美少女亜神〜最強の神技「時空間操作」が使えるけど防御力がゼロなので出来るだけ死なないように頑張ります

ひきこもりA

文字の大きさ
48 / 72
第3部 マルチナ皇女編

048 火竜アエロステオン

しおりを挟む

【57日目 ジェダイト公都南方95キロ マリアーニ城塞領館 午後   】



 マリアーニ城塞ではまだやることがある。

 まず、亜神(火竜)アエロステオンの信者たちから魔術を取り上げておかないといけない。


『強化カラスたち! 領館の中、城砦の中の建物、領都の中にいる亜神(火竜)アエロステオンの信者をすべてこの領館の前に集めてきて!』


 強化カラスたちは四方八方に飛んでいった。2羽~3羽で協力すれば筋力を強化して人一人くらいは運べるだろう。


 「両手両脚を弾き飛ばして達磨にしたマリアーニ伯爵の記憶をサルベージしてみよう」


ー記憶サルベージ!










「ふう。亜神(火竜)アエロステオンの信者って、このイースリア大陸をはじめとして中央のセントリア大陸、西のウエストリア大陸、南西のサウリア大陸にもいるんだって。ここイースリア大陸では各国に数グループずつはいる。グループの名前や所在地などの情報はお互いに知らされていないので分からない。参ったね。そんなことになっているとは。なんでそんなにたくさんの信者を作ったのかはこの伯爵も知らないみたい」

「このジェダイトにも複数のグループが居るということですか」

「そうみたい。あと、闇竜はタタウイネアって名前らしい。こいつの信者も世界中に散らばっているってさ。どうしたものか」

「アリス様、さっきは中央大陸に行って亜神(火竜)アエロステオンを討伐するとおっしゃっていましたがどうされますか?」

「うん。世界中に火竜と闇竜の信者がいるならいつ奇襲攻撃されるか分からないからこんな危険な奴は討伐してしまいたいのは山々なんだけど。火竜と闇竜の不意を突いて奇襲できれば安全に討伐できると思うけどこっちの行動が竜達に漏れていて奇襲的先制攻撃ができないなら逆に危険かもしれない。中央大陸は敵のホームグラウンドだから。その辺を考慮しないと。危ない橋は渡りたくないから」

「そうですね。まずはマルチナお嬢様をアレキサンドライト帝都に帰還していただいて、安全を確保するのが良いかと」

「そうだよね。この伯爵なんだけど今日の襲撃の結果を報告する予定だったらしい。それで、この伯爵の神託を使って私が伯爵に成りすまして亜神(火竜)アエロステオンと会話することが出来そうなんだよね。
伯爵から報告がないと怪しまれるはずだしこの伯爵を放置しておけば異常があったとバレてしまうならいっそのこと火竜と直接話をしてみようかな」

「そんなことが出来るんですか。危険じゃないんでしょうか」

「危険性は無いと思うけど、直接話す内容をどうしようかな?」





 火竜と直接話す場合のことを色々考えているうちに30分くらい経ったので火竜の信者がどの程度集まったのか確かめてみることにする。


「30分ぐらいたったから領館の前に出て状況を確認してみようか。伯爵の記憶サルベージによると、伯爵配下の火竜の信者は24名。襲撃現場の3人は既に魔術を白紙化しておいたので残りは21名。この城塞に入って1名、領館に入って1名を白紙化したのであと19名残っているはず」

「いち、に、さん、  ー ー  15、16名ですね。あと3名です」

「うん。一応ステータス確認しよう。ステータスの変な奴はいないね。全員火竜の信者だ。まとめて。  ー魔術 白紙化!」


『強化カラスたち! 引き続き領都、更に領都外延部に検索を広げて! それから城塞内の人には改めて睡眠をかけてちょうだい』









 夜の9時まで待ったが火竜の信者があと2名足りない。


「グレタさん、巫女エミリーさんが心配だから連れてきてくれないかな。フィリッポチームも一緒に。悪いけど。私はここで待機していて火竜の信者の魔術を白紙化しなきゃならないから」

「分かりました。一時間もかからず行って帰ってこれるでしょう。行ってきます」









 夜の10時になっても残りのの2名は見つからない。この2人がいつ火竜アエロステオンに神託を使って異常を報告するか分からない。そうなったら伯爵に成りすます手が使えなくなる。だったら使えなくなるその前にこっちで使ってしまうか。


「亜神(火竜)アエロステオンと話をしてみよう」



……神託……

……亜神(火竜)アエロステオン様 マリアーニ伯爵です



……アエロステオンである どうした

……皇女マルチナを捕らえて尋問した結果です

……述べよ

……マルチナ皇女は皇女姉のことを知らないとのことです

……拷問したのか?

……はい 両手足をすべて切り捨てましたが知らないと

……そうか ではもうよい 皇女は処分せよ



……アエロステオン様 皇女姉を調べていかがなされるのですか

……お前には関係ない 詮索するな

……関係はある 私は皇女姉について知っている

……何を知っているか 

……どこから来たのか これから何をしようとしているのか その他にも色々と知っている

……では 話せ



……皇女姉を調べていかがなされるのですか 交換です

……信者は我の望みをかなえる者たちだ 信者から除名して追討部隊を差し向けるぞ

……そんなものは怖くない 信者から除名するなら 逆に皇女姉に味方してやる アエロステオン様の棲み処を皇女姉に教えてやろう



……なにが知りたい

……皇女姉をどうするつもりだ

……闇竜タタウイネア様の指示だから我は知らない

……火竜アエロステオン様と闇竜タタウイネア様はいつ何処から来たのか?

……7000年前に こことは別の世界から来た

……なぜ来たのか



……皇女姉のことを話せ

……こことは違う世界アースから来た

……それはアンバー高原の石碑に書いてある 違う情報を

……アースに帰るのが目的だ 火竜アエロステオン様と闇竜タタウイネア様はこの世界になぜ来たのか



……竜神セイタード様に命ぜられて 第1使徒闇竜タタウイネア様と 第2使徒の我が露払いでやってきたのだ 皇女姉は何の神なのか

……皇女姉は時空神であるとのことだ 竜神セイタードは生きているのか 

……時空神か 我では勝てないかもしれぬな 竜神セイタード様は生きてはいないだろう ゲートは生きているのにこっちにこられないからな 皇女姉は我々と敵対するか

……敵対はするつもりはないがマルチナ皇女を拉致したことは許せない そちらこそ敵対的で攻撃的ではないか お互いに不干渉で約束できるならしても良い

……我としてはそれでいいが 闇竜タタウイネア様は同意なされないだろう マルチナ皇女を拉致させたことは謝罪する 



……お前たち なぜもとの世界に戻らない

……ゲートの向こうを多分岩石で塞がれた 我々では戻れない 竜神セイタード様からのゲートを死守せよとの命令が有効である ゲートの守りを離れることはできない



……お前たちは皇女姉とあくまでも敵対するのか

……闇竜タタウイネア様は、竜神セイタード様から、この世界の神は発見次第1年以内に殺害するよう申し付けられている

……お前は申し付けられていないのか

……我は申し付けられていない ゆえに関係ない だが闇竜タタウイネア様を止めることもできない 闇竜タタウイネア様から頼まれれば聞くことにしている

……なぜ1年以内に殺害するのか

……1年たったら強くなるからだと言われている 強くなる前に殺害するのだ 



……皇女姉は強いぞ この話を聞いたら お前らを殺しに行くかもしれないな

……時空神なら強いだろう ただし弱いということも知っているぞ 我ら真竜とは違って依り代が人類なら特に

……お前たちには分からないだろう 時空神の強さを

……知っているとも 竜神セイタード様は時空神であったのだからな 強靭な真竜の依り代を持っていても恐らく現地土着神の奇襲で滅びた 脆弱な人類の依り代ならさぞかし容易に滅びることだろう



……不干渉を約束できないのか

……我は約束しても良いが闇竜タタウイネア様は約束しないだろう おまえは皇女姉だな 我らを殺したいなら中央大陸に来るがよかろう 

……神託終了




 はあ。疲れてしまった。情報が多すぎる。とりあえず、マルチナさんの手を握ってみる。あー落ち着くわあ。マルチナさんったら神託している間ずーっと私の左袖の端を右手でチョンと摘まんでてくれてめちゃくちゃ可愛いんですけど!









 火竜アエロステオンと神託通話をしている間にグレタさんが巫女エミリーさんとフィリッポ曹長のチームを連れてきてくれた。グレタさんは使節団の代表にマルチナ皇女はマリアーニ領館で監禁されているところを発見救出したことを伝達してくれていた。ありがとうグレタさん。


 8人分の夕食としてピザを5枚出して食べる。


 寝床は、まずフィリッポホームを出してやってフィリッポ曹長チームに使ってもらう。あとは好きに寛いでもらいましょう。

 サーラホームには悪いけどエミリーさん一人で。中で繋がってるから寂しくはないよね。

 マイホームの2階層に私、グレタさん、マルチナさんの3人で寝る。いやこんな日が来るとは。マイホームの内径は6.9mまで拡張できてたんだよね。ベッドも4つ設置できます。

 今日はもう遅いのでお休み。



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

異世界に落ちたら若返りました。

アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。 夫との2人暮らし。 何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。 そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー 気がついたら知らない場所!? しかもなんかやたらと若返ってない!? なんで!? そんなおばあちゃんのお話です。 更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

処理中です...