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6話 完全勝利
しおりを挟むシュン…と音を立て、地面に着地する。
視界には、親猫の喉を食い破ろうとしている、一回り大きい魔狼の姿が…。
「にやぁぁああ!!(させるかぁぁ!! このクソ狼どもがぁぁああ!!)」
空間魔法レベル3 次元斬り!!
爪を縦に振るうと、魔狼は真っ二つになり崩れ落ちた。
「キャンキャン!」
恐らくボスだったのだろう…。
ボスを無くした、残り3匹の魔狼は逃げ出した。
逃すと思っているのか? 俺達の命を狙ったんだ、なら…当然、お前らも死ぬ覚悟があるんだよな?
空間魔法レベル3 次元斬り!
爪を横に振るい、残りの魔狼を殺した。
大丈夫か? 親猫よ。
俺は、ゆっくりと親猫に近づく。
親猫は、俺が戦っている時、じっ…と俺を見ていた気がした。
眼の前で止まると、俺は親猫の姿を見た。
ふむ…どこも怪我はしていないようだな。
正直、自分を犠牲にしてまで、助ける何て俺は許さんからな。
ペシペシと、俺は怒っている! と地面を前足で叩く。
その姿は、とても可愛いらしいものだった…。
思わず、足を止めてしまうぐらいに。
「にゃあん」
む? どうした親猫よ。
ええい! そんなに前足を顔に押し付けるのではない!
土の匂いがするわ!
ザラリ…ザラリ…。
それは嫌いじゃない。気が済むまで、なめるといい。
満足したのか、なめるのを止め、魔狼の屍に近づき…何かを取り出すように見えた。
いったい何をしているんだ…?
親猫は、何かを咥えて戻ってくると…俺の前にポトリと落とした。
これは…魔石だな。
魔物に、必ず存在する、もう1つの心臓だな。
「にゃあ」
何? 食えだと? 魔石をか?
しかし…。
俺は人間だった頃に、魔石を食うと…死ぬと言われていた。
不純物が多いからだ。
1度魔石を砕き、加工してから魔道具の燃料として使われていたが…。
「にゃあ」
やめろ、押し付けるな!
食えばいいんだろ!
信じてるからな親猫よ!
「にゃ、にゃあ…(で、では…)」
パクリ…。
ガリガリ…ゴクン。
味が薄くて対して上手くないな…ん? 魔力が少しだけ増えた?
「にゃあ」
何? 魔石を食うと魔力が増える?
何故それを、もっと早く言わない。
無駄に警戒してしまったではないか。
全く…。だが…魔力が増えるのは大歓迎だ! 空間魔法は燃費が悪いからな!
確か、レベル3の次元斬りを放つのに、1500程の魔力が消費するからな。
「にゃあ」
何…? 親猫よ…それは本気か?
いくら何でも独り立ちは早いのではないか?
生まれて1ヶ月ぐらいだぞ!?
「にゃあ」
お前には、もうそれだけの力はあるだと…?
確かにそうかもしれないが…。
せっかく温もりを与えてくれる、者に出会ったというのに、直ぐにお別れなど…正直、気が進まんな。
「にゃあ」
野生の掟…か…。仕方ない…。
だが…。俺がいない間に、死なれて困る故に!
親猫には、安全な場所にいて貰うぞ!!
空間魔法レベル7 箱庭!!
大量の魔力を消費して、空間に丸く黒い渦が開いた。
「にゃあ(ほら、親猫よ。そこに入れ)」
「にゃあ」
親猫は、何の躊躇もなく…黒い渦に入っていった。
少しは疑えよ…親猫よ。
俺も親猫に続いて…箱庭に入った。
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