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66、レオンの悩み
先日の夜会から数日、オーロラは王太子になったレオンに呼ばれ、ノアールと共に王宮へと出向いていた。
「それで、今日は何の用ですの?」
「早速用件から入るのか?」
「あら、ノアールとの時間を削ってるんです。早く帰りたいんですけど?」
今日も足の間に座るオーロラは、後ろからノアールに抱きしめられている。最近はこの体勢がお気に入りのノアール。
「削っていると言うが、今も一緒ではないか」
「あら、では、殿下の前で見せつけてもよろしくて?」
「それはやめてくれ」
「では本題を」
「・・・あの・・・マルティナをもっと甘やかしたくて・・・何をすればいいのかと思ってな・・・」
「先日お膝に乗せてみてどうでした?」
「いつもより距離が近くて緊張したせいか、あまり会話はしていない」
「でも、相手の鼓動が感じれて、ぬくもりがあって安心しませんでしたか?」
「そう言えば・・・そうかもしれんな」
「互いを感じれる行為は、言葉がなくても伝わるものがあるのです。ほら、こういう風に、ノアールが私の肩にスリスリしてるのも、構って欲しいのかな?撫でて欲しいのかな?なんて想像しますでしょ?それを考えているだけで愛おしく感じるものなのです。ですから、どうすれば正解などないのですよ。ただ、言葉に表すだけじゃ足りないものをこうやってスキンシップで埋めるのです。手を握る、髪に触れる。それだけでも距離はぐっと縮まりますわ」
「どうすればというのがまず間違っているのか・・・」
「難しく考えなくていいのです。マルティナに触れたいなという気持ちを行動で表すだけですわ。自身のものにしたくて愛を請うのはもう必要ないのですよ。もう婚約者で、しかも気持ちは通じ合っている。それなら恋していますではなく、愛していますと表現するんです」
「愛して・・・います・・・か」
「ねぇ、ノアールは私に触れる時、どんな事を思ってるの?」
「俺は、オーロラ可愛いなとか、離れたくないなとか、あったかいな、やわらかいなとか思ってる。あと、やましい部分で言えば、胸触りたいとか、お尻柔らかいなとか、首筋に吸い付きたいとか思ってる」
レオンがあまりの驚きにハクハクして、顔を真っ赤にしている。
「ノ、ノアール・・・お前、抱きしめてる時・・・そんな事・・・考えてるのか?」
「え?殿下は思わないのですか?目の前に大好きな人がいるんですよ?全てを知りたいし、全てに触れたいじゃないですか。他の男に触れさせたくないし、自分だけが触れていたい。相手が望むなら応えたいし、拒否する理由もありません」
「い、いや、そうだが・・・でも、マルティナが触れて欲しいかどうかなんてわからないしな」
「では、殿下がして欲しい事を言えばいいのです。そんな刺激が強い事でなくていいのではないですか?頭を撫でて欲しいとか、膝枕して欲しいとかそういうところから試してみれば良いのです。先に進むにはどうしてもきっかけが必要です。私達の場合は、私の一言がきっかけでしたの」
「何を言ったのだ?」
「愛してると」
「それが何だ?」
「愛してるわって言ったら、いつもべったりなノアールが急に離れて寝台に突っ伏したんですのよ」
「そこは喜ぶとかじゃないのか?」
「もちろん喜んでいましたわ。でも、私が好きとか愛してるなど、言葉ではっきりと言っていなかったみたいなのです。ノアールの黒髪がいいとか、赤い瞳がルビーみたいで綺麗とか、鍛えられた身体で抱きしめられるのがたまらないとかは口にしてたんです。初めて言われた愛してるのたった一言が嬉しすぎて、感情が爆発して反応してしまったみたいですの」
「反応?何がだ?」
「ここが」
レオンには刺激が強かったかもしれない。
ーーーーーーーーーーーーーーー
次回
ここって・・・ソコの事だよな?
半分あってて、半分間違ってますわね
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