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20話 名付け
しおりを挟むエルフを箱庭に投げ込み、ベヒーモスの死体に入れてる中、俺は金髪女に姿を見せると…何故かうずうずし、聞くと…。
「すまない、抱きしめもいいだろうか?」
駄目に決まっているだろう…と、断るとあからさまに、しょんぼりした様子で「そうか」と言う姿は、大好物を取り上げられた犬みたいだった。
なんだか、こっちが悪いみたいな感じになり…仕方なく許可すると、ご機嫌な様子で、今も抱きしめ肉球を触っている。
もちろん、完全に信用していない俺は、空間支配でいつでも、殺せるようにしていた。
だが、それは杞憂だったみたいだ…。
この金髪女は、純粋に動物が好きだったみたいだ。
その証拠に、コイツは慣れたように、俺の肉球を1秒に12…いや、13回を押してやがる。
慣れてなきゃ、こんな高速に肉球を触ることなんて不可能だ。
仕方なく俺は、エルフがベヒーモスの死体から出てくるまで、待つ事にした。
…もちろん、後ろの穴からだ。
€€€€€
ん? どうやらベヒーモスの死体から、脱出したようだ。
箱庭に、あるベヒーモスを収納し…。エルフが通れる穴を開けると、中から出てくる。
だが、通った穴が穴なので…その匂いは酷い物だった。
(臭い、風呂に入って来い)
「リスナール臭い。さっさと汚れを落として来い、不愉快だ」
「ふ、2人が酷い…」
涙目のエルフは、いそいそと…部屋から出て行った。
暫くすると…汚れを落としたのか、綺麗な服装のエルフが戻ってきた。
ふむ…大丈夫だな。
「早かったな、どうせなら1日中風呂に入っててもよかったんだぞ?」
「アリーさんは、その子を触っていたいだけでしょ? 普段はクールなのに、動物を見ると、見境なしにーーー」
「何か言ったか?」
「いえ、何も」
ほう…見事な投擲だな。
片手剣を、あんなに早く投げるのか…。
恐らく、剣術も相当な腕なんだろう。
その証拠に、エルフの顔の横ギリギリに突き刺さっているからな。
(もういいだろ)
俺はそう脳に発信して、金髪…アリーの膝の上から降りた。
そんな、しょんぼりしても、もう触らせん!
「それで、君は今日どうしてここに、来たんだい?」
(ああ…そうだ。ダンジョンと事と、俺の秘密を守り従ってくれる人に、心当たりが無いかと思ってな…)
「それならーー「ダンジョンは、魔物が出る。倒すと素材をいくつか残し、死体は消える。
さらに、ダンジョンには罠や、宝が存在する。各ダンジョンによって、階層は異なり難易度も変わり、10階層ごとに階層ボスが出現し…倒すと確実に宝が手に入る。中身はその時まで分からん」
「……」
(ほうほう…なるほどな)
「それから、パンに従う人間だが…奴隷を勧める」
なるほど………ん?
(今、お前なんて言った?)
「ん? 奴隷を勧めると…」
そうじゃねぇよ!!
「アリーさん? そのパンって言うのは…」
「ああ…この子の名前だ。似合っているだろ? この三色の毛の色は、黒パンに白パン、そして普通のパン。全部の色を持っているからパンだ」
コイツ…ネーミングセンス0じゃねぇか!!
待て! 俺の名前、無しになっていたような? まさか…。
**********
種族:ナイトキャット変異種
名前:パン
体力:140
魔力:300.300(+300)
魔法:空間魔法Lv10
スキル:隠密(熟練度38.2)夜目(熟練度28.2)鋭爪(熟練度19.7)
称号:『英雄』『変異種』『転生者』『空間魔法を極めし者』『料理猫』『大喰らい』
**********
コイツやりやがった!!
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