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5 追跡
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佐藤王の場合
7月25日(最初の日の夜)現在の時刻は夜の11時。
国王は顎に手を付けて、ウロウロしている。
「じい、今日の成果はどうなった?」
ついに国王はニヤニヤしながら呟いた。
「はい、今日の成果は、氷鬼ごっこで約六百万人のコールドスリーパーが生まれました」
「そうかそうか、よくやった。だがまだまだ人は多い。もっとサクサク減らせていこう」
満足した国王は頭の中で計算をしている。残りは約二億九千四百万人。
「ありがたいお言葉しかと受け止めます」
「うむ。明日は何番を引き当てるか楽しみでならない。いやそれにしても、もっと数を減らさなくてわな」
「申し訳ありません、失態をしてしまいました。鬼同士また子に鬼を殺される事案も発生しております。百万人程です」
「なるほどな、うむ、仕方のないことだ」
国王は赤ワインを好んで飲んでいる。残り約二億九千三百万人。
国王はできることなら二億人までに減らしておきたかった。しかしまだ氷鬼ごっこは始まったばかりだ。後6日もある。このペースなら確実とは言えないが大幅に減らせる。最も、念には念を入れる。
「鬼達に子が隠れているおおよその位置を伝えよ」
「はい?」
「人がまだ多すぎる、もっともっと鬼達に子を沢山捕まえよと町に広報を送れ10人捕まえたら、褒美を与えることもな。更に兵士たちは鬼に子の居場所をトランシーバーで送りうることもするのだ」
「はい!」
じいは兵士を呼び集めて国王の言ったことを説明し始めていた。
窓の外を見る。外は南風が吹き荒れているようだ。変な天気だ。明日の天気も正午の前に雨が降るらしい。
麻林ミスの場合。
「昨日、ペケが捕まった」という言葉が頭によく入ってこずに聞き返してしまった。ともかく、兄から姪っ子が捕まったことを知った。
なんということだ。可愛い姪っ子が……。
アホ王に政権を渡してはならないと活動しているミスは猛烈に歯がゆくてならなかった。
ミスはひとり暮らしをしているため、その日、鬼には選ばれなかった。
確か、コールドスリープに入れられるので、助けることもできたはず。
ミスはコールドスリープとは何なのかをインターネットで調べた。
冬眠させる技術が進歩しているため、最低限の栄養素の配給と筋肉の衰えを防ぐマッサージが行われるカプセル状のものらしい。
センターまで行ってこよう。
ミスは思い立つと行動は早かった。動きやすいようにジャージに着替えて、ポケットに小銭、ケータイ、鍵などを入れた。そして、家から出た、今の時間は朝の9時。仕事は氷鬼ごっこの例により休みとされている。
センターは歩いて20分の距離にあった。
ちなみにミスは30歳、恋人はいない。ただ好きな人はいる。1つ年上の営業部の杉浦里津というやり手の先輩だ。
ミスは里津が31歳、ということを思い出した。そして全身の毛が逆だつ思いをした。
里津は子になって逃げるのではないか?
ミスにはどうにもできなかった。
逃げ切ることを祈ろう。
あれこれ悩んでも仕方ないと、センターに見学をしに行くことを決めた。
アパートの鍵を後ろ手で閉める。
「あらこんにちはー、麻林さん、31だったっけ? 追いかけられるの大丈夫ぅ?」
隣の部屋から、赤毛でおばさんパーマのかかった高齢のおばさんが出てきた。
「こんにちは西川さん、今年で31になります。まだ三十路ですけど」
ミスは隣に住む西川香織に挨拶をした。
「チッ」
「ち?」
ミスは聞き返す。舌打ちをされた気がする。
「いえいえ何でもないわよ、それよりお昼は交通機関が止まって大変よねー」
「ああ、そうですね、すみません、急いでるので」
「まあまあ、そんなに急いでどこ行くの?」
「少し偵察に。それでは」
「じゃあ、気をつけるのよ。……今頃走ってももう遅いのにねえ……」
香織の嫌味が聞こえたが、ミスは無視をした。
香織は50歳だった気がする。確か旦那さんと協議離婚の最中だと同じアパートの人の噂で聞いた。
走りに行く格好だと思われていたのか? どうでもいいが。
少し歩くと神社があった。鳥居の下にいる猫を撫でる。黒色と白と茶色の混ざった毛色だ。❝あずき❞と名前をつけている。撫でられて気持ちがいいのか、お腹を見せている。メスの猫だ。
「じゃあね」
ミスは手についた毛をはらうと立ち上がり、道を直進した。
左に曲がってすぐに、タワーマンションのように高いコールドスリープセンターがあった。それと同時に驚くべき光景を目にした。
鬼の格好をしている人が8人が出待ちするかのように寝袋を片付けている。その内3人は鬼の被り物をとっている。うちわで仰いでいる。どうやら熱中症対策をしているのだとふんだ。
「あんた、子、じゃないよね?」
その中の被り物をとっているギャルに話しかけられた。
「え、と」
「姫乃ちゃん、その人は違うよ。えっと、麻林ミスさんか! 30か、良かったね。31だったらボコボコにしてたところだよ」
おじさんの声をした、でかい腹の男が声を張り上げた。ゴーグルで名前を見たようだ。
「あの、ここで何を?」
ミスの声に応じるものはいない。
「どうなんですか?、えっと、姫乃さん」
「どうもこうもねーよ! うちら、子を待ち伏せしてんだ。百%ここに来るからね」
姫乃は呆れた調子で口を開いた。
まるでわからないのが馬鹿だというように。
「部外者はこの場にいないでください」
妊婦の女性がミスをたしなめる。
服は鬼のコスプレだ。迷彩柄の服にビニール傘を反対に被ったような黒いケープを着ている。と赤いベルトにホルスターをつってある。拳銃を持っているようだ。
「すみません。通りかかっただけなので。では」
ミスは頭を下げて、通り過ぎる。
ここにペケがいると、確証ではないが、そんな勘が働いた。
その後、麻林家に急ぎ足で向かった。
斎藤海桜の場合2
「お願いします、お願いします」
「友利さん、やめてくださいよ」
「それなら、この子を抱っこして鬼から逃げてくださるのですね?」
「私じゃあ、捕まってしまいますって」
どうやら海桜と島野友利という女性は非常事態の様子だ。今回は1歳ということでやっとはいはいできるようになった島野多瑛梨が子となって鬼から逃げなくてはならない。家族は皆鬼になってしまうため、海桜に頼んできたという経緯だ。祖父母は同居しているため、頼める人がママ友の海桜しかいなかった。それでたくさんのママ友から断られて海桜に白羽の矢がたてられた。
友利は土下座をして、2時間近く玄関で縮こまっている。横では玄関の扉に横になって眠っている多瑛梨。
「わかりました、捕まっても文句言わないでくださいよ」
海桜は根負けして頼みを聞き入れることにした。
「ありがとうございます」
「でも夫に夢の面倒を見てもらわなくてはならないわ」
「あ、それなら、私がかわりに夢ちゃんの面倒を見ます。この1時間の間多瑛梨を宜しくお願いします」
「夫はどうせ缶酎ハイ片手に公園行って飲んだくれてるわ」
海桜は抱っこ紐をクローゼットからとった。
「お腹空かせてたらミルク作ります。おむつはどこですか?」
友利は期待にあふれる様子で明るくなった。
「ミルクはここ、紙おむつはこっち、後は触らないでね」
「はい、わかりました」
「あと、10分、もう外に行ってるわ」
海桜は多瑛梨を抱っこ紐で抱っこする。
「絶対に捕まらないでくださいね」
「鬼のコスプレはしなくてもいいの?」
「ああ、あれね、付いていたメモには、『時間が過ぎたら家の前においておいてください。勝手に盗ったり置かなかった場合は処罰の対象になる』と。後は拳銃の使い方です。でも、それだけで、必ず着用してくださいとは書かれていませんでした」
「わかった、お互い頑張ろう」
外に出た海桜はどこに逃げようか考えていた。
ここからできるだけ遠くに逃げよう。
鬼のコスプレしないのなら子に触っても平気なのではないのかと思った。いや、多分禁止事項で電撃を浴びてしまうに違いないと考え直した。
『子の皆さん、氷鬼ごっこの時間がやってまいりました。本日2日目、鬼に追いかけられて逃げるものは出るのでしょうか。張り切っていきましょう! さてさて、開幕まで5分ほどお待ち下さい』
海桜は大通りに足が向いていた。
『氷鬼開始10秒前、9、8』
海桜はなるべく人がいる場所に向かった。
『3,2、1。開始!』
ウィーン!
けたたましいサイレンが鳴った。それと同時に小雨が降ってきた。
海桜は大通りに出たが、50メートル程遠くに鬼が存在していた。
こちらを見ているが警戒音はならない。
海桜は気取られないようにまっすぐ道を渡り、反対にひたすら歩いた。
そうか、この氷鬼の必勝法は、顔と肩のチップを見せなければいいのだ。
その時、多瑛梨が泣き出す。
その刹那、生きた心地がしなかった。
皆がこちらを見ている。
後ろで鬼の警戒音がなった。
海桜は横目で後ろを確認。鬼はこちらを向いている。見つかってしまった。しかし、この人混みの中人々を掻き出して来るのに時間はかかるだろう。
逃げて逃げて、逃げまくった。
「絶対に守ってみせるわ」
海桜は使命感で心の平常心を保っていた。
いつの間にかT字路に来ていた。
疲れた。真夏を走っているので汗が吹き出してくる。
何がリアル氷鬼ごっこだ。この戦いが全て終わったら、デモに参加するか? いや、国民を国民と思っていない国王は射殺命令を出すに違いない。国王にどうやって罪を償わせようか?
7月25日(最初の日の夜)現在の時刻は夜の11時。
国王は顎に手を付けて、ウロウロしている。
「じい、今日の成果はどうなった?」
ついに国王はニヤニヤしながら呟いた。
「はい、今日の成果は、氷鬼ごっこで約六百万人のコールドスリーパーが生まれました」
「そうかそうか、よくやった。だがまだまだ人は多い。もっとサクサク減らせていこう」
満足した国王は頭の中で計算をしている。残りは約二億九千四百万人。
「ありがたいお言葉しかと受け止めます」
「うむ。明日は何番を引き当てるか楽しみでならない。いやそれにしても、もっと数を減らさなくてわな」
「申し訳ありません、失態をしてしまいました。鬼同士また子に鬼を殺される事案も発生しております。百万人程です」
「なるほどな、うむ、仕方のないことだ」
国王は赤ワインを好んで飲んでいる。残り約二億九千三百万人。
国王はできることなら二億人までに減らしておきたかった。しかしまだ氷鬼ごっこは始まったばかりだ。後6日もある。このペースなら確実とは言えないが大幅に減らせる。最も、念には念を入れる。
「鬼達に子が隠れているおおよその位置を伝えよ」
「はい?」
「人がまだ多すぎる、もっともっと鬼達に子を沢山捕まえよと町に広報を送れ10人捕まえたら、褒美を与えることもな。更に兵士たちは鬼に子の居場所をトランシーバーで送りうることもするのだ」
「はい!」
じいは兵士を呼び集めて国王の言ったことを説明し始めていた。
窓の外を見る。外は南風が吹き荒れているようだ。変な天気だ。明日の天気も正午の前に雨が降るらしい。
麻林ミスの場合。
「昨日、ペケが捕まった」という言葉が頭によく入ってこずに聞き返してしまった。ともかく、兄から姪っ子が捕まったことを知った。
なんということだ。可愛い姪っ子が……。
アホ王に政権を渡してはならないと活動しているミスは猛烈に歯がゆくてならなかった。
ミスはひとり暮らしをしているため、その日、鬼には選ばれなかった。
確か、コールドスリープに入れられるので、助けることもできたはず。
ミスはコールドスリープとは何なのかをインターネットで調べた。
冬眠させる技術が進歩しているため、最低限の栄養素の配給と筋肉の衰えを防ぐマッサージが行われるカプセル状のものらしい。
センターまで行ってこよう。
ミスは思い立つと行動は早かった。動きやすいようにジャージに着替えて、ポケットに小銭、ケータイ、鍵などを入れた。そして、家から出た、今の時間は朝の9時。仕事は氷鬼ごっこの例により休みとされている。
センターは歩いて20分の距離にあった。
ちなみにミスは30歳、恋人はいない。ただ好きな人はいる。1つ年上の営業部の杉浦里津というやり手の先輩だ。
ミスは里津が31歳、ということを思い出した。そして全身の毛が逆だつ思いをした。
里津は子になって逃げるのではないか?
ミスにはどうにもできなかった。
逃げ切ることを祈ろう。
あれこれ悩んでも仕方ないと、センターに見学をしに行くことを決めた。
アパートの鍵を後ろ手で閉める。
「あらこんにちはー、麻林さん、31だったっけ? 追いかけられるの大丈夫ぅ?」
隣の部屋から、赤毛でおばさんパーマのかかった高齢のおばさんが出てきた。
「こんにちは西川さん、今年で31になります。まだ三十路ですけど」
ミスは隣に住む西川香織に挨拶をした。
「チッ」
「ち?」
ミスは聞き返す。舌打ちをされた気がする。
「いえいえ何でもないわよ、それよりお昼は交通機関が止まって大変よねー」
「ああ、そうですね、すみません、急いでるので」
「まあまあ、そんなに急いでどこ行くの?」
「少し偵察に。それでは」
「じゃあ、気をつけるのよ。……今頃走ってももう遅いのにねえ……」
香織の嫌味が聞こえたが、ミスは無視をした。
香織は50歳だった気がする。確か旦那さんと協議離婚の最中だと同じアパートの人の噂で聞いた。
走りに行く格好だと思われていたのか? どうでもいいが。
少し歩くと神社があった。鳥居の下にいる猫を撫でる。黒色と白と茶色の混ざった毛色だ。❝あずき❞と名前をつけている。撫でられて気持ちがいいのか、お腹を見せている。メスの猫だ。
「じゃあね」
ミスは手についた毛をはらうと立ち上がり、道を直進した。
左に曲がってすぐに、タワーマンションのように高いコールドスリープセンターがあった。それと同時に驚くべき光景を目にした。
鬼の格好をしている人が8人が出待ちするかのように寝袋を片付けている。その内3人は鬼の被り物をとっている。うちわで仰いでいる。どうやら熱中症対策をしているのだとふんだ。
「あんた、子、じゃないよね?」
その中の被り物をとっているギャルに話しかけられた。
「え、と」
「姫乃ちゃん、その人は違うよ。えっと、麻林ミスさんか! 30か、良かったね。31だったらボコボコにしてたところだよ」
おじさんの声をした、でかい腹の男が声を張り上げた。ゴーグルで名前を見たようだ。
「あの、ここで何を?」
ミスの声に応じるものはいない。
「どうなんですか?、えっと、姫乃さん」
「どうもこうもねーよ! うちら、子を待ち伏せしてんだ。百%ここに来るからね」
姫乃は呆れた調子で口を開いた。
まるでわからないのが馬鹿だというように。
「部外者はこの場にいないでください」
妊婦の女性がミスをたしなめる。
服は鬼のコスプレだ。迷彩柄の服にビニール傘を反対に被ったような黒いケープを着ている。と赤いベルトにホルスターをつってある。拳銃を持っているようだ。
「すみません。通りかかっただけなので。では」
ミスは頭を下げて、通り過ぎる。
ここにペケがいると、確証ではないが、そんな勘が働いた。
その後、麻林家に急ぎ足で向かった。
斎藤海桜の場合2
「お願いします、お願いします」
「友利さん、やめてくださいよ」
「それなら、この子を抱っこして鬼から逃げてくださるのですね?」
「私じゃあ、捕まってしまいますって」
どうやら海桜と島野友利という女性は非常事態の様子だ。今回は1歳ということでやっとはいはいできるようになった島野多瑛梨が子となって鬼から逃げなくてはならない。家族は皆鬼になってしまうため、海桜に頼んできたという経緯だ。祖父母は同居しているため、頼める人がママ友の海桜しかいなかった。それでたくさんのママ友から断られて海桜に白羽の矢がたてられた。
友利は土下座をして、2時間近く玄関で縮こまっている。横では玄関の扉に横になって眠っている多瑛梨。
「わかりました、捕まっても文句言わないでくださいよ」
海桜は根負けして頼みを聞き入れることにした。
「ありがとうございます」
「でも夫に夢の面倒を見てもらわなくてはならないわ」
「あ、それなら、私がかわりに夢ちゃんの面倒を見ます。この1時間の間多瑛梨を宜しくお願いします」
「夫はどうせ缶酎ハイ片手に公園行って飲んだくれてるわ」
海桜は抱っこ紐をクローゼットからとった。
「お腹空かせてたらミルク作ります。おむつはどこですか?」
友利は期待にあふれる様子で明るくなった。
「ミルクはここ、紙おむつはこっち、後は触らないでね」
「はい、わかりました」
「あと、10分、もう外に行ってるわ」
海桜は多瑛梨を抱っこ紐で抱っこする。
「絶対に捕まらないでくださいね」
「鬼のコスプレはしなくてもいいの?」
「ああ、あれね、付いていたメモには、『時間が過ぎたら家の前においておいてください。勝手に盗ったり置かなかった場合は処罰の対象になる』と。後は拳銃の使い方です。でも、それだけで、必ず着用してくださいとは書かれていませんでした」
「わかった、お互い頑張ろう」
外に出た海桜はどこに逃げようか考えていた。
ここからできるだけ遠くに逃げよう。
鬼のコスプレしないのなら子に触っても平気なのではないのかと思った。いや、多分禁止事項で電撃を浴びてしまうに違いないと考え直した。
『子の皆さん、氷鬼ごっこの時間がやってまいりました。本日2日目、鬼に追いかけられて逃げるものは出るのでしょうか。張り切っていきましょう! さてさて、開幕まで5分ほどお待ち下さい』
海桜は大通りに足が向いていた。
『氷鬼開始10秒前、9、8』
海桜はなるべく人がいる場所に向かった。
『3,2、1。開始!』
ウィーン!
けたたましいサイレンが鳴った。それと同時に小雨が降ってきた。
海桜は大通りに出たが、50メートル程遠くに鬼が存在していた。
こちらを見ているが警戒音はならない。
海桜は気取られないようにまっすぐ道を渡り、反対にひたすら歩いた。
そうか、この氷鬼の必勝法は、顔と肩のチップを見せなければいいのだ。
その時、多瑛梨が泣き出す。
その刹那、生きた心地がしなかった。
皆がこちらを見ている。
後ろで鬼の警戒音がなった。
海桜は横目で後ろを確認。鬼はこちらを向いている。見つかってしまった。しかし、この人混みの中人々を掻き出して来るのに時間はかかるだろう。
逃げて逃げて、逃げまくった。
「絶対に守ってみせるわ」
海桜は使命感で心の平常心を保っていた。
いつの間にかT字路に来ていた。
疲れた。真夏を走っているので汗が吹き出してくる。
何がリアル氷鬼ごっこだ。この戦いが全て終わったら、デモに参加するか? いや、国民を国民と思っていない国王は射殺命令を出すに違いない。国王にどうやって罪を償わせようか?
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