孤高の英雄は温もりを求め転生する

モモンガ

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38話 魔石を喰らった代償

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 「それで? 様子がおかしくなった心当たりはあるのかい?」

 アリーとネロの奪い合いは、最終的にアリーの左膝を上半身に…ネロの右膝に下半身を乗せた状態で落ち着いた。

 俺は2人に撫でられたまま、他の2人にも伝わるように…空間支配で、思った事を伝わるように使用した。

 が…それは直ぐに後悔する事になる。

 (ハァハァ…パンは何てプリティなんだ! この毛並みにつぶらな瞳…このまま持ち帰って、死ぬまで一緒にーー)

 (ハァハァ…ご先祖様、何てキュートお尻なのにゃ…触りたいにゃ………手を滑らせた事すれば大丈夫じゃないかにゃ?)

 ((………))

 俺は無言で解除した。

 そして、隣で片手で頭を押さえているエルフに思念を送った。

 (俺達は何も聞いてない、いいな?)

 エルフが疲れた様子で、頷くのを確認し…、俺がおかしくなった原因を考え始めた。

 思い当たるのは、いくつかある。

 1つは俺が魔物である事。

 どんな生物にも本能はある、今回は普段押さえていた物が爆発したのかもしれない。

 2つは高位の魔石を大量に喰らった事。

 あの時は、自分が自分でないような感覚になった事で、自分の事を我…と言っていた。

 …そういや、高位の魔物何か自分の事を、我…と言う多かったな。

 特に龍とかな。

 更に魔石は不純物が多い。

 もしかしたら、魔石に魔物の意思が少なからず残っており、不純物が多くなった結果…暴走したのかもしれない。

 もし、この推測が正しいのなら…。

 俺は空間支配で、自分の体の肉、血、内蔵、細胞の隅々まで深く…深く調べた。

 結果…。

 

 テメェ等…俺の体に住みつくとは良い度胸じゃねぇか…。

 それに思った通り、高位な魔物…特に覇王級の炎龍、ベヒーモス、リヴィアサン、ケルベロスの意思が多く見られた。

 その他にも他の魔物の意思が、チラホラ見られた。

 俺は空間支配で、自分の体に住みつく魔物の意志を外に移動させた。

 小さな黒いモヤモヤが、集合体になったように、それぞれ顔を浮かび上がっていた。

 それを眼にしたエルフは、距離を取り…汗を垂らし、睨みつけていた。

 『殺せ!』『肉を喰らえ!』『血を啜れ!』『人間を殺せ!』『国を滅せ!』『この世界を壊せ!』『殺せ!』『殺せ!』『殺せ!』

 ああ…うるせぇ。

 誰に命令してんだ? 魔物の意思? 本能? そんなのしらねぇ。

 俺は、俺の生きたいように生きる。

 それを邪魔する奴は、魔物だろうと、人間だろうと容赦はしねぇ!

 消えろ。

 そして2度と俺の前に現れるな。


 空間魔法レベル10 空間支配 【圧縮】


 両前足を前に突き出し、徐々に距離を縮めていく。

 魔物の意思の集合体は、透明な丸い球体に閉じ込められ…徐々に小さくなっていく。

 そして、両前足が完全にくっついた時には、魔物の意思の集合体は消えていた。

 魔物の意思が消えた事を確認し、突き出していた前足をゆっくり下ろし…未だに、撫でている2人に身を任せるのだった…。

 …てか、お前ネロ俺の尻触りすぎだろ!!
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