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三人の旅立ち
ウィルフレッド、レティシア、宰相に見送られ、レイバン、コルテオ、マクシミリオンの三人は馬車に乗り込み城を後にした。乗り込んだ馬車の中、段々と小さくなっていく城を見つめながら、コルテオはボソリと呟いた。
「初めてだな・・・王都ではなく別のところに住むのは・・・」
「そうだな、俺もだ。レイバンは領地があったんだっけ?」
「えぇ・・・」
レイバンは流れていく景色を見つめたまま静かにそれだけ答えた。三人が乗っている馬車には、護衛騎士などは北の辺境から遣わされた者がついている。御者もそうだ。荷物などが後をついてきている荷馬車に積まれている。三人での長旅。少しは楽しくやろうという気概はないのかなどとマクシミリオンは思っていたが、口には出さなかった。研究の拠点を北の辺境に移すコルテオ。窓から流れる景色を眺めているのも同じ。だが、コルテオの心境はレイバンとは全く違うものだった。
【コルテオside】
こんな時に不謹慎かもしれないが
ワクワクしている自分がいる
実家の伯爵家では兄が何でも
そつなくこなすものだから
出来のいい兄と出来の悪い弟として
育ってきた
何をしても何を言っても、
兄はできるのに
兄の方が優れていると言われてきた
別にそこに不平不満はなかった
いや、全くかと言われればそうではない
かもしれないが
とにかく兄は何でもできる人で、
両親の期待にも応えた
こんな自分にも優しかったし
尊敬できる憧れの人だった
でも家に対して思うのはそれだけ
両親には虐待や育児放棄などは
受けてはいないものの
兄と同じ愛情を注がれていたかと
言えばそれは否
使用人達も、兄の事は敬うけれど
僕に対しては尊敬の念は
なかった様に思う
思い入れのない伯爵家
そこから飛び出る自分に
今ワクワクしている
あぁ、騎士団に入ると決めた
時以来の高揚感かもしれないな
【マクシミリオンside】
はぁ・・・辺境か・・・
煌びやかな王都と違って
何もない所だろうな
しかしさっきから馬車の中が静かすぎる
気を利かせて話しかけても
沈んでいるのか
あぁ、とかえぇとかしか言わない
コルテオはさっきからずっと
窓の外の景色を眺めて
随分と楽しそうだ
まったく呑気な奴だな
だが・・・
イザベラが幸せでいる様だと聞いて
ひとまずは安心した
これでイザベラまで不幸なら
ランドルスト公爵家丸ごと
地に落ちたようなものだ
・・・
・・・
・・・
レティシア・・・
ウィルフレッドの奴、幸せそうだったな
夫人にべったりで
それを受け入れてくれる相手がいて
ただただ羨ましい・・・
【レイバンside】
レイラ・・・
生きてるのか?
シスター・・・
レイラなのか・・・?
生きててくれ・・・
しかし、だからどうできると言うんだ・・・
俺は・・・
俺は逃げたのに・・・
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