51 / 63
2章 進行
51話 罠だらけの一騎打ち
しおりを挟む
私は今、いつも通り砦の前で降参するように呼び掛けているんだけど、今回は矢の雨も暴言も飛んできません。
「沈黙って一番困るのよね」
攻めるにしても、相手が聞いているか分からないと後で問題になるから、兵士が見てる事だけでも確認しなくてはいけません。
門から見上げても上には誰も見えず、気の気配は感知しているから無視されているのが分かっていたわ。
「仕方ないわね、ちょっと行ってくるわ」
「待ってくれ堀口さん、門が開くぞ」
相手の気が門の近くに集まっていたのは分かっていたけど、まさか開けてくれるとは思わず、いったいどういう意図なのか警戒したわ。
門が開かれて中から一人の男性が出て来て、彼は大きな剣を肩に乗せてやる気満々な感じが伝わってきたわ。
「お前らのリーダーは誰だ、俺と一騎打ちだ」
相手からそんな要望があり、みんなは私に注目してきたから前に出たけど、男性以外に誰かが門から出て来て短剣を使った速攻を仕掛けてきたのよ。
普通ならその一撃でリーダーである私は倒されたでしょうけど、短剣を奪って襲撃してきた相手を組み伏せたわ。
「ば、バケモノめ」
「あらごめんなさい、そちらの意思は分かったから、これは戦いの開始で良いのよね?」
「ま、待ってくれ」
大剣を持った男性が止めて来て、誤解だと否定してきたのだけど、大剣は離さないし組み伏せている男を縄で縛ったわ。
縄で縛ったら男性がどうして止めないのか注意してきたけど、誠意が感じられないからと返したのよ。
「これだけ頼んでいるだろう」
「その頼み方がなってないわ、武器は離さないし大体命を取られるところだったのよ」
「そ、それはそうだが」
「リーダーを刈り取るのが失敗したのだから、そちらは諦めて降参しなさい」
すごく悔しそうな顔をして、男性は肩に担いでいた剣を下ろし、両手を上にあげて降参のポーズを取ってきました。
私も安心して力を緩めたのだけど、その直後に砦から殺気が感じられ、1本の矢が放たれたわ。
「やれやれ、2段構えの作戦だったのね」
なかなかの策士がいると感心はしたけど、騎士の誇りとかはないのだろうかと疑問を持ち、飛んできた矢を指で止めました。
矢の速度はとても速く、普通とは違ったのか、騎士が驚きながらそんな事を説明してきて、私をまたバケモノ呼ばわりしてきたわね。
「だから失礼よあなた、こんな事私の部隊なら誰でも出来るのよ」
「ふ、ふざけるなよ、今矢を射ったのは、我が部隊最強の射手【リガルダス】だぞ」
「そんな事知らないわ、その程度と私が言えばその程度なのよ」
そんな事は良いから降参しなさいと言ったのだけど、それでも諦めきれないのか、地面に落とした大剣を拾い構えてきたわよ。
まだ戦っていないとか言ってきて、私はさすがに呆れてため息を漏らしてしまったわね。
「さぁここからが本当の勝負だ」
「あなたね、これだけの事をやっておいて勝負も何もないわよ」
「う、うるさい!勝負と言ったら勝負だ」
「まるで子供ね、よくそんなので砦のリーダーを務めているわね」
アトラクションで何度も体験していて分かっているけど、こいつはリーダーではなく、私を見定めるための布石でした。
本当のリーダーは砦の中から私を見ていて、私が命を取るか確認していたんです。
「仕方ないわね、勝負してあげるわ」
「最初からそうしていれば良い、お前に勝てばあいつも納得するだろう」
「あいつねぇ」
この男は、問題のリーダーが降参しようとしたのに反対していて、倒して見せると宣言して出てきていて、罠にはめて勝利しようとしてきました。
普通の人が相手なら、その作戦は成功しただろうと思える内容だったけど、そもそも騎士が考えた作戦は間違っていたのよ。
「あなたね、勝てるならそのリーダーも降参なんて考えないわよ、あなたバカ過ぎるわね」
「な、なんだと!」
「もういいわ、一撃であなたを倒して、その問題のリーダーさんと話をしなくちゃね」
立ち上がった私は、問題のリーダーさんが上で隠れて見ているのが分かっていたから、大声でいい加減にしろと怒りました。
その声を聞いて、やっと問題のリーダーが顔を出し、私の本当の交渉が始まったのよ。
「沈黙って一番困るのよね」
攻めるにしても、相手が聞いているか分からないと後で問題になるから、兵士が見てる事だけでも確認しなくてはいけません。
門から見上げても上には誰も見えず、気の気配は感知しているから無視されているのが分かっていたわ。
「仕方ないわね、ちょっと行ってくるわ」
「待ってくれ堀口さん、門が開くぞ」
相手の気が門の近くに集まっていたのは分かっていたけど、まさか開けてくれるとは思わず、いったいどういう意図なのか警戒したわ。
門が開かれて中から一人の男性が出て来て、彼は大きな剣を肩に乗せてやる気満々な感じが伝わってきたわ。
「お前らのリーダーは誰だ、俺と一騎打ちだ」
相手からそんな要望があり、みんなは私に注目してきたから前に出たけど、男性以外に誰かが門から出て来て短剣を使った速攻を仕掛けてきたのよ。
普通ならその一撃でリーダーである私は倒されたでしょうけど、短剣を奪って襲撃してきた相手を組み伏せたわ。
「ば、バケモノめ」
「あらごめんなさい、そちらの意思は分かったから、これは戦いの開始で良いのよね?」
「ま、待ってくれ」
大剣を持った男性が止めて来て、誤解だと否定してきたのだけど、大剣は離さないし組み伏せている男を縄で縛ったわ。
縄で縛ったら男性がどうして止めないのか注意してきたけど、誠意が感じられないからと返したのよ。
「これだけ頼んでいるだろう」
「その頼み方がなってないわ、武器は離さないし大体命を取られるところだったのよ」
「そ、それはそうだが」
「リーダーを刈り取るのが失敗したのだから、そちらは諦めて降参しなさい」
すごく悔しそうな顔をして、男性は肩に担いでいた剣を下ろし、両手を上にあげて降参のポーズを取ってきました。
私も安心して力を緩めたのだけど、その直後に砦から殺気が感じられ、1本の矢が放たれたわ。
「やれやれ、2段構えの作戦だったのね」
なかなかの策士がいると感心はしたけど、騎士の誇りとかはないのだろうかと疑問を持ち、飛んできた矢を指で止めました。
矢の速度はとても速く、普通とは違ったのか、騎士が驚きながらそんな事を説明してきて、私をまたバケモノ呼ばわりしてきたわね。
「だから失礼よあなた、こんな事私の部隊なら誰でも出来るのよ」
「ふ、ふざけるなよ、今矢を射ったのは、我が部隊最強の射手【リガルダス】だぞ」
「そんな事知らないわ、その程度と私が言えばその程度なのよ」
そんな事は良いから降参しなさいと言ったのだけど、それでも諦めきれないのか、地面に落とした大剣を拾い構えてきたわよ。
まだ戦っていないとか言ってきて、私はさすがに呆れてため息を漏らしてしまったわね。
「さぁここからが本当の勝負だ」
「あなたね、これだけの事をやっておいて勝負も何もないわよ」
「う、うるさい!勝負と言ったら勝負だ」
「まるで子供ね、よくそんなので砦のリーダーを務めているわね」
アトラクションで何度も体験していて分かっているけど、こいつはリーダーではなく、私を見定めるための布石でした。
本当のリーダーは砦の中から私を見ていて、私が命を取るか確認していたんです。
「仕方ないわね、勝負してあげるわ」
「最初からそうしていれば良い、お前に勝てばあいつも納得するだろう」
「あいつねぇ」
この男は、問題のリーダーが降参しようとしたのに反対していて、倒して見せると宣言して出てきていて、罠にはめて勝利しようとしてきました。
普通の人が相手なら、その作戦は成功しただろうと思える内容だったけど、そもそも騎士が考えた作戦は間違っていたのよ。
「あなたね、勝てるならそのリーダーも降参なんて考えないわよ、あなたバカ過ぎるわね」
「な、なんだと!」
「もういいわ、一撃であなたを倒して、その問題のリーダーさんと話をしなくちゃね」
立ち上がった私は、問題のリーダーさんが上で隠れて見ているのが分かっていたから、大声でいい加減にしろと怒りました。
その声を聞いて、やっと問題のリーダーが顔を出し、私の本当の交渉が始まったのよ。
1
あなたにおすすめの小説
生きるために逃げだした。幸せになりたい。
白水緑
ファンタジー
屋敷内に軟禁状態だったリリアは、宝物を取り戻したことをきっかけに屋敷から逃げ出した。幸せになるために。体力も力もない。成り行きに身を任せる結果になっても、自分の道は自分で選びたい。
2020/9/19 第一章終了
続きが書け次第また連載再開します。
2021/2/14 第二章開幕
2021/2/28 完結
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
『ゴミ掃除』が役立たずと追放されたが、実は『存在抹消』級のチートだった。勇者一行がゴミで溺れているが、俺は辺境で美少女と温泉宿を経営中なので
eringi
ファンタジー
「悪いが、お前のスキル『ゴミ掃除』は魔王討伐の役には立たない。クビだ」
勇者パーティの雑用係だったアレクは、戦闘の役に立たないという理由で、ダンジョンの最深部手前で追放されてしまう。
しかし、勇者たちは気づいていなかった。
彼らの装備が常に新品同様だったのも、野営地が快適だったのも、襲い来る高レベルモンスターの死体が跡形もなく消えていたのも、すべてアレクが『掃除』していたからだということに。
アレクのスキルは単なる掃除ではない。対象を空間ごと削り取る『存在抹消』レベルの規格外チートだったのだ。
一人になったアレクは、気ままに生こうと辺境の廃村にたどり着く。
そこでボロボロになっていた伝説のフェンリル(美少女化)を『洗浄』して懐かれたり、呪われたエルフの姫君を『シミ抜き』して救ったりしているうちに、いつの間にかそこは世界最高峰の温泉宿になっていて……?
一方、アレクを失った勇者パーティは、武器は錆びつき、悪臭にまみれ、雑魚モンスターの処理すら追いつかず破滅の一途をたどっていた。
「今さら戻ってきてくれと言われても、俺はお客さん(美少女)の背中を流すのに忙しいんで」
これは、掃除屋の少年が無自覚に最強の座に君臨し、幸せなスローライフを送る物語。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。
彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。
公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。
しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。
だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。
二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。
彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。
※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
コンバット
サクラ近衛将監
ファンタジー
藤堂 忍は、10歳の頃に難病に指定されているALS(amyotrophic lateral sclerosis:筋萎縮性側索硬化症)を発症した。
ALSは発症してから平均3年半で死に至るが、遅いケースでは10年以上にわたり闘病する場合もある。
忍は、不屈の闘志で最後まで運命に抗った。
担当医師の見立てでは、精々5年以内という余命期間を大幅に延長し、12年間の壮絶な闘病生活の果てについに力尽きて亡くなった。
その陰で家族の献身的な助力があったことは間違いないが、何よりも忍自身の生きようとする意志の力が大いに働いていたのである。
その超人的な精神の強靭さゆえに忍の生き様は、天上界の神々の心も揺り動かしていた。
かくして天上界でも類稀な神々の総意に依り、忍の魂は異なる世界への転生という形で蘇ることが許されたのである。
この物語は、地球世界に生を受けながらも、その生を満喫できないまま死に至った一人の若い女性の魂が、神々の助力により異世界で新たな生を受け、神々の加護を受けつつ新たな人生を歩む姿を描いたものである。
しかしながら、神々の意向とは裏腹に、転生した魂は、新たな闘いの場に身を投じることになった。
この物語は「カクヨム様」にも同時投稿します。
一応不定期なのですが、土曜の午後8時に投稿するよう努力いたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる