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攻略開始とルームメイトの涙
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翌日からはそれぞれの部活動へ行く。
私はとりあえず王子とチャラ男と先輩・後輩関係を築くことにする。
例えば、王子は
「レン先輩、うまく打ち返せないんですが、どこがダメだと思います?」
と言って、お手本をさせてから、わからないです、って言うと後ろから手を握ってやってくれる。
その時にふわっと香るようにフルーツ系の香水を首の後ろに振ってある。ローズ系を使っている人は多いけど、さわやか系はあんまりいないから。離れる時にちょっと名残惜しそうだからある程度の効果はありそう。
ただ、チャラ男がチャラ男のくせにガードが固い。教えてもらおうとすると触らずにできる範囲で教えて、それ以上は女の先輩を連れてくる。まあ、気軽に女性連れてこれる時点でノリはゆるいんだけど。
そんな感じで部内の先輩と距離を縮めようとしていた夜、怪訝な顔をしたアリアに話したいことがあると言われた。
「あのね、実はヴィーくんにしつこくアプローチしてくる人がいるらしくて」
「大変じゃん!どんな人なの?」
「それが……ルナだって言うの。だから、なんで、そんなことになってるのか聞きたくて。もしかして、私のこと嫌いだった?」
アリアが目に大量の涙を溜めてこっちを見ている。
「え?!いや、とりあえず、アリアのことは友達として本当に好きっていうのは言っとく。……えっ、と、もしかしてなんか行き違いがありそうな気がしなくもないから、ヴィーくんとかいう人のフルネーム教えてもらってもいい」
「言ってなかった?ヴィンクって言うんだけど……」
「あ、ごめん……それ、まじで私だわ」
なるほど、どおりで一切私に靡かないわけだわ。いや、アリアの話とあのチャラ男が頭の中で結びつかなかった。
「なんで?!」
「ちょっと、えっと、絶対に外に漏らせない諸事情があるんだよね」
あー、でも、なんならバラしといたほうが楽なのか?今後もずっとルームメイトなんだし。
「そうだね……、そのヴィンク様とやらにも詳しくは話さない、他の人に一切言わないんだったら説明するよ」
「内容によってはヴィーくんには言うかもしれないけど、他には一切漏らさない、約束する」
「OK。私が引き取られた子っていうのは話したよね」
「うん」
「その条件がね、皇太子とその周辺人物を廃嫡に追い込むことなんだ」
「へ?!」
「意味わからないかもしれないけど、そうなんだ。理由は人間性に問題があるから。この間料理部に行った時に先輩が王子に悪い噂があるって言ってたでしょ?」
「あ、言ってた」
「あれね、本当なんだよ。女をたぶらかしては暴力を振るったりしてる。だから、見目麗しい少女を引き取って彼らを逆にたぶらかして、廃嫡に追い込めるようにするっていう作戦が水面下で進行してて、それに選ばれたのが私なの。でも、取り巻き全員が悪だと思ってたし、なんなら一番チャラいヴィンク様が関係ないなんて思ってなかったから。知らなかったとはいえ、ごめん。でも、彼は顔がいい女に誘われてもしっかり断れるいい男だと思う。保証する」
「……そんな事情があったんだ。ごめん、処理しきれてないけど、もうヴィーくんを狙うことはない、という認識でいい?」
「もちろん。善良な人をターゲットにする必要ないもん。お幸せに」
「よかった……。これでルナと仲悪くなったらどうしようかって……。ヴィーくんにはルナが私にふさわしい人間か勝手に試してたらしいって伝えとく」
「ごめんね。ありがとう。そうしてくれると嬉しい」
「でも、じゃあ、私にできる範囲のネットワークで王子らへんの情報を調べとくね。ヴィーくんからもある程度聞けそうだし」
「怪しまれない程度に、ていうか、だから、私はめちゃ嫌われる行動をしてるからやばいと思ったらちゃんと切り捨ててよ?」
「わかった」
私はとりあえず王子とチャラ男と先輩・後輩関係を築くことにする。
例えば、王子は
「レン先輩、うまく打ち返せないんですが、どこがダメだと思います?」
と言って、お手本をさせてから、わからないです、って言うと後ろから手を握ってやってくれる。
その時にふわっと香るようにフルーツ系の香水を首の後ろに振ってある。ローズ系を使っている人は多いけど、さわやか系はあんまりいないから。離れる時にちょっと名残惜しそうだからある程度の効果はありそう。
ただ、チャラ男がチャラ男のくせにガードが固い。教えてもらおうとすると触らずにできる範囲で教えて、それ以上は女の先輩を連れてくる。まあ、気軽に女性連れてこれる時点でノリはゆるいんだけど。
そんな感じで部内の先輩と距離を縮めようとしていた夜、怪訝な顔をしたアリアに話したいことがあると言われた。
「あのね、実はヴィーくんにしつこくアプローチしてくる人がいるらしくて」
「大変じゃん!どんな人なの?」
「それが……ルナだって言うの。だから、なんで、そんなことになってるのか聞きたくて。もしかして、私のこと嫌いだった?」
アリアが目に大量の涙を溜めてこっちを見ている。
「え?!いや、とりあえず、アリアのことは友達として本当に好きっていうのは言っとく。……えっ、と、もしかしてなんか行き違いがありそうな気がしなくもないから、ヴィーくんとかいう人のフルネーム教えてもらってもいい」
「言ってなかった?ヴィンクって言うんだけど……」
「あ、ごめん……それ、まじで私だわ」
なるほど、どおりで一切私に靡かないわけだわ。いや、アリアの話とあのチャラ男が頭の中で結びつかなかった。
「なんで?!」
「ちょっと、えっと、絶対に外に漏らせない諸事情があるんだよね」
あー、でも、なんならバラしといたほうが楽なのか?今後もずっとルームメイトなんだし。
「そうだね……、そのヴィンク様とやらにも詳しくは話さない、他の人に一切言わないんだったら説明するよ」
「内容によってはヴィーくんには言うかもしれないけど、他には一切漏らさない、約束する」
「OK。私が引き取られた子っていうのは話したよね」
「うん」
「その条件がね、皇太子とその周辺人物を廃嫡に追い込むことなんだ」
「へ?!」
「意味わからないかもしれないけど、そうなんだ。理由は人間性に問題があるから。この間料理部に行った時に先輩が王子に悪い噂があるって言ってたでしょ?」
「あ、言ってた」
「あれね、本当なんだよ。女をたぶらかしては暴力を振るったりしてる。だから、見目麗しい少女を引き取って彼らを逆にたぶらかして、廃嫡に追い込めるようにするっていう作戦が水面下で進行してて、それに選ばれたのが私なの。でも、取り巻き全員が悪だと思ってたし、なんなら一番チャラいヴィンク様が関係ないなんて思ってなかったから。知らなかったとはいえ、ごめん。でも、彼は顔がいい女に誘われてもしっかり断れるいい男だと思う。保証する」
「……そんな事情があったんだ。ごめん、処理しきれてないけど、もうヴィーくんを狙うことはない、という認識でいい?」
「もちろん。善良な人をターゲットにする必要ないもん。お幸せに」
「よかった……。これでルナと仲悪くなったらどうしようかって……。ヴィーくんにはルナが私にふさわしい人間か勝手に試してたらしいって伝えとく」
「ごめんね。ありがとう。そうしてくれると嬉しい」
「でも、じゃあ、私にできる範囲のネットワークで王子らへんの情報を調べとくね。ヴィーくんからもある程度聞けそうだし」
「怪しまれない程度に、ていうか、だから、私はめちゃ嫌われる行動をしてるからやばいと思ったらちゃんと切り捨ててよ?」
「わかった」
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