もしも学校の椅子がトイレの椅子だったら

五月萌

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5 合コンに向かう男達+α

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次の日の放課後。

「日余さーん。お迎えに上がりました」

王子、茂丸、それから僕は葉阿戸を迎えに隣のクラスに行った。

「俺、あんまり学ラン似合ってないと思うんだけど、いいかい?」

葉阿戸は服に着られているかのような学ラン姿だった。
王子は舐め回すような目線を向けている。

「葉阿戸、大丈夫だ。ある意味似合ってる」
「行こうか」

こうして、合コンが始まろうとしていた。

4人が自転車こいで、近くのカラオケ屋に到着した。

「もう先に入ってるって23号室」
「なんかドキドキしてきた、茂丸先に行って」
「なんでだよ、お前が行け」
「コントしてる場合じゃねえだろ、いいよ、俺が先に行くから」
「いいや、俺が行く」
「いや俺が行く」
「いや僕が行く」
「どうぞどうぞどうぞ」
「さっさと入れよ」

王子はあしらいながら部屋に入った。

「どうも、合コンの方ですよね。俺は些加王子です」
「こんばんは! はじめまして、芋に山と書いて、芋山いもやまみれえです。いもさんって呼んでください」

いもさんは頭を下げる。愛着のある可愛い顔だ。服装はスカートをはいて、かわいい系でまとめている。

「私は羽和若菜はわわかなと申します。はわたんです」

はわたんはバランスの整っていて綺麗系の顔だ。アイドルにいそうな顔をしている。服装も落ち着いている。

「はじめまして。あたし、鮴末知世ごりまつちよ。ごりさんでよろしくお願いします」

ごりさんは眉上の前髪にショートボブで服装もお笑い芸人のような風貌だ。
3人共、痩せている。

「あれ? 3人だけ?」
「実はもう一人の子が今日体調不良で来られなくなっちゃってすみません。え? なんで女子連れてきてるんですか?」
「ああ、彼は」
「いいねぇ、カラオケ。俺渋い曲しか歌わねえが、それでもいいかい?」
「男なんだ。実は」
「…………え? もしかしてハートピヨピヨさん? 私、めちゃくちゃsns、見てます。可愛いですよね、なんで神様ってこうも不公平なんだって思いますよ!」

女子たちの絶句からの、持ち上げに戸惑う王子と茂丸と僕。

「その通り、俺はハートピヨピヨ、こと、日余葉阿戸だ。よろしくな。挨拶代わりにシェリー歌うぞ」
「葉阿戸、待て待て、まだ自己紹介終わってないから。僕は蟻音たい。こいつは」
「はじめまして! 園恋茂丸って言います! その恋守ってみせます! よろしくお願いします」
「ははは」

ごりさんだけが笑っている。笑いのツボが浅いらしい。

「席変えしましょうか?」
「そうしますか」

僕は葉阿戸といもさんに挟まれるように座った。胸がドキドキして苦しい。
「えっと、王子以外は写真部なんです」
「今日からな」
「へー、写真好きなんですか」
「写真撮りましょう!」
「いいねぇ、俺自撮り棒持ってるよ」
「さすがピヨピヨ」
かしゃしゃしゃしゃ
「何回連続撮りしてんだよ」
「そんなの基本だろ」

葉阿戸が笑うと皆も笑った。

皆が好き勝手に歌うので、僕も居心地よくなってきた。B'zの有名な歌を歌った。
back numberを葉阿戸が歌い、女子の注目をかっさらっていった。
その間、王子は女子の肩に手を回したり、誰かの歌に被せて歌ったり、皆が嫌がることばかりして嫌われていた。
2時間、あっという間に過ぎていった。

「そろそろあたし門限だ」
「俺も帰らないと」
「ピヨピヨさん、連絡先教えて下さい」
「あ、あたしも知りたい!」
「私も」

葉阿戸に群がる女子達を遠巻きに見る一般男子。

「今度、3人で焼き肉行こうぜ」
「うん……、あいつは誘わねえ……グスン」
「泣いてるのか。茂丸」
「泣いてねえよ……グスン」

男子の視線に気付いた葉阿戸はお開きにしようとブランドの長財布を黒いリュックから出した。そして部屋から出た。

「今日は俺のおごりで良いよ」
「ありがとー」
「僕も半分出すよ」
「え? ありがとう。たい」
「どういたしまして」

僕も会計に加わると、茂丸と王子がちらちらこちらを見ながら何かを話していた。カラオケ屋で皆と別れて、家に帰ると写真が送られてきた。写真は加工してある。葉阿戸のあまりの可愛さにお茶を吹き出した。
(1人だけベクトルの違うアイドル紛れてるのだが……!)
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