
そこから出て来るのは、生徒が優秀と言うモノで、マエノ本人の事ではなかったわ。
だからメイドたちも伝えてこなかったのだけど、それが逆に怖かったのよ。
「本人は何もしてないの?」
「ええ、教師をずっと続けているだけです」
「そんなはずないんだけど」
どうして出てこないのか、それは分からなかったのだけど、きっと何か秘密があるとアタシは確信していたわ。
本人に聞くのが簡単だと思ったのだけど、それは最後の手段として残して、アタシは他にはないのか聞きました。
「他ですか・・・そう言えば、彼は随分お若いですよね」
「「「「「はい?」」」」」
メイドの1人がそんな事を口にして、ちょっと赤くなっていたわ、もしかしたら少し惹かれているのかもしれないけど、アタシの趣味じゃないし、正直どうでもいい事よ。
「それが何よ」
「いえ、彼の生徒は大体が歳を取っている者が多いのです。それなのに、彼自身はお若いなぁと」
「でも~生徒にするのに年齢は関係ないからでしょ?」
「そうかもしれないけど、でもねアーヤ、みんながそうなのよ」
変じゃないかと、メイドたちは話し始めたわ。
確かにそうかもしれないと、アタシはちょっと気になって調べさせたのよ。
そして、数日後に戻って来た情報は、何も出てこなかったというモノだったわ。
「そ、そんな嘘よ!?」
「すみません、わたくし共の力不足です」
「そんな訳ないわよ、あなた達はグレイランド国の精鋭でしょ」
アタシの国は、何処よりも強くて優秀な人材が揃っているわ。
だから、こんな結果が出るのはおかしいのよ、他のメイドたちにも何かないかと聞きますが、履歴書以上の情報は出て来ませんでした。
「それなら、例の生徒たちはどうなのよ、何年彼に教育を受けたの?」
「そ、それが・・・1年だそうです」
「そ、そんなに短いの?」
「はい・・・それに彼は、かなり若い頃から教師をしていて、今の年齢に誤差はありません」
そんなバカなと思いましたが、彼はそれだけ天才だったのかもしれないわ。
そんな答えしか出なかった結果だったけど、アタシは最後の手段を取る事にしたわ。
「僕の秘密ですか?」
「そうよ、あなたは田舎の剣術師範の名を物語に使ったわ、それに光の事も騎士は言ってた。これは偶然にしては揃い過ぎよ」
本当の事を言ってほしい、姫であるアタシからのお願いする形にしたの、マエノにはそう言った方が隠さずに喋ってくれると思ったのよ。
そして、それは見事に当たり、何と教えてくれる事になったのよ。
「でも、それにはサザンカ様だけになって貰わないといけません。さすがにメイドさまたちに伝わるのは、僕としても困るんです」
「それはそうね、じゃあ」
「ダメですよ姫様、ふたりだけにするなんて絶対にダメです」
メイドに拒否され、結局教えてもらう事は保留となってしまいます。
そして、授業の後に1人のメイドからある事を聞き、アタシはかなり怒りを覚えたわ。
「マエノの作戦勝ちとか、ふっっざけるんじゃないわよ!!」
そうなのよ、男性と二人だけになるのは、王族のアタシにとって婚約者だけ、アタシはマエノの秘密を聞けないのが決まっていたの。
つまり、マエノは最初から言う気はなかったのよ。
「忌々しいわね、どうにか出来ないかしら?」
「彼が男性である以上、どうにもなりませんよ姫様」
そんな事は分かっていると怒鳴ってやりたいけど、怒鳴っても結果は変わらないわ。
ここは冷静に考えるべきと、メイドの1人にお茶を淹れさせたの。
「姫様どうぞ」
「ありがと・・・でも、どうした物かしらね」
簡単なのは、アタシがマエノと婚約をする事だけど、それは身分差が許さないし、マエノが爵位を得る方が大変よ。
かと言って、メイドのいない時なんてないし、どうすれば良いのかと悩んでしまったわ。
「姫様、わたくしに案がございます」
1人のメイドは、なかなか良い作戦を提示してきて、アタシはその案に乗ったのよ。
他国のパーティーに参加する際、馬車の中で二人きりになる。それが唯一の時間だったのよ。
「丁度、隣の国ファードに呼ばれています、そこで聞いてみてください」
「分かったわ、その時まで彼には伏せておきなさい」
「分かりました」
本来は、その中でも二人きりになる事はなく、メイドが付いたりしますが、成人前で婚約もしていないアタシの場合は違うのよ。
もうこれしかないと言ったタイミングで、いよいよ聞けるとアタシは楽しみになったわ。
「はい」
諜報部にマエノを調べさせた結果、家庭教師の面接の時と同じ結果が出ました。
そんなはずはないと、メイドに言いつけてますが、ほんとにそれしか出てこなかったのよ。
「そんなはずないわよ、何かあるでしょ」
「そう言われましても」
「ああ、そう言えば」
メイドの1人が、思い出したかのように何かを言おうとして、注目されたから口を手で抑えました。
何を言うのか気になり発言を許すと、何と今話題の帳簿の書き方の話をして来たんです。
「それが何よ」
「いえ、その式は問題のマエノが教えた生徒が広めたらしいんですよ」
「そうだったのね」
「それならワタクシもありますよ」
そこから出て来るのは、生徒が優秀と言うモノで、マエノ本人の事ではなかったわ。
だからメイドたちも伝えてこなかったのだけど、それが逆に怖かったのよ。
「本人は何もしてないの?」
「ええ、教師をずっと続けているだけです」
「そんなはずないんだけど」
どうして出てこないのか、それは分からなかったのだけど、きっと何か秘密があるとアタシは確信していたわ。
本人に聞くのが簡単だと思ったのだけど、それは最後の手段として残して、アタシは他にはないのか聞きました。
「他ですか・・・そう言えば、彼は随分お若いですよね」
「「「「「はい?」」」」」
メイドの1人がそんな事を口にして、ちょっと赤くなっていたわ、もしかしたら少し惹かれているのかもしれないけど、アタシの趣味じゃないし、正直どうでもいい事よ。
「それが何よ」
「いえ、彼の生徒は大体が歳を取っている者が多いのです。それなのに、彼自身はお若いなぁと」
「でも~生徒にするのに年齢は関係ないからでしょ?」
「そうかもしれないけど、でもねアーヤ、みんながそうなのよ」
変じゃないかと、メイドたちは話し始めたわ。
確かにそうかもしれないと、アタシはちょっと気になって調べさせたのよ。
そして、数日後に戻って来た情報は、何も出てこなかったというモノだったわ。
「そ、そんな嘘よ!?」
「すみません、わたくし共の力不足です」
「そんな訳ないわよ、あなた達はグレイランド国の精鋭でしょ」
アタシの国は、何処よりも強くて優秀な人材が揃っているわ。
だから、こんな結果が出るのはおかしいのよ、他のメイドたちにも何かないかと聞きますが、履歴書以上の情報は出て来ませんでした。
「それなら、例の生徒たちはどうなのよ、何年彼に教育を受けたの?」
「そ、それが・・・1年だそうです」
「そ、そんなに短いの?」
「はい・・・それに彼は、かなり若い頃から教師をしていて、今の年齢に誤差はありません」
そんなバカなと思いましたが、彼はそれだけ天才だったのかもしれないわ。
そんな答えしか出なかった結果だったけど、アタシは最後の手段を取る事にしたわ。
「僕の秘密ですか?」
「そうよ、あなたは田舎の剣術師範の名を物語に使ったわ、それに光の事も騎士は言ってた。これは偶然にしては揃い過ぎよ」
本当の事を言ってほしい、姫であるアタシからのお願いする形にしたの、マエノにはそう言った方が隠さずに喋ってくれると思ったのよ。
そして、それは見事に当たり、何と教えてくれる事になったのよ。
「でも、それにはサザンカ様だけになって貰わないといけません。さすがにメイドさまたちに伝わるのは、僕としても困るんです」
「それはそうね、じゃあ」
「ダメですよ姫様、ふたりだけにするなんて絶対にダメです」
メイドに拒否され、結局教えてもらう事は保留となってしまいます。
そして、授業の後に1人のメイドからある事を聞き、アタシはかなり怒りを覚えたわ。
「マエノの作戦勝ちとか、ふっっざけるんじゃないわよ!!」
そうなのよ、男性と二人だけになるのは、王族のアタシにとって婚約者だけ、アタシはマエノの秘密を聞けないのが決まっていたの。
つまり、マエノは最初から言う気はなかったのよ。
「忌々しいわね、どうにか出来ないかしら?」
「彼が男性である以上、どうにもなりませんよ姫様」
そんな事は分かっていると怒鳴ってやりたいけど、怒鳴っても結果は変わらないわ。
ここは冷静に考えるべきと、メイドの1人にお茶を淹れさせたの。
「姫様どうぞ」
「ありがと・・・でも、どうした物かしらね」
簡単なのは、アタシがマエノと婚約をする事だけど、それは身分差が許さないし、マエノが爵位を得る方が大変よ。
かと言って、メイドのいない時なんてないし、どうすれば良いのかと悩んでしまったわ。
「姫様、わたくしに案がございます」
1人のメイドは、なかなか良い作戦を提示してきて、アタシはその案に乗ったのよ。
他国のパーティーに参加する際、馬車の中で二人きりになる。それが唯一の時間だったのよ。
「丁度、隣の国ファードに呼ばれています、そこで聞いてみてください」
「分かったわ、その時まで彼には伏せておきなさい」
「分かりました」
本来は、その中でも二人きりになる事はなく、メイドが付いたりしますが、成人前で婚約もしていないアタシの場合は違うのよ。
もうこれしかないと言ったタイミングで、いよいよ聞けるとアタシは楽しみになったわ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
7
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる