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9話
約束の二週間が過ぎた。
卑猥で淫猥な時間は、終わってみればあっという間だった。
初めは配信されることに抵抗感があったのに、途中からはわざとカメラの前で激しいプレイをしてみせたくらいだ。
正直、誰かに鑑賞されるための生活だったことを、迪は半ば擦れて享楽に耽っていたと言ってもいい。これが普通の生活だったと勘違いするほど、今までの日常を思い出せなくなっていた。
ジェリーとの体の相性もばっちりで、気がつけばジェリーを所有物のように感じていたほどにこの生活が楽しかった。
だが惜しみつつも終わりはやってくる。
最後の日にやってきたのは、あの剣呑な雰囲気を持つダブルスーツの男だ。
端正だがいかにも強面の男は、約束通り借金を棒引きにして借用書を迪の目の前で破り捨ててくれた。これで自由になったわけだ。
「なかなか評判がよく、こちらとしても助かりましたよ。お疲れさんでした。……あとはまぁ、“普通”の生活に戻ることを勧めますよ」
男のその言葉を待っていたはずなのに、今となっては言葉が空虚に感じる。
すっかりと肉体がこの生活に慣れたというのに、今さら日常と言われても……そもそも自分無しでジェリーはどうするつもりなのか。
「……ジェリーはそれでいいのか?」
すこし疲れ他様子だが、初めて出会ったときと同じ蠱惑的な雰囲気に戻ったジェリーは、ぷっくりしたアヒル口に指を当てて首を傾げる。
「ちょっと、サミシイかな?」
ちょっと。
あれだけ濃厚な時間を過ごしたのに、ちょっとで済ませるジェリーが信じられない。お前は俺のオンナじゃなかったのかと激昂しかけた迪を、ダブルスーツの男が手を差し出して押し留めた。
「借金は確かに片付きました。……が、ここからは別の相談です。実のところ、あなたの配信は結構人気が出ましてね。続きを希望される客が多いんですよ。……ただまぁ、こっから先はまっとうな生活に戻れる保証はできやせんし無理にとは言いません。むろんその分じゅうぶんな手当は弾みますがね? いかがですが? その気はありますかね? ああ、最初はこちらのジュリーが相手ですが、あなたと直に遊びたいという客も多いんで、ジェリー以外もお相手した頂くことになりますが……」
是非もない。
気がつけばやりますと即答していた。
迪は自分の隠れた才に気づいたのだ。
サディストとしての自分。その責めを求められる自分。
求められるなら幾らでもという気持ちだった。
「ああ、それは良かった。とりあえず一年は専属で動いてもらう必要がありますし、日本から離れる可能性も高いんで身辺の整理はしてもらえますかね? 長期出張があると周知しておいてもらわないと」
男の言葉に迪は頷く。肉親や友人には暫く会えないことを伝え、ついでだから彼女とは別れてしまおう。
視線を向ければ、ジェリーがちゅっとキスをする真似をする。その仕草のなんと可愛いことか。
新しいオンナができたのだから、仕方ない。
卑猥で淫猥な時間は、終わってみればあっという間だった。
初めは配信されることに抵抗感があったのに、途中からはわざとカメラの前で激しいプレイをしてみせたくらいだ。
正直、誰かに鑑賞されるための生活だったことを、迪は半ば擦れて享楽に耽っていたと言ってもいい。これが普通の生活だったと勘違いするほど、今までの日常を思い出せなくなっていた。
ジェリーとの体の相性もばっちりで、気がつけばジェリーを所有物のように感じていたほどにこの生活が楽しかった。
だが惜しみつつも終わりはやってくる。
最後の日にやってきたのは、あの剣呑な雰囲気を持つダブルスーツの男だ。
端正だがいかにも強面の男は、約束通り借金を棒引きにして借用書を迪の目の前で破り捨ててくれた。これで自由になったわけだ。
「なかなか評判がよく、こちらとしても助かりましたよ。お疲れさんでした。……あとはまぁ、“普通”の生活に戻ることを勧めますよ」
男のその言葉を待っていたはずなのに、今となっては言葉が空虚に感じる。
すっかりと肉体がこの生活に慣れたというのに、今さら日常と言われても……そもそも自分無しでジェリーはどうするつもりなのか。
「……ジェリーはそれでいいのか?」
すこし疲れ他様子だが、初めて出会ったときと同じ蠱惑的な雰囲気に戻ったジェリーは、ぷっくりしたアヒル口に指を当てて首を傾げる。
「ちょっと、サミシイかな?」
ちょっと。
あれだけ濃厚な時間を過ごしたのに、ちょっとで済ませるジェリーが信じられない。お前は俺のオンナじゃなかったのかと激昂しかけた迪を、ダブルスーツの男が手を差し出して押し留めた。
「借金は確かに片付きました。……が、ここからは別の相談です。実のところ、あなたの配信は結構人気が出ましてね。続きを希望される客が多いんですよ。……ただまぁ、こっから先はまっとうな生活に戻れる保証はできやせんし無理にとは言いません。むろんその分じゅうぶんな手当は弾みますがね? いかがですが? その気はありますかね? ああ、最初はこちらのジュリーが相手ですが、あなたと直に遊びたいという客も多いんで、ジェリー以外もお相手した頂くことになりますが……」
是非もない。
気がつけばやりますと即答していた。
迪は自分の隠れた才に気づいたのだ。
サディストとしての自分。その責めを求められる自分。
求められるなら幾らでもという気持ちだった。
「ああ、それは良かった。とりあえず一年は専属で動いてもらう必要がありますし、日本から離れる可能性も高いんで身辺の整理はしてもらえますかね? 長期出張があると周知しておいてもらわないと」
男の言葉に迪は頷く。肉親や友人には暫く会えないことを伝え、ついでだから彼女とは別れてしまおう。
視線を向ければ、ジェリーがちゅっとキスをする真似をする。その仕草のなんと可愛いことか。
新しいオンナができたのだから、仕方ない。
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