43 / 47
42話 ダンジョンを攻略
しおりを挟む神龍ユキが俺について来る事になり、気分は下がる一方だが、とりあえず、ダンジョンを攻略するという、目的は達成したので帰る事になった。
しかし…帰り道が長いと神龍ユキに伝えると、突然上に向かってブレスを吐き出し、青空が見えた。
「これで直ぐ」
そう言い、龍に戻ったユキに乗せられ…翼を大きく広げたユキによって、あっという間にダンジョンから脱出した。
それと同時に、ダンジョンコアを持ち出した事で…ダンジョンが完全に崩壊するのを眼にした。
神龍ユキは大きな翼を小さく羽ばたかせ…ゆっくりと地面に着地し、人型になった。
「働いた」
…いちいち出すのめんどくさいな。
(飯の時間は1日3回だ)
「交渉決裂?」
少し早計すぎやしないか!?
「なら帰ればいいにゃ! その代わりおみゃーは一生後悔する事になるのにゃ!! 何故ならおみゃーは、まだ本当に美味しい物を食べていないからにゃ!!」
コイツの言う、本当に美味しい物とは何だ?
「本当に美味しい物…ゴクリ…」
「そうにゃ! それは甘くて口の中で溶けるのにゃ!! それを食べれば誰でも幸せになれるのにゃ!!」
甘くて口の中で溶ける…? ああ、暑い時に冷たくて美味しい物を召喚した時に出た物か。
ネロは食べた時の事を思い出しているのか…幸せそうな顔で涎が垂れているのが見えた。
そんな表情を見せられた、神龍ユキは気になるのか、ジッ…とパンを見つめた。
「じゃあ…我慢する。でも量は多く」
(おう)
そんな事を話していると、エルフとアリーが近づいて来るのが見えた。
アリーは俺を抱き抱えーーー
おい。
「パン君、ネロちゃん、アリーさん、今日…いや、3日間か。
協力してくれてありがとうね助かったよ。僕はダンジョンの整理品はいらないから好きにしていいからね」
エルフは俺の前足とネロの手を握り、笑った。
何か忘れている気がするが…まぁ、いいか。
「私も整理品は必要ない。が…たまに、パンが会いに来てくれればそれでいい」
おい、止めろ。顔を押し付けるな、匂いを嗅ぐな!
(俺じゃなくても、そこら辺の猫でもいいだろ)
つい、そんな事をぽろっと溢してしまい…アリーと途中参戦したネロに、俺がどれだけ素晴らしいか、長々と説明された。
勘弁しろよ…。
その後、2人を見送ってから、俺は親猫がいない第二の箱庭に繋がる穴を作り だし…、とりあえず今日の所は早めに休む事にした。
「ご飯」
「ご先祖様~お腹空いたにゃ~」
ああ~忘れてた。
今日は疲れたから、召喚するか。
【空間魔法レベル9 召喚(大)】
前に呼び寄せた、白い粒々に、肉と茶色に染まった野菜が盛ってある、ドンブリを呼び寄せた。
神龍ユキには、念のため…2つ用意した。
俺もさっさと食って、寝るか。
明日はダンジョンの整理品の確認しないといけないな…。
パンは大きなあくびをして、よっぽど疲れたのか、直ぐに寝息を立てて眠りについたのだった…。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした
茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。
貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。
母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。
バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。
しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる