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1章 現実
19話 驚異の報告
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一夜明けて、朝食時に部下からの報告を読んで驚いたよ。
「まさかここまでとはな」
信頼できる部下を集め、1枚のメダルをずっと夜通し使ってもらったが、既にジャガイモの大袋が1つの倉庫を満たしていた。
メイリンの言っていたように、30分ではなく1分で手に入ったようで、これは素晴らしいと言わずにはいられなかった。
「他のメダルもあるというし、急ぎホリグチ様に渡す書類を揃えなくてはな」
昼食までに書類を作り、俺はウキウキしながら昼食を取っていたが、それをお台無しにした者がいたんだ。
次の遠征に隊長として出陣する第3騎士団の隊長、バレーグン・ジャスアス子爵は、扉をノックもせずに部屋に入ってきたよ。
「グーガル・キリーあれはどういう事だ」
「お待ちくださいバレーグン様」
「ええい黙れ!メイドが俺に指図するな」
やれやれと思いながらも、手を止めてバレーグンに何しに来たのかと聞いたんだ。
バレーグンは、朝方訓練場で勇者様たちと対面し、部下の前で恥をかかされたと怒ってきたよ。
「恥をかいたのですか?」
「そうだ、あの女が俺を蹴り飛ばしてきたんだ、お前は教育係だろう、どう責任を取るつもりだ」
「責任も何も、訓練場を使う許可は取りましたし、勝手に入ってきたのはバレーグン殿でしょう」
俺の反論に答えられず、拳を握りしめて怒りを抑えていたが、そもそもどうして蹴られる状況になったのかが分からなかった。
10年掛かる召喚を魔法使いを100人使って1年に短縮した今回、王は期待しているのにどうして邪魔をするのか聞かずにはいられなかった。
「王は分かっていないのだ、そのせいで魔法兵は今も病室から出てきていない、その魔法兵がいれば戦果を挙げられるはずなのだ」
「そうですか、だから今一番の戦力である勇者様たちの邪魔をしたんですね」
「邪魔ではない、あいつらが俺の邪魔をしているのだ」
「そうですか、ではあなたを拘束します」
王に反論しているだけでも反逆罪なのに、勇者様の邪魔をしてしまったら更に罪状が増えてしまった。
これはとても黙っていられず、メイドを呼び拘束してもらった。
「なっ!メイド風情が俺を抑えるとは」
「これも勇者様のお力ですよバレーグン殿・・・ああ、そういえばあのお方は勇者の称号は持っていませんでしたね、まぁ称号がなくてもあのお方は勇者ですけどね」
「あのお方だと、誰の事を言っている」
「そんなことも分からないのですか、ホリグチ様ですよ」
勇者でもないあのお方は、既に俺を救ってくれていて、これからも国の為に尽くしてくれると期待していた。
そんな人に喧嘩を売ったのなら、俺は黙っているわけにもいかず、王に進言して処罰してもらうことにしたよ。
「悪くて処刑、良くて遠方に飛ばされるでしょうね」
「お、俺がいなくなったら、次の戦争で勝てないぞ」
「ご心配なく、メイドに組み伏せられてしまう程度の実力の者がいなくなっても、次の戦いの結果は変わりません」
いまの段階でメイドが騎士に勝てるなら、もう疑う必要もないので、メイドの中で一番の強者に聞いてみる事にした。
今バレーグンを組み伏せているミュイに聞いたら、戦いたくないと即答だった。
「そんなにか?」
「はい、他の勇者様は分かりませんが、あのホリグチと言う方だけは絶対に嫌ですね」
ミュイがどうしてそこまでなのかを話してくれて、俺も納得してしまった。
朝はそうでもなかったのに、昼に見た時変わっていて、その成長速度を考えての事だった。
「それは凄いな」
「それだけではなく、ホリグチ様はどこか人を寄せ付けない感じが必死で余裕のない方と思ったんですが、昼に見た時はそれが無くなり笑顔でお話をしていて、付け入る隙が無くなっていたんです」
「ふむ、こちらに来る勇者様は死にそうな顔をしている事が多いが、吹っ切れた感じとは違うのだな」
「はい、元から強さを感じていましたが、あれはもう敵に回してはいけません」
別人のように変わっていて、実力関係なしというのが余計怖かった。
1分で強くなる彼女達は、どう見てもそれが強みなのに、それ以外の雰囲気がそれ以上とかありえないと思ったよ。
「これは脅威だな」
「そうですね、しかもあの方はまだ本気ではないように思えます」
「だろうな、まだ食料もジャガイモのみだし、レベル上げに使っているのもスライムだ」
これがオークやオーガなどと戦う様になれば、国で最強の第1騎士団にも引けを取らないだろうと期待してしまった。
それは言いすぎと思ったんだが、そんな期待は無くならずにホリグチ様たちのいる訓練場に足を運んだ。
「さて、この資料を渡してどうなるのか、とても楽しみだな」
食料の種類や料理などを記したものだから、それほど重要ではなかったが、これで変わるのなら彼女は本物と感じていた。
「まさかここまでとはな」
信頼できる部下を集め、1枚のメダルをずっと夜通し使ってもらったが、既にジャガイモの大袋が1つの倉庫を満たしていた。
メイリンの言っていたように、30分ではなく1分で手に入ったようで、これは素晴らしいと言わずにはいられなかった。
「他のメダルもあるというし、急ぎホリグチ様に渡す書類を揃えなくてはな」
昼食までに書類を作り、俺はウキウキしながら昼食を取っていたが、それをお台無しにした者がいたんだ。
次の遠征に隊長として出陣する第3騎士団の隊長、バレーグン・ジャスアス子爵は、扉をノックもせずに部屋に入ってきたよ。
「グーガル・キリーあれはどういう事だ」
「お待ちくださいバレーグン様」
「ええい黙れ!メイドが俺に指図するな」
やれやれと思いながらも、手を止めてバレーグンに何しに来たのかと聞いたんだ。
バレーグンは、朝方訓練場で勇者様たちと対面し、部下の前で恥をかかされたと怒ってきたよ。
「恥をかいたのですか?」
「そうだ、あの女が俺を蹴り飛ばしてきたんだ、お前は教育係だろう、どう責任を取るつもりだ」
「責任も何も、訓練場を使う許可は取りましたし、勝手に入ってきたのはバレーグン殿でしょう」
俺の反論に答えられず、拳を握りしめて怒りを抑えていたが、そもそもどうして蹴られる状況になったのかが分からなかった。
10年掛かる召喚を魔法使いを100人使って1年に短縮した今回、王は期待しているのにどうして邪魔をするのか聞かずにはいられなかった。
「王は分かっていないのだ、そのせいで魔法兵は今も病室から出てきていない、その魔法兵がいれば戦果を挙げられるはずなのだ」
「そうですか、だから今一番の戦力である勇者様たちの邪魔をしたんですね」
「邪魔ではない、あいつらが俺の邪魔をしているのだ」
「そうですか、ではあなたを拘束します」
王に反論しているだけでも反逆罪なのに、勇者様の邪魔をしてしまったら更に罪状が増えてしまった。
これはとても黙っていられず、メイドを呼び拘束してもらった。
「なっ!メイド風情が俺を抑えるとは」
「これも勇者様のお力ですよバレーグン殿・・・ああ、そういえばあのお方は勇者の称号は持っていませんでしたね、まぁ称号がなくてもあのお方は勇者ですけどね」
「あのお方だと、誰の事を言っている」
「そんなことも分からないのですか、ホリグチ様ですよ」
勇者でもないあのお方は、既に俺を救ってくれていて、これからも国の為に尽くしてくれると期待していた。
そんな人に喧嘩を売ったのなら、俺は黙っているわけにもいかず、王に進言して処罰してもらうことにしたよ。
「悪くて処刑、良くて遠方に飛ばされるでしょうね」
「お、俺がいなくなったら、次の戦争で勝てないぞ」
「ご心配なく、メイドに組み伏せられてしまう程度の実力の者がいなくなっても、次の戦いの結果は変わりません」
いまの段階でメイドが騎士に勝てるなら、もう疑う必要もないので、メイドの中で一番の強者に聞いてみる事にした。
今バレーグンを組み伏せているミュイに聞いたら、戦いたくないと即答だった。
「そんなにか?」
「はい、他の勇者様は分かりませんが、あのホリグチと言う方だけは絶対に嫌ですね」
ミュイがどうしてそこまでなのかを話してくれて、俺も納得してしまった。
朝はそうでもなかったのに、昼に見た時変わっていて、その成長速度を考えての事だった。
「それは凄いな」
「それだけではなく、ホリグチ様はどこか人を寄せ付けない感じが必死で余裕のない方と思ったんですが、昼に見た時はそれが無くなり笑顔でお話をしていて、付け入る隙が無くなっていたんです」
「ふむ、こちらに来る勇者様は死にそうな顔をしている事が多いが、吹っ切れた感じとは違うのだな」
「はい、元から強さを感じていましたが、あれはもう敵に回してはいけません」
別人のように変わっていて、実力関係なしというのが余計怖かった。
1分で強くなる彼女達は、どう見てもそれが強みなのに、それ以外の雰囲気がそれ以上とかありえないと思ったよ。
「これは脅威だな」
「そうですね、しかもあの方はまだ本気ではないように思えます」
「だろうな、まだ食料もジャガイモのみだし、レベル上げに使っているのもスライムだ」
これがオークやオーガなどと戦う様になれば、国で最強の第1騎士団にも引けを取らないだろうと期待してしまった。
それは言いすぎと思ったんだが、そんな期待は無くならずにホリグチ様たちのいる訓練場に足を運んだ。
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