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65、単なるお節介?それとも
ノエルの相手には、仕事に理解があり、噂話などで機密が漏れる心配がない事、危険を自分で回避する術を持っている事などの必要性を話したオーロラ。
「よく分析しているね。その通りだ。中々お眼鏡に叶う女性はいないもの。僕の一番の有力候補は・・・誰かさんに取られちゃったしね・・・」
ノエルはじっとオーロラとノアールを交互に見つめる。その視線に、オーロラを抱きしめていたノアールの腕に力が入る。それに気付いたオーロアが、優しく腕を撫でる。
「私を高く買って頂いているのは光栄ですわ。私達であれば最高のバディになれたでしょう。でも・・・愛のある夫婦にはなれなかったと思いますわ。私はノアールに愛されて、幸せを知ってしまったんです。失う事はできませんわ」
ノアールは、オーロラの髪に顔を埋めて擦り寄り甘えている。
「わかるよ、愛や恋などを語れるような夫婦にはなれなかっただろうな」
「ふふっ、それで・・・これが一番重要です。汚れ仕事を自分が引き受ければいいと思われている殿下の心が心配なのです。自己犠牲の上に幸せは生まれません。理解者は必ず必要です。殿下、他人の幸せの為に、自身の幸せを諦めないでください。あなたには帰る場所があり、そこには癒しがなければなりません。ノアールに私がいるように、殿下にもそうあって欲しいのです。ここにいるフィオナの家は伯爵家ですが、騎士家系です。彼女も騎士を目指したかったのですが、伯爵家が許してはくれませんでした。女は結婚して子を産むことが幸せなのだと。それを聞いた私が、公爵家での行儀見習いを提案致しましたの。ただ、実際は、公爵家ではなく私が持つ使用人としてでしたけれど。私は宵闇という独自の影を持っていますわ。戦闘も密偵もできるスペシャリスト集団です。王家の影にも負けない自信がありますの。私が普段使用する屋敷の使用人は、皆、公爵家の雇われ使用人とは別なのです。宵闇は私の指示のみで動き、公爵家当主の指示では動きません。ですから、ノアールが次期公爵家当主になる事が決定しましたが、宵闇だけは権限を持ちませんの。それだけ私が手塩にかけて育てて、集めてきた人材達です。フィオナが騎士の道を諦めきれずにいた為、宵闇に迎え入れました。先輩影達が、戦闘や剣術など様々な事を彼女に教えています。自身の身を守る事は造作もない事。それでいて、彼女は伯爵家の令嬢。マナーも申し分ないですわ。私は彼女以上に、殿下の婚約者に適任な方を知りませんわ」
「オーロラ嬢がそこまで言うとはね・・・もうすでに彼女に興味津々だよ。というかね、話を聞く以前に決まっていた」
「あら、どういう事ですの?私にお勧めされるのは断りづらいからでしょうか?」
「違うな・・・」
ノエルは立ち上がると、フィオナの目の前まで行き跪き手をとった。
「フィオナ嬢、君の能力は認める。頑張りも素晴らしいと思う。しかしね・・・悪いが、僕は君に一目惚れをしてしまったんだ。信じてはもらえないだろうが、それはこれから嫌という程わからせるよ」
言い終わるとノエルはフィオナの手の甲にキスを落とす。
「まぁ・・・情熱的ですわね」
それまで大人しくしていたノアールが、オーロラの頬にキスをする。
「ふふっ、ノアールありがとう」
「オーロラ嬢、彼女はすぐにくれるの?」
「そんなに気に入りまして?当家の使用人ではありますが、預かっているお嬢さんですので、伯爵家にも話をいたしますが、王家の方から婚約打診をしていただければよいかと。その後でしたら、私はいつでもよろしいですわ。フィオナもそれでいいいかしら?」
「はい、オーロラ様の仰せの通りに」
「ノエル殿下、王家にはノアールを育てて頂きプレゼントして頂きましたわ。代わりに・・・私は育て上げたフィオナを王家に嫁に出します。交換ですわね。殿下は陛下にお話なさいませ。トワイライト家は、いえ、オーロラ・トワイライトはこのご縁を嬉しく思っておりますとお伝えください」
「あぁ、全く、オーロラ嬢には頭が上がらないね」
ノエルはフィオナに向き直る。
「フィオナ嬢、これから大変な事も、辛い事もあるだろう。迷惑をかける事もあるかもしれん。でも、二人で乗り越えていきたい。そして、幸せな家庭というものも・・・諦めたくはないな」
「殿下・・・はい、微力ながら、支えさせて頂きますわ」
ノエルの一目惚れは意外であったが、無事、いい形で幸せになれそうだとオーロラは満足気だ。
レオンにノエル、サンライズ家のサイラス。気付けばオーロラの近しい者が結ばれていっているが・・・ただのお節介だと信じたい。
「ふふっ、うまくいきましたわ・・・」
お節介だと・・・信じたい・・・
ーーーーーーーーーーーーーーー
次回
どうすれば正解などないのですよ
抱きしめてる時そんな事考えてるのか・・・
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