孤高の英雄は温もりを求め転生する

モモンガ

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42話 ダンジョンを攻略

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 神龍ユキが俺について来る事になり、気分は下がる一方だが、とりあえず、ダンジョンを攻略するという、目的は達成したので帰る事になった。

 しかし…帰り道が長いと神龍ユキに伝えると、突然上に向かってブレスを吐き出し、青空が見えた。

 「これで直ぐ」

 そう言い、龍に戻ったユキに乗せられ…翼を大きく広げたユキによって、あっという間にダンジョンから脱出した。

 それと同時に、ダンジョンコアを持ち出した事で…ダンジョンが完全に崩壊するのを眼にした。

 神龍ユキは大きな翼を小さく羽ばたかせ…ゆっくりと地面に着地し、人型になった。

 「働いた」

 …いちいち出すのめんどくさいな。

 (飯の時間は1日3回だ)

 「交渉決裂?」

 少し早計すぎやしないか!?

 「なら帰ればいいにゃ! その代わりおみゃーは一生後悔する事になるのにゃ!! 何故ならおみゃーは、まだ本当に美味しい物を食べていないからにゃ!!」

 コイツネロの言う、本当に美味しい物とは何だ?

 「本当に美味しい物…ゴクリ…」

 「そうにゃ! それは甘くて口の中で溶けるのにゃ!! それを食べれば誰でも幸せになれるのにゃ!!」

 甘くて口の中で溶ける…? ああ、暑い時に冷たくて美味しい物を召喚した時に出た物か。

 ネロは食べた時の事を思い出しているのか…幸せそうな顔で涎が垂れているのが見えた。

 そんな表情を見せられた、神龍ユキは気になるのか、ジッ…とパンを見つめた。

 「じゃあ…我慢する。でも量は多く」

 (おう)

 そんな事を話していると、エルフとアリーが近づいて来るのが見えた。

 アリーは俺を抱き抱えーーー

 おい。

 「パン君、ネロちゃん、アリーさん、今日…いや、3日間か。
 協力してくれてありがとうね助かったよ。僕はダンジョンの整理品はいらないから好きにしていいからね」

 エルフは俺の前足とネロの手を握り、笑った。

 何か忘れている気がするが…まぁ、いいか。

 「私も整理品は必要ない。が…たまに、パンが会いに来てくれればそれでいい」

 おい、止めろ。顔を押し付けるな、匂いを嗅ぐな!

 (俺じゃなくても、そこら辺の猫でもいいだろ)

 つい、そんな事をぽろっと溢してしまい…アリーと途中参戦したネロに、俺がどれだけ素晴らしいか、長々と説明された。

 勘弁しろよ…。

 その後、2人を見送ってから、俺は親猫がいない第二の箱庭に繋がる穴を作り だし…、とりあえず今日の所は早めに休む事にした。

 「ご飯」
 「ご先祖様~お腹空いたにゃ~」

 ああ~忘れてた。

 今日は疲れたから、召喚するか。

 【空間魔法レベル9 召喚(大)】

 前に呼び寄せた、白い粒々に、肉と茶色に染まった野菜が盛ってある、ドンブリを呼び寄せた。

 神龍ユキには、念のため…2つ用意した。

 俺もさっさと食って、寝るか。

 明日はダンジョンの整理品の確認しないといけないな…。

 パンは大きなあくびをして、よっぽど疲れたのか、直ぐに寝息を立てて眠りについたのだった…。
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