孤高の英雄は温もりを求め転生する

モモンガ

文字の大きさ
10 / 47

9話 人間の親子

しおりを挟む

 収納の中身を確認してから数日…。

 俺はついに街道を見つけた。

 「にやぁああ!!(ついに、見つけたぞ!!)」

 カッポカッポ…。

 ん? 何だこの音は? どんどん強くなってーーー

 「にゃぁぁあああ!!(うぉぉおおお!!)」

 俺のいた場所に、馬車が通り過ぎた。

 「邪魔なんだクソ猫! 道の真ん中に座りやがって…馬車が汚れるだろうが!!」

 何だとクソ野郎!!

 確かに、道の真ん中にいたのは悪いと思うが、誰がクソ猫だこの野郎!!

 人間だった時は、大人しくしてれば…いつかは報われると思っていたが、報われなくて死んだ今、遠慮なんてしねぇぞ!!

 バンバン言い返すからな!!

 …そうだ。

 前を走る、馬車の上を見て…。

 「にゃあ(空間魔法レベル4 短距離転移)」

 シュン…。トン。

 「ん? 何だ? 鳥か? チッ! 俺の馬車にタダで乗るとは…止めた時にいたら焼き鳥にしてやる!」

 ふぅ…これで楽出来るな。

 ざまぁみやがれ、お前が働いている中、俺はのんびりと…一眠りさせてもらうとするか!

 ハッハッハッハ!


 €€€€€

 「スゥスゥ…」

 太陽の光が心地よい。

 もう少しこのままでーー「猫ちゃん!!」

 「にゃ?(んあ?)」

 顔を上げると…ヒョッコリと、顔だけ出した、小さな女の子がいた。

 ソイツは、危なげに馬車をよじ登るーーって! おい! 危ねぇぞ!!

 親は何してんだ!

 「猫ちゃーん!!」

 グホォア!!

 テンメェ! 強く抱きしめすぎだ! 苦しいだろうが!!

 顔をスリスリさせてくるのが、鬱陶しくなった俺は、両手を突き出し…遠ざけた。

 「ぷにぷに~」

 今度は勝手に、肉球を触りがって…。

 はぁ…まぁいいだろう。

 正直、子供にはいい思い出はないが…その内飽きるだろう。

 「おーい! エマー! どこに行ったー!?」

 「あっ! パパ~ここだよ!」

 「エマ!?」

 バッ! 急に立ち上がるんじゃねぇ! 危ねぇだろうが!

 何お前は、呑気に手を振っているんだ! そんなに動いたらーー

 「キャーーー!!」

 「エマ!!」

 ああほら、言わんこっちゃねえ!!

 馬車の上から、落ちる子供を受け止めようと…あのクソ野郎は走り出すが、間に合いそうにない。

 …チッ

 「にゃあ(空間魔法レベル4 短距離転移×2)」

 俺は、落ちる子供の側まで…転移し、そして地面に転移した。

 ったく。子供の内は2度と危ねぇ事すんじゃねぇぞ!

 「エマ!! 大丈夫か!? どうしてあんな所にいたんだ! 危ないだろ!?」

 「ご、ごめなさい…パパ…」

 オメェも、子供から眼を離すんじゃねえよ!

 子供を抱きしめている、クソ野郎を見ながら…俺は馬車の上に、短距離転移した。

 これで、乗せてもらってる分は働いたからな!

 これで、追い出そうとしたらぶっ飛ばしてやる!

 「それにしてもエマ…今何をしたんだ?」

 「分からない…」

 「そうか…!! もしかしたら魔法に目覚めのかもしれないぞ!! やったなエマ! お前は将来大物になるぞぉ~」

 「本当! わ~い! 大物になる~」

 …呑気な親子だな。

 親子を横目に、あくびをして…丸くなった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです

竹桜
ファンタジー
 無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。  だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。  その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。

処理中です...