孤高の英雄は温もりを求め転生する

モモンガ

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19話 アリー・フォン・ルモントン

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 それから次の日…。

 俺はつい、寝過ごし…もう昼になっていた。

 「にゃあぁぁ~(ふわぁぁ~)」

 ヤベ…つい、寝過ごしちまった。

 ちょっと、ダンジョンやら…俺の言う事を聞くような魔物使いに心当たりがないか、あのエルフに聞きに行くとするか。

 冒険者ギルドの屋根から、ギルドマスターの部屋の窓から、難なく侵入すると…金色の髪を後ろに纏め、銀色の鎧を纏った女性と、エルフが眼に入った。

 中々強そうだな


 **********

 種族:人間

 名前:アリー・フォン・ルモントン

 体力:1.750

 魔力:4.820

 魔法:風魔法Lv6

 称号:『竜騎士』『伯爵令嬢』『A級冒険者』

 **********


 エルフは、俺の侵入に気がついたのか…体を固まらせていた。

 他にも、汗が一気に噴き出し…青ざめていた。

 何だ? 何をそんなに恐れている。

 この前、会った仲じゃないか。

 「どうしたリスナール。早く続きを話さないか、お前が出会ったと言う…桁違いの魔力を宿した猫の魔物の話をな」

 ほう…?

 「ア、アリーさん!」

 「何をそんなに、狼狽えているリスナール。お前が私に助けを求めたから、急いで飛竜を飛ばしてここにやって来たのだぞ?」

 ほうほう、この女に助けを求めたんだな?

 (お前は俺を殺す気だったのか?)

 そう、エルフの頭に、直接送ると…驚き、どんどん顔色が悪くなり、今にも倒れそうになっていた。

 「ち、違います! 私の手に負えない案件だったので、信用できるアリーさんに、相談したんです! 決して、君を害しようとしたわけではないんです!」

 急に叫び出したエルフに、何かを察したように…金髪女も口を開いた。

 「状況から察するに、今ここにお前が話した猫がいるのだな? できれば私にも姿を見せて欲しい。
 我々は決して貴方が人道を外した行為をしなければ、不利益になる事をルモントン家に誓おう」

 (それを信じろと?)

 「ああ」

 はっきり言って人間何て信用できない。

 俺は人間の醜さをよく、知っている。

 特に王族や、貴族なら尚更だ。

 俺は依頼で、何度もその醜さを見てきた。

 それでも、俺は依頼を受け続けた。

 それが、俺にできる事だったからだ。

 そして、いつか俺の為にもなると思ったからだ。

 まぁ…結局、良いように使われて死んだんだかな。

 後から知った話だが、王族や貴族の連中は…意図的に俺の評判を下げた事も知った。

 それでも、俺がやらなきゃ大勢の人が死ぬ依頼もあった。

 その結果…俺は24で死んだんだ。

 だが…。

 金髪女に眼を向けると、強気な眼からは濁りが見られなかった。

 コイツはどちらかと言うと、騙すより…騙される側の人間だな。

 (分かった、信じよう)

 そう言うと、エルフはあからさまに…ホッと息を吐いた。

 「そうか」

 だが…。

 (エルフのお前は別だ。俺に相談もせずに勝手に他の者に話したんだ…罰は受けて貰うぞ?)

 「え…?」

 「うむ、当然だな」

 逃げようとする、エルフを空間支配で、その場に固定して…罰を与えるのだった。
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