23 / 47
22話 奴隷を手に入れた
しおりを挟むアリーには、静かにしてろと、送ると…落ち込んでしまった。
コイツはメンタル弱いのか?
そんな事をエルフに聞くと、「ここまで弱いのは君だからだよ」と意味わからん事をぬかした。
暫く待っていると、先程の男が男2人と女2人を連れて戻ってきた。
服装を見るに、真っ当な奴隷商なのだろう。
気になるのは、1人だけ俺を見ると眼をキラキラさせた奴がいたぐらいだ。
「お待たせしました。お客様の要望に叶う奴隷をお持ちいたしました。お目にかかればと思います」
「ふむ…その2人は駄目だな。一瞬だが、パンを下に見たからな。下げろ」
「かしこまりました」
いや、お前静かにしてろって言ったよな?
(お前次喋ったら、2度と触らせんからな?」
「…コク」
大人しくなった、アリーを見て、エルフに眼を向けると、頷いた。
任せた。
「君? ちょっといいかな? その2人と話したい事あるから、外してくれないかな?」
「かしこまりました」
ふむ…あっさりだな。
そんな事を思っていると…。
「きっと、僕がギルドマスターって知ってるからだろうね。普通ならこう上手くはいかないよ?」
なるほどな、初めて役に立ったな。
「ご先祖様にゃー!」
…何を言っているんだコイツは。
声がした方に、眼を向けると…俺と同じように猫耳と尻尾を生やした女がいた。
「…とりあえず、自己紹介をしてもらってもいいかな?」
「みゃーは、ネロだにゃー!」
「私はミローネと言います」
ふむ…。見てみるか
**********
種族:猫人族
名前:ネロ
体力:860
魔力:480
魔法:身体強化Lv1
称号:無し
**********
**********
種族:人族
名前:ミローネ
体力:500
魔力:920
魔法:毒魔法Lv3
称号:『腹黒』
**********
アウト。
ミローネ、コイツは駄目だ。
一見、美人なお姉さんみたいな、奴だが…腹の中では何を考えているか分からん。
毒魔法のレベルも上がっている事は、それなりに使った証拠だ。
(エルフ、ネロにする。ミローネは下げらせろ)
そう、送ると…エルフは頷いた。
「ミローネさん、もう下がって結構ですよ」
「承知致しました」
ミローネが、ドアから出て行くのを見届け…ネロをもう1度見た。
ふむ、悪い奴には見えないが…。
まぁ…後々、確かめていけばいいか。
それに…身体強化なんて魔法があるなんて初めて見たしな。
身体強化は、体に魔力を流し…体を強化する事で、魔法ではない。
それが、コイツは魔法として、存在している。
不思議だな。
「さて、ネロさん。君にはこの子の奴隷となってもらいます。
私達ではなく…猫が君の主人です。宜しいですか?」
「みゃーはいいですにゃー! ご先祖様に仕えるなんて、恐れ多いけど頑張りますにゃ!!」
…決定だな。
「宜しいのですか?」
「いいですにゃー! それにご先祖様はかなり強いですにゃ! 獣人族は強い者に従うのが本望ですにゃ!!」
ほう…。
「何故この子が強いと?」
「勘ですにゃ!!」
ほう…?
(エルフ、もういいぞ。この猫に決めた)
止めろ、猫は君もでしょ? みたいな顔をするな。
言ってから気づいたんだよ!
たまに、自分が猫だと言う事を忘れる。
この後、俺は金貨15枚をエルフに渡し…奴隷を手に入れた。
0
あなたにおすすめの小説
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした
茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。
貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。
母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。
バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。
しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。
社畜の異世界再出発
U65
ファンタジー
社畜、気づけば異世界の赤ちゃんでした――!?
ブラック企業に心身を削られ、人生リタイアした社畜が目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界。
前世では死ぬほど働いた。今度は、笑って生きたい。
けれどこの世界、穏やかに生きるには……ちょっと強くなる必要があるらしい。
【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?
山咲莉亜
ファンタジー
ある日、高校二年生だった桜井渚は魔法を扱うことができ、世界最強とされる精霊王に転生した。家族で海に遊びに行ったが遊んでいる最中に溺れた幼い弟を助け、代わりに自分が死んでしまったのだ。
だけど正直、俺は精霊王の立場に興味はない。精霊らしく、のんびり気楽に生きてみせるよ。
趣味の寝ることと読書だけをしてマイペースに生きるつもりだったナギサだが、優しく仲間思いな性格が災いして次々とトラブルに巻き込まれていく。果たしてナギサはそれらを乗り越えていくことができるのか。そして彼の行動原理とは……?
ロマンス、コメディ、シリアス───これは物語が進むにつれて露わになるナギサの闇やトラブルを共に乗り越えていく仲間達の物語。
※HOT男性ランキング最高6位でした。ありがとうございました!
才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!
にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。
そう、ノエールは転生者だったのだ。
そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる