転生令嬢の優雅なティータイム

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幼少期編

前世は突然に。1

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「シルヴィー、今日は君にステキなお客様が来ているよ」


 7才になってから2日後、朝からドレスに髪に…
今日はずいぶんおめかしするのね、と思っていたらお父様が言った。


「まぁ、どなたでしょう?」


 しかしお父様はニコニコするだけ。
誰かしら?
使用人達は昨日からずぅっとあわただしくしているし、
お父様もお母様も普段よりキッチリした服をまとっている。
…ふむ、きっとお爺様がいらっしゃるのね。
だって、みんなお爺様の前では
いつもきんちょうしてカチコチだもの!
 あら?
でも、ここまで豪華なドレス着てたかしら?
初めて見るドレスだし、
お呼ばれした時に着て行ったものより華やかだわ。
うーん、


「旦那様っ!お見えになりました!」


 家令のスチュワートがお父様を呼びに来た。
スチュワートがあわてるなんて珍しい。


「分かった。手筈通りに頼む」


「かしこまりました。
――さっ、皆さん配置について下さい!」


 きんちょうした面持ちでアイコンタクトとるお父様。
え、何このきんちょうかん。
誰がいらっしゃったの?


「さぁ、行きましょう。シルヴィー」


 お母様が私の肩を抱いて、そっと押し、
先に玄関に向かったお父様の後ろを歩くよううながす。
嫌よ、お母様。
めんどうごとの匂いしかしないわっ

―――ズルズルズル


「どうしたの?
ほら、ちゃんと歩きなさい」


 その先には行ってはいけない気がするのです。
だから、引っ張らないで。
お願い。


「あらあら、困ったわねぇ。
お客様の前ではキチンとね?」


―――ズリズリズリ


 まずはそのが誰か教えて下さい。
あっ、マリエラ!
お母様を止めて。
気付いて、マリエラ!
 引きずられながら、目に入ったお世話係に必死に目でうったえるも、笑顔でうなずかれてしまった。
え、そのうなずきは何。
どういう意味なのっ
マリエラーーー


――――ガチャッッ


じゅうこうな扉が開く音。
ん?開く音?


「ようこそおいで下さいました!――!」


あ゛ぁっ!
いらっしゃっちゃったーっ

お父様とお母様が渋めのオジサマと
にこやかに応対している。
どなたなの?
お爺様以上の方には見えないけれど…


―――ひょこ


「「……………」」


 だ、だれ。この子。
目が合ってしまった!
オジサマにかくれていて気付かなかった。
オジサマのご子息?
なんというか、華やかね
お洋服も1番豪華だし、
後ろに控えてるお付きの人だって
執事・メイドというよりか騎士みたいだわ。
格好なんてそのものよ!
…………。
 何故かしら。冷や汗が、、
 そういえば、先程からお父様の視線がこの子にいってるような。
お母様も笑顔でこの子にご挨拶しているような、、
オジサマではなく。

 あら?あららら?
もしかして、この子がお客様だったり?


―――じぃーーっ……ニコッ


 まぶしいっ!
はかいりょくばつぐんの笑顔だわっ
恐ろしい美少年


「あぁ、――。
こちらが娘のシルヴィアにございます。
シルヴィア、――にご挨拶を」


 いけない、ぼぅっとしてた。
かんじんのお名前を聞きそびれてしまったわ。


「初めまして。
シルヴィア・フォン・ヴェルトハイムと申します」


 ドレスをちょんと摘んで、5歳から練習しているカーテシーを披露する。
いかが?
マナーの先生からお見事と言われた出来栄えよ!


「――。シルヴィア嬢」


 また笑ったわ。
なんて綺麗なお顔なのかしら。
そして何をよろしくすれば良いのかしら。


「さあ、中へ。
我が領で採れた紅茶をご用意しております」




 応接室にごあんないする間、
ちょうこくのように微動だにせず、頭を下げる使用人達マリエラたちの列が恐かった。


――さて、どうしたものか。
やはりお客様は美少年のようだ。
だって、オジサマも騎士っぽい人達も立ってるもの。
そこまでは良いわ。
 なぜ‥何故、お父様の前ではなく
私の前に座ってらっしゃるの。
わざわざソファーの端に寄って。
気まずい、すごく気まずいわ。
視線というか、もはやガン見されているのだけど
何かそそうしたかしら。
………、
お茶の味がしない。



「――さて、ヴェルトハイム公。
せっかくだからシルヴィア嬢と話したいのだが……」

 へっ?
かんだんしていたように思えたが、
急な方向転換で思わずまぬけな顔をしてしまう。
お話についていけなくて、
とりあえずお茶飲んでただけだから困るわ。
どうしてそうなったの。
話の流れがつかめないわ。


 ギギッと首を横に上げて、
お父様にムリだとうったえる。


「おお、それは素敵ですな。
でしたら、シルヴィアに庭を案内させましょう」


お父様っっ!?


「それはいい!ヴェルトハイム家のバラ庭園を一度見てみたかったんだ」


「きっと楽しんで頂けると思います。
―――シルヴィー、ご案内して差し上げなさい。

殿に失礼のないようにな」


 今なんと?


「案内を頼む、シルヴィア嬢」


 笑顔がすてき。っじゃない!
 え?


「…で、殿下ぁ?」


「なんだ?」


 おっと、口からもれてしまったようね。
殿下かぁ。
そっか。そりゃ、えらいよね。公爵家ウチより。
ふぅ、解決


―――してないわっ!
さすがに王族が来るなんて思わないじゃない。
ましてや王子よ!なぜ誰も言わなかったの。
来るなら教えてよ!
ふけいざいになったらどうするつもりよ!


「…こほん。シルヴィア?」


「―あ、…はい。お父様。
殿下をごあんないしてまいりますわ。

では、殿下。ご一緒に」


 お父様に呼ばれてハッとする。
がんばるのよ、シルヴィア。
お庭をあんないするだけじゃない。
サラッと説明してサクッと戻ってくれば良いのよ。


「ああ。
ミルラ、行くぞ。ライアンはそのままで良い」


「「ハッ」」


 騎士っぽいじゃなくて、本物だったよ。
王子様だもんね。
むしろ、ごえい2人で良いの?少なくない?

 お庭には女騎士のミルラさんが付いてくるそうだ。
1人……大丈夫かしら。


「すまない、シルヴィア嬢。
護衛は決まりなんだ…ミルラ1人だけにするから 
どうか気にしないでほしい」


 どうやら殿下は勘違いしているようだ。


「とんでもありませんっ!
とうぜんのことですわ」


 私はむしろ少なくて不安なんです。
しんにゅうしゃとか、ふけいざいとか、ふけいざいとか。
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