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133 写真部の活動7&バレンタインデー
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2月3日
がらら。
橋本はにこやかに教室に入ってきた。
「ハッピバースデー、俺ー! ハッピバースデー、俺ー! ハッピバースデーディアー、俺ー! ハッピバースデー、俺ー! はいー、拍手ー!」
ぱちぱち
いちだけが拍手していた。
他の人は唖然として、顔を見合わせている。
「はいー、緊急動議ー! バレンタインデーが14日の土曜日にあるのだがー、そこで誰にもチョコを貰えない人たちの救済措置だー、16日にチョコのドキドキ交換会をしようー! もちろん俺も入るー」
「はっしー、誕プレもらえないからって強制的すぎるだろ、俺、チョコ嫌いなのだが」
純が聞こえるか聞こえないかの声で反論した。
「はいはい! 手作りじゃないとだめっすか?」と竹刀。
「市販の物でもいいがー、300円以上だぞー、いいかー、丸くなってー、音楽に合わせてー、チョコをチェンジしてくー」
「じゃあ、チ◯ルチョコ15個だな」
「もちろん食べられるチョコじゃなきゃ減点だー」
「あの、皆に配りたいんですけど」
「それはいけないなー! それがわかったら倉子は減点だー」
「「「はあああ!?」」」
「13日は家庭科室を解放しているー。それじゃー、これにて会議は終了だー。いつも通りー、ズボンとトランクスを前にー」
橋本は有無を言わせずに最終列の僕らを見て、ちょいちょいと指を曲げている。
僕らは足の拘束が解けると、すぐさま回収するのだった。
◇
放課後の部活動
「じゃーん、今日は執事ー!」
葉阿戸は執事の格好で僕らのいる視聴覚室に参る。
中性的な顔の執事だ。
「かっこいい、まず瞳が茶色っぽいところが茶髪に似合ってる。それに衣装も~~~~」
僕は声が枯れるほど、称賛した。
僕らは視聴覚準備室に移動し、撮影を開始した。
パシャパシャ。
「いえい!」
「あ、ギャルピはやめてください」
1年にいい咎められる。
「さあせん」
「中身が女の子過ぎて、もう!」
僕は興奮して写真を撮った。
そして部活が終わる頃、僕のケータイにメールが来た。
「誰から?」と葉阿戸は興味津々だ。
「皮被り王子からだ」
「ああ、王子ね。つか、君も人のこと言えないだろ」
葉阿戸は呆れた顔をする。
「一斉送信だ。合コンがあるらしいけど、僕ら付き合ってる人がいるからやめとこう」
僕はケータイをポケットに仕舞った。
外は寒く、うす暗い。振り返ると校内からの光でくらくらしてしまいそうだ。
◇
2月14日
僕と葉阿戸はトリュフとチョコクッキーを作った。
流石に失敗をすることはない。
15時のティータイムで作ったチョコを食べた。バレンタインのチョコのリベンジは成功した。
「やばい、明日姉さん帰って来るって! たい、もう帰りな」
「ええ? じゃあもう帰るね。じゃあ」
僕は葉阿戸の手に軽くキスをする。
「じゃ、明後日持ってこいよ」
「忘れるわけ無いだろ、またな」
葉阿戸に見送られた僕はリュックを背負い帰っていった。
◇
2月16日
何やら今日はチョコの匂いがする。
がらら。
「皆ー! ハッピーバレンタインー!」
橋本がハイテンションでやってきた。
「おはようー! 今日の6限のロングホームルームの時間にチョコ交換会を行うのでよろしく頼むー!」
「否が応でも、渡して、受け取るつもりだな」
純は独りごちる。
「今日もいつものメンバねー、後ろからズボンとトランクスを集めてこいー」
橋本はそれだけ言うと、鼻歌を歌いだす。”バレンタイン・キッス”だ。
♪
僕は衣類を渡して、さっさと自分の席に戻った。
そして、橋本は出ていった。
「モン君のか、いちのか、はーちゃんのがいいなぁ」
「大体、野郎が作ったチョコなんてどれも一緒だろ」
黄色と竹刀は喧嘩腰で話している。
◇
今日の6限目。
橋本の持ってきたラジカセから”チョコレイトディスコ”が流れる。
教室の後ろの方では人口密度が高い。こころなしか温かい。
♪
「あれー、おかしいなー」
橋本は葉阿戸の作ったチョコが回ってきた瞬間、ラジカセの電源を切った。
僕には竹刀の作ったチョコが導かれてやってきた。
「いちのチョコよこせ! 満!」
「は? 嫌だよ」
皆は回ってきたチョコをありがたそうに懐に入れている。。
竹刀は橋本の作ったチョコがあてがわれていた。チョコなのか焦げた物体なのかわからない。
「さー、喧嘩しないで食べようー! ……うげええーーー! 何やこれー! 塩っぱいー!」
橋本が1つのクッキーをぱくりと口に運んだ瞬間稲妻が走ったように、床を叩いた。
「え? 葉阿戸のは僕が監修したはずじゃ?」
「ごめん、あのあと小腹がすいて食べちゃった! 次の日、1人で作ったんだー」
「まさか、また塩と砂糖間違うなんて……」
僕は開いた口が塞がらない。
「水ぅーーー!」
わざと葉阿戸のチョコを手に入れるように仕組んだ橋本が教室から逃げていく。
「「「はっしー、ざまあ!」」」
竹刀以外の皆が美味しそうに食べる。
「これを食べなきゃ死ぬんだ、これを食べなきゃ死ぬんだ」
竹刀は暗示をかけながら食べている。
とてもじゃないが、美味しそうに見えなかった。
それから生徒会の仕事も大忙しだった。
僕は3学期末のテスト勉強を始めた。
しかし次のテストではモンが首位を独走していた。
僕は6位だった。相変わらずの成績に悔し涙を飲んだ。
モンに見下された顔をされたのが腹立たしかった。
茂丸には余裕で勝ったのだが。
がらら。
橋本はにこやかに教室に入ってきた。
「ハッピバースデー、俺ー! ハッピバースデー、俺ー! ハッピバースデーディアー、俺ー! ハッピバースデー、俺ー! はいー、拍手ー!」
ぱちぱち
いちだけが拍手していた。
他の人は唖然として、顔を見合わせている。
「はいー、緊急動議ー! バレンタインデーが14日の土曜日にあるのだがー、そこで誰にもチョコを貰えない人たちの救済措置だー、16日にチョコのドキドキ交換会をしようー! もちろん俺も入るー」
「はっしー、誕プレもらえないからって強制的すぎるだろ、俺、チョコ嫌いなのだが」
純が聞こえるか聞こえないかの声で反論した。
「はいはい! 手作りじゃないとだめっすか?」と竹刀。
「市販の物でもいいがー、300円以上だぞー、いいかー、丸くなってー、音楽に合わせてー、チョコをチェンジしてくー」
「じゃあ、チ◯ルチョコ15個だな」
「もちろん食べられるチョコじゃなきゃ減点だー」
「あの、皆に配りたいんですけど」
「それはいけないなー! それがわかったら倉子は減点だー」
「「「はあああ!?」」」
「13日は家庭科室を解放しているー。それじゃー、これにて会議は終了だー。いつも通りー、ズボンとトランクスを前にー」
橋本は有無を言わせずに最終列の僕らを見て、ちょいちょいと指を曲げている。
僕らは足の拘束が解けると、すぐさま回収するのだった。
◇
放課後の部活動
「じゃーん、今日は執事ー!」
葉阿戸は執事の格好で僕らのいる視聴覚室に参る。
中性的な顔の執事だ。
「かっこいい、まず瞳が茶色っぽいところが茶髪に似合ってる。それに衣装も~~~~」
僕は声が枯れるほど、称賛した。
僕らは視聴覚準備室に移動し、撮影を開始した。
パシャパシャ。
「いえい!」
「あ、ギャルピはやめてください」
1年にいい咎められる。
「さあせん」
「中身が女の子過ぎて、もう!」
僕は興奮して写真を撮った。
そして部活が終わる頃、僕のケータイにメールが来た。
「誰から?」と葉阿戸は興味津々だ。
「皮被り王子からだ」
「ああ、王子ね。つか、君も人のこと言えないだろ」
葉阿戸は呆れた顔をする。
「一斉送信だ。合コンがあるらしいけど、僕ら付き合ってる人がいるからやめとこう」
僕はケータイをポケットに仕舞った。
外は寒く、うす暗い。振り返ると校内からの光でくらくらしてしまいそうだ。
◇
2月14日
僕と葉阿戸はトリュフとチョコクッキーを作った。
流石に失敗をすることはない。
15時のティータイムで作ったチョコを食べた。バレンタインのチョコのリベンジは成功した。
「やばい、明日姉さん帰って来るって! たい、もう帰りな」
「ええ? じゃあもう帰るね。じゃあ」
僕は葉阿戸の手に軽くキスをする。
「じゃ、明後日持ってこいよ」
「忘れるわけ無いだろ、またな」
葉阿戸に見送られた僕はリュックを背負い帰っていった。
◇
2月16日
何やら今日はチョコの匂いがする。
がらら。
「皆ー! ハッピーバレンタインー!」
橋本がハイテンションでやってきた。
「おはようー! 今日の6限のロングホームルームの時間にチョコ交換会を行うのでよろしく頼むー!」
「否が応でも、渡して、受け取るつもりだな」
純は独りごちる。
「今日もいつものメンバねー、後ろからズボンとトランクスを集めてこいー」
橋本はそれだけ言うと、鼻歌を歌いだす。”バレンタイン・キッス”だ。
♪
僕は衣類を渡して、さっさと自分の席に戻った。
そして、橋本は出ていった。
「モン君のか、いちのか、はーちゃんのがいいなぁ」
「大体、野郎が作ったチョコなんてどれも一緒だろ」
黄色と竹刀は喧嘩腰で話している。
◇
今日の6限目。
橋本の持ってきたラジカセから”チョコレイトディスコ”が流れる。
教室の後ろの方では人口密度が高い。こころなしか温かい。
♪
「あれー、おかしいなー」
橋本は葉阿戸の作ったチョコが回ってきた瞬間、ラジカセの電源を切った。
僕には竹刀の作ったチョコが導かれてやってきた。
「いちのチョコよこせ! 満!」
「は? 嫌だよ」
皆は回ってきたチョコをありがたそうに懐に入れている。。
竹刀は橋本の作ったチョコがあてがわれていた。チョコなのか焦げた物体なのかわからない。
「さー、喧嘩しないで食べようー! ……うげええーーー! 何やこれー! 塩っぱいー!」
橋本が1つのクッキーをぱくりと口に運んだ瞬間稲妻が走ったように、床を叩いた。
「え? 葉阿戸のは僕が監修したはずじゃ?」
「ごめん、あのあと小腹がすいて食べちゃった! 次の日、1人で作ったんだー」
「まさか、また塩と砂糖間違うなんて……」
僕は開いた口が塞がらない。
「水ぅーーー!」
わざと葉阿戸のチョコを手に入れるように仕組んだ橋本が教室から逃げていく。
「「「はっしー、ざまあ!」」」
竹刀以外の皆が美味しそうに食べる。
「これを食べなきゃ死ぬんだ、これを食べなきゃ死ぬんだ」
竹刀は暗示をかけながら食べている。
とてもじゃないが、美味しそうに見えなかった。
それから生徒会の仕事も大忙しだった。
僕は3学期末のテスト勉強を始めた。
しかし次のテストではモンが首位を独走していた。
僕は6位だった。相変わらずの成績に悔し涙を飲んだ。
モンに見下された顔をされたのが腹立たしかった。
茂丸には余裕で勝ったのだが。
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