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攻略進行度50%

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さてと、チャラ男は攻略しなくていいらしいから、宰相の息子にも手をかけ始めるか。まあ、真面目野郎だから図書館に通い詰めればいるだろ。

アリアにも話して、ごはんは短めに済ませ、図書館に通う日々が続いた。

意外と来ねーな、と思った5日目、来た。
偶然を装って話しかけ、おすすめの本を聞く。
てっきり硬い本を薦められるかと思いきや、薦められたのは冒険小説だった。一時期流行っていたが、そういえば読んだことがなかったので、そのまま借りた。

そのことをアリアに報告すると、読んだら自分にも感想を共有してほしいと言われた。そうして日々頑張って読み、アリアと感想を共有することで宰相Jrに伝える感想をよりよいものにできた。やっぱ、持つべきものは友達だわ。

おすすめの本教えてもらい、読んで感想を伝え、また次の本を教えてもらう、というのを何度か繰り返したところで距離を詰めにかかることにした。

今までは正面から話しかけていたのを座っている彼の後ろから抱きつくようにして話しかける。見た目からはわからない胸もあてると大抵顔を真っ赤にして動揺する。
だから、ついでに、恥ずかしいんですかー?とからかっておく。こういうタイプはプライドが高い分、ムキになって、さらに自覚が強まるから。

正直そんな気はしていたけど、一番簡単に落とせそうだ。好意を見せてくるのに思い通りにならない歯痒さにせいぜい苦しんでもらおう。

一方、王子のほうはちまちまと好感度を稼いでいる段階だ。ただ、もうすぐ一学期の期末テストだから、勉強教えてください、ってお願いしてみようかな?アリアにも頼んでチャラ男にも話を通してもらえればよりスムーズに開催できそう。まあ、馬鹿らしいけど、さすがに一年の頭の範囲くらいはそこそこできるでしょ。


そして、部活停止期間に勉強会は開催された。副会長のミラさんもついて来てしまったが。

心の中でミラさんに謝りながら、彼女が見えないかのように王子に多めに質問をする。宰相Jrは教えたそうにこっちを見ているが、気づいていないふりをしておく。

ただ、さすが馬鹿王子、一年生の範囲も怪しいようで、だいぶミラさんからの指摘が入っていた。そのたびに、そうだったんですね、難しいですね、と難しかったから間違えても仕方ないという助け舟を出しておく。これはミラさんとの仲を悪くし、私との仲を縮めるいい機会にできた気がした。

それに、テスト結果はよかったので、次会った時に全力でお礼を言っておいた。正しくはミラさんのおかげなんだけれども。

夏休みはお義兄さまに生徒会の旅行先に一緒に連れて行ってもらった。完全に使用人によって焼かれたバーベキューは醍醐味が盛大に失われていたけど、おいしかった。
そして、お風呂に入った後は髪の毛をゆるくまとめ、シンプルなドレス+動物模様の羽織りもので可愛さをアピールしておく。ここであからさまな透け感は下品な感じになってしまうのでやめておいた。
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