9 / 13
攻略進行度99%
しおりを挟む
そして、文化祭最終日。最終日は終わった後に後夜祭という名のダンスパーティーがある。
基本的には婚約者、いなければ親しい異性にエスコートしてもらう決まりである。
私はお義兄さまにエスコートしてもらう。彼の婚約者は既に卒業していて、この学校にはいないからだ。アリアも婚約者と一緒に参加するので、一緒に行くことにした。
私は単に私が好きな薄紫のドレスで、アリアはピンクのドレスに婚約者様の目の色と同じサファイアらしきアクセサリーを身につけている。やっぱり、この子みたいなのが理想系だったんだろうな、と思ってしまった笑。
会場に入ると豪華絢爛な飾り付けに、おいしそうな料理が並んでいる。
うわー、食べたい……!
「乾杯の音頭があってからだからな?」
お義兄さまに釘を刺された。
「わかってますよ」
「ほんとに?今すぐにでも食べたいって顔をしていたけど」
「それは、食べたいです」
「ほら。だから、念のため」
「さすがに動物じゃないんですから、そんなことしませんて」
「わかった」
飲み物を取り、スタートを待つ。みんなそれぞれに着飾っていて華やかで見ているだけでも結構楽しい。
「生徒会として一応行かなきゃダメみたいだから前に行ってくる。強いから大丈夫だとは思うけど気をつけて」
「わかりました」
「ごめん、俺も行ってくるね。アリアのことお願いしてもいいかな?」
どうやら、アリアがちゃんとヴィンクさんに言っておいてくれたのか、疑惑は無事解けてるようで安心した。
「はい。任せてください」
王子様の乾杯のコールがあり、会がスタートした。
「ただいま。食べ物を取りに行こうか」
「うん!」
みっともなくならないように盛り方に配慮しながら欲しいものをたっぷり取ってきた。
「あ、このお肉おいしい」
「ほんと?私も後で取ってこようかな」
アリアと時々お義兄様とヴィンクさんで雑談をしていると王子がミラさんと一緒に歩いてきた。今日のミラさんのドレスは濃い青色のドレスでエキゾチックでめちゃくちゃ素敵だった。
「やあ、ルナ。それにキールとヴィンクはさっきぶりだね。えっと、君は誰だっけ?」
「俺の最愛の婚約者、アリアだよ」
アリアが話そうしているのを遮るようにヴィンクさんが紹介した。本当にこいつちゃんとアリアのこと好きなんだな、と実感する。
「アリアさんか、よろしく」
「よろしくお願いいたします」
「ところで、ルナ、会は楽しんでいるかい?」
「はい、レンさん!おいしいものが多いですし、楽しいです!」
「それはよかった。それとあとでよかったら一緒に踊ってくれるかな?」
「もちろん!よろこんで務めさせてもらいます」
「約束だよ。では、みんなゆっくり楽しんで行ってくれ」
ミラさんを連れてるのに一切無視して私に話しかけてくるのは作戦成功なのだけど、少し心が痛む。
他の攻略対象2人も代わりばんこに現れて私に話しかけ、ダンスの約束をして消えていった。
基本的には婚約者、いなければ親しい異性にエスコートしてもらう決まりである。
私はお義兄さまにエスコートしてもらう。彼の婚約者は既に卒業していて、この学校にはいないからだ。アリアも婚約者と一緒に参加するので、一緒に行くことにした。
私は単に私が好きな薄紫のドレスで、アリアはピンクのドレスに婚約者様の目の色と同じサファイアらしきアクセサリーを身につけている。やっぱり、この子みたいなのが理想系だったんだろうな、と思ってしまった笑。
会場に入ると豪華絢爛な飾り付けに、おいしそうな料理が並んでいる。
うわー、食べたい……!
「乾杯の音頭があってからだからな?」
お義兄さまに釘を刺された。
「わかってますよ」
「ほんとに?今すぐにでも食べたいって顔をしていたけど」
「それは、食べたいです」
「ほら。だから、念のため」
「さすがに動物じゃないんですから、そんなことしませんて」
「わかった」
飲み物を取り、スタートを待つ。みんなそれぞれに着飾っていて華やかで見ているだけでも結構楽しい。
「生徒会として一応行かなきゃダメみたいだから前に行ってくる。強いから大丈夫だとは思うけど気をつけて」
「わかりました」
「ごめん、俺も行ってくるね。アリアのことお願いしてもいいかな?」
どうやら、アリアがちゃんとヴィンクさんに言っておいてくれたのか、疑惑は無事解けてるようで安心した。
「はい。任せてください」
王子様の乾杯のコールがあり、会がスタートした。
「ただいま。食べ物を取りに行こうか」
「うん!」
みっともなくならないように盛り方に配慮しながら欲しいものをたっぷり取ってきた。
「あ、このお肉おいしい」
「ほんと?私も後で取ってこようかな」
アリアと時々お義兄様とヴィンクさんで雑談をしていると王子がミラさんと一緒に歩いてきた。今日のミラさんのドレスは濃い青色のドレスでエキゾチックでめちゃくちゃ素敵だった。
「やあ、ルナ。それにキールとヴィンクはさっきぶりだね。えっと、君は誰だっけ?」
「俺の最愛の婚約者、アリアだよ」
アリアが話そうしているのを遮るようにヴィンクさんが紹介した。本当にこいつちゃんとアリアのこと好きなんだな、と実感する。
「アリアさんか、よろしく」
「よろしくお願いいたします」
「ところで、ルナ、会は楽しんでいるかい?」
「はい、レンさん!おいしいものが多いですし、楽しいです!」
「それはよかった。それとあとでよかったら一緒に踊ってくれるかな?」
「もちろん!よろこんで務めさせてもらいます」
「約束だよ。では、みんなゆっくり楽しんで行ってくれ」
ミラさんを連れてるのに一切無視して私に話しかけてくるのは作戦成功なのだけど、少し心が痛む。
他の攻略対象2人も代わりばんこに現れて私に話しかけ、ダンスの約束をして消えていった。
0
あなたにおすすめの小説
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ
汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。
※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。
三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します
冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」
結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。
私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。
そうして毎回同じように言われてきた。
逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。
だから今回は。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる