13 / 16
雨降りの日は
しおりを挟む
あれから…私が秋輔のことが好きと自覚してから三日が経った。
秋輔と私はぎこちない感じの三日間を過ごしていた。
だって……キス、したから…!
「なぁ…ネコ吉先生なんて言ってた?」
「え!?な、何が…?」
家に帰宅すると秋輔は壊れた鉢植えを見つめながら問いかけてきた。
う…言いづらい…。
「苗木だよ、これ。直るのか?もう朱音が元の世界に戻れないなんてないよな…?」
秋輔の方を見ると心配してるのだけどなんだかにやけていてほんとに訳わからない顔していて、呆れた。事の重大さをわかってないのね。
「…キス。したら、直るって言ってたわ。おばあ様。」
「え…?」
言ってやった。案の定、凍りついてる。なんかショック、かも…。私とキス、したくないってこと…?
「それで、どうかしら?するの?しないの?」
「ば、ばか。そんな怒るなよ。急にそんな…うぅ…。」
「そんなに私のこと嫌かしら!?秋輔は美沙貴の方が好きなんですものね!?!」
ポロッと熱い雫が頬を伝うと止まらなくなり秋輔に背を向けてしまった。
「……朱音…。」
「……。」
合わせる顔がない。後ろから切ない声が私を呼ぶけれど。振り向くことができなかった。
「なぁ…朱音ってば。」
「…何よ……っ!?」
何度も切ない声が自分を呼びだんだん泣きそうな声で呼ぶから仕方なく振り返った瞬間ゼロセンチだった。暖かくて柔らかなモノが自分の唇に当たってリップ音を立てて離れた。一瞬のことで何か分からなかったけど間違いなくそれは秋輔の唇だった。それを理解して顔が赤く染まっていくのと同じように鉢植えが光に包まれていった。
それが三日前。
無事に鉢植えは直ったし、苗木も再び元気になった。
けど、秋輔の様子も私もなんとなく気まずくてすれ違い始めたようで苗木も劇的な変化はない。
今日は遅くなるとの書き置きとエッグベネディクトを残して秋輔はいつもより早くに仕事に向かったらしく、一人で少し冷めたそれを食べた。
今日は洗濯でもしようかと洗濯機を回すと急にポツポツと雨が降りだした。ついてないなとため息をつきながら秋輔のことを思いながら洗濯機の騒音と雨音に座り込んで目を瞑った。
キスした時の秋輔の覚悟を決めたような表情が頭を離れなかった。すぐに申し訳なさそうになって謝り倒してきたけど、あの時の秋輔はほんとにカッコ良かった…なんていつの間にか眠っていて気がつくと騒音はとっくに止んでなんとなく肌寒い空気で目が覚めた。急いで時計を確認すると寝過ごしたようで針は15時を指していた。窓の外はどしゃ降りで、諦めて部屋干しにして、秋輔の帰りをだらだらと待っていることにした。
今日は遅くなるって言ってたから私が料理を作ろうかしら。冷蔵庫を開けて何か作ろうと思ってみたけど、何も思いつかなくて、結局味噌汁とご飯としょうが焼きの和食が出来上がった。和食ねぇ。この私が和食なんて。しかも自分で作るなんて。なんだか変な感じと思いながらもあとは温めるだけにしてお風呂先に入ってしまおうと鼻歌混じりに風呂を済ましてもまだ秋輔は帰っておらず、その日は20時頃まで待ってみたが空腹がどうしても我慢できなくて、一人で冷めたままの和食を食べた。
ワンルームの部屋に一式しかない布団…なんだか誘ってるみたいで悔しいからまだ敷かない。秋輔、ほんとに遅いな…。
「秋輔、あとどのくらいで帰ってくるの?」ポチポチとケータイでメールを打っては消してを繰り返してるうちにまた寝落ちたのか気がつくとケータイのニュース速報が震えてハッとした。
秋輔と私はぎこちない感じの三日間を過ごしていた。
だって……キス、したから…!
「なぁ…ネコ吉先生なんて言ってた?」
「え!?な、何が…?」
家に帰宅すると秋輔は壊れた鉢植えを見つめながら問いかけてきた。
う…言いづらい…。
「苗木だよ、これ。直るのか?もう朱音が元の世界に戻れないなんてないよな…?」
秋輔の方を見ると心配してるのだけどなんだかにやけていてほんとに訳わからない顔していて、呆れた。事の重大さをわかってないのね。
「…キス。したら、直るって言ってたわ。おばあ様。」
「え…?」
言ってやった。案の定、凍りついてる。なんかショック、かも…。私とキス、したくないってこと…?
「それで、どうかしら?するの?しないの?」
「ば、ばか。そんな怒るなよ。急にそんな…うぅ…。」
「そんなに私のこと嫌かしら!?秋輔は美沙貴の方が好きなんですものね!?!」
ポロッと熱い雫が頬を伝うと止まらなくなり秋輔に背を向けてしまった。
「……朱音…。」
「……。」
合わせる顔がない。後ろから切ない声が私を呼ぶけれど。振り向くことができなかった。
「なぁ…朱音ってば。」
「…何よ……っ!?」
何度も切ない声が自分を呼びだんだん泣きそうな声で呼ぶから仕方なく振り返った瞬間ゼロセンチだった。暖かくて柔らかなモノが自分の唇に当たってリップ音を立てて離れた。一瞬のことで何か分からなかったけど間違いなくそれは秋輔の唇だった。それを理解して顔が赤く染まっていくのと同じように鉢植えが光に包まれていった。
それが三日前。
無事に鉢植えは直ったし、苗木も再び元気になった。
けど、秋輔の様子も私もなんとなく気まずくてすれ違い始めたようで苗木も劇的な変化はない。
今日は遅くなるとの書き置きとエッグベネディクトを残して秋輔はいつもより早くに仕事に向かったらしく、一人で少し冷めたそれを食べた。
今日は洗濯でもしようかと洗濯機を回すと急にポツポツと雨が降りだした。ついてないなとため息をつきながら秋輔のことを思いながら洗濯機の騒音と雨音に座り込んで目を瞑った。
キスした時の秋輔の覚悟を決めたような表情が頭を離れなかった。すぐに申し訳なさそうになって謝り倒してきたけど、あの時の秋輔はほんとにカッコ良かった…なんていつの間にか眠っていて気がつくと騒音はとっくに止んでなんとなく肌寒い空気で目が覚めた。急いで時計を確認すると寝過ごしたようで針は15時を指していた。窓の外はどしゃ降りで、諦めて部屋干しにして、秋輔の帰りをだらだらと待っていることにした。
今日は遅くなるって言ってたから私が料理を作ろうかしら。冷蔵庫を開けて何か作ろうと思ってみたけど、何も思いつかなくて、結局味噌汁とご飯としょうが焼きの和食が出来上がった。和食ねぇ。この私が和食なんて。しかも自分で作るなんて。なんだか変な感じと思いながらもあとは温めるだけにしてお風呂先に入ってしまおうと鼻歌混じりに風呂を済ましてもまだ秋輔は帰っておらず、その日は20時頃まで待ってみたが空腹がどうしても我慢できなくて、一人で冷めたままの和食を食べた。
ワンルームの部屋に一式しかない布団…なんだか誘ってるみたいで悔しいからまだ敷かない。秋輔、ほんとに遅いな…。
「秋輔、あとどのくらいで帰ってくるの?」ポチポチとケータイでメールを打っては消してを繰り返してるうちにまた寝落ちたのか気がつくとケータイのニュース速報が震えてハッとした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる