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81.ウィルバート、耳を疑う
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「はぁ?」
おそらくこの場にいた全員がキャロラインの言葉に耳を疑っただろう。
王太子妃になる? キャロラインが?
今までわたしのパートナーですら面倒だと思っていたキャロラインが、わたしの妻になるだって?
「ど、どうしてだい?」
なぜこの話の流れでいきなりそんな話になったのか? 本気で言っているのか?
等色々聞きたい事はあるが、とにかく理由だ。理由を教えて欲しい。
「アリス様の遺言だからですわ」
「アリスの遺言って……アリスは遺言を残していたのかい?」
バンっとテーブルの音をたてて立ち上がると、音に驚いた侍女が体をビクッと震わせた。けれどさすがはキャロライン。瞬き一つせずわたしから目を逸らさない。
カーティスからの報告では、アリスは切り付けられてすぐ消えたとあった。
実際には遺言を残す時間があったのか?
だとしたら、なぜわたしの耳に入っていない?
身を乗り出したわたしを冷めた目で見ながら、キャロラインはフッと冷たく笑った。
「わたくしは遺言だと思ってはおりませんが、アリス様が亡くなったと思ってらっしゃるウィルバート様には遺言だと申し上げた方が伝わるだろうと思いましたの」
キャロラインの口調は、ひどく嫌味で棘がある。彼女らしくない物の言い方だが、今は構っていられない。
「一体どういうことなんだい?」
穏やかではいられないわたしの心の内に気づいているのだろうか。キャロラインはわたしを嘲笑うかのように口元を緩ませた。
「キャロライン嬢、頼む、教えてくれないかい? アリスは遺言を残していたのだろうか?」
依然としてわたしを冷たい目で見ているキャロラインの前に、「ほいよ」っと、アーノルドが少し大きめのカップを置いた。
「んで、これがお前の分っと」
テーブルにわたしのカップと自分のカップを置いたアーノルドは、ルーカスとキャロラインの侍女にもカップを渡した。
何故自分達までっというような戸惑いの表情を浮かべるルーカス達だったが、何も言わず黙ってカップを受け取った。
「全員カップ持ったか?」
非常に雰囲気の悪いわたしとキャロラインの様子なんてまるっきり無視して、アーノルドは明るい声で言った。
「アーノルド、お茶なんかより今大事な話を……」
わたしが言い終わるのを待たず、アーノルドは口を開いた。
「このチャイはなぁ、俺がアリスに初めて会った日にいれてやったやつなんだ」
そう言われてカップに目を落とす。中には温かそうなミルクティーが入っている。
「ウィルバート、覚えてるか? アリスが王宮で迷って俺の部屋に来た時のこと」
「……あぁ、覚えているよ……その後変装して街にでかけた君達二人を、わたしは慌てて追いかけたんだったね」
アリスの事を思い出すと、なんだか体の力が抜けていくような気がする。脱力しながら椅子に腰掛けカップを口へと運ぶ。
温かい。
ほんのりした甘さが疲れた心に染み渡っていくようだ。
「おいしい……」
ポツリと呟いたキャロラインの表情は、先程までの冷めた顔とは違いとても弱々しく見えた。
「キャロライン様、どうぞこちらを浸して食べてみてください」
アナベルがキャロラインの前にビスケットの入った小皿を置いた。
「アリス様はアーノルド様の作るチャイと一緒に食べるビスケットが大好きでした」
アナベルの表情は悲しみを含んでいるものの、その口調は明るかった。アナベルが無理して明るく振る舞っているのが分かっているので、キャロラインもビスケットを口に運び、「とっても美味しいわ」っと明るい笑みを浮かべた。
となると、わたしも明るく振る舞わないわけにはいかない。
「アナベル、わたしにもビスケットをくれるかい?」
アナベルが嬉しそうな顔をして、わたしにビスケットいりの小皿を差し出した。しばし皆が物思いに浸りながら、黙ってチャイを飲む。
「アリス様は……本当に亡くなったのでしょうか?」
手にしたビスケットをぼんやりと眺めながらキャロラインがポツリと呟いた。
「……わたしもアリスに生きていて欲しいと思っているよ……」
キャロラインに本当の事が言えない以上、わたしに言えるのはこれだけだ。キャロラインがわたしを見つめている。わたしもキャロラインを見つめ返す。
「……先程の話ですが……」
キャロラインが静かに口を開いた。
「アリス様がわたくしにウィルバート様と結婚して欲しいと言ったのは事実です」
ただしそれは遺言ではなく、まだアリスが王宮にいる時だったと聞き、頭を殴られたかのような衝撃を受けた。
それだけではない。キャロラインは、アリスがわたしと別れたと言っていたと言うではないか!!
「な、なぜだ……」
わたしがこんなにもアリスの事を愛してるということが、アリスには全く伝わっていなかったのだろうか。別れたなんて、アリスはどうしてそんな事を言ったのだろう。
衝撃を受けたわたしに、キャロラインは頭の中を整理する時間を与えてくれない。
「わたくしはアリス様の願い通り、ウィルバート様と結婚するつもりです。ウィルバート様にはそのおつもりでいてくださいませ」
自分の持てる力全てで、わたしとグレースの関係を壊してみせると宣言すると、自分の侍女だけではなくアナベルをも連れて部屋を出て行ってしまった。
「厄介な事になりましたね」
ルーカスがため息をつくと、
「キャロラインとお前の結婚って想像つかないよな」
っとアーノルドが顎に手を当て考えこむ。
だが今はそんな事、どうだっていい。今気にしなければいけないのは、アリスがわたしと別れたと言った事だけだ。
アリスはくだらない嘘をつくような子ではない。とするならば、アリスは本気でわたしと別れたと思っていたのだ。
「どうしてアリスはわたしと別れたなんて言ったんだろう?」
わたしの問いかけに、アーノルドとルーカスが顔を見合わせる。
「確認するが、本当にお前はアリスに別れたいとか言ってないんだな?」
「当たり前だろう」
アリスを愛しているのに、何故別れ話なんかしなければいけないんだ。
「まぁ指輪渡すって言ってたくらいだし、お前が別れ話をするとは思えねーよなぁ」
アーノルドが同情するかのような顔でわたしを見た。
アーノルドの言う指輪とは、春喜宴の少し前にやってくるアリスの誕生日プレゼントにと用意したものだ。シンプルなデザインの指輪だが、ブルーダイヤモンドはわたしの瞳を、ゴールドはわたしの髪色を連想させてくれる。
誕生日にはこの指輪をプレゼントし、もう一度アリスにプロポーズをするつもりだった。グレース当て馬作戦でわたしへの想いを自覚したアリスは喜んでプロポーズを受けてくれると思っていたのに。わたしはどこで間違えたのだろう。
「クソっ!!」
そう吐き捨てたわたしにルーカスが、
「王太子ともあろうものが……」
っと諌めるが、わたしだって我慢できない時がある。
どこで間違えたか?
そんな事は考えるまでもなく分かっている。わたしの失敗は、アリスの恋心を煽るためにグレースを使ったことだ。
アリスに嫉妬させようなんて思わなければ、グレースに必要以上に期待をさせなければ……きっとアリスはわたしと別れたと思わなかっただろうし、カサラング公爵もこんな手段を使ってこなかっただろう。
「クソっ!!」
拳でテーブルを叩くと、紅茶カップがソーサーの上でガチャガチャっと音をたてた。
「後悔しても仕方ねーだろ。それよりアリスを見つける事を考えろよな」
「そうですね。アリス様なら笑って許してくださいますよ。さぁ誕生日までもう日にちもありませんし、急いで解決する方法を考えましょう」
わたしの自分を責める気持ちを察してくれている二人の言葉に救われる。二人ともわたしと同じようにアリスが生きていると思ってくれていることがありがたかった。
けれどしばらくたっても状況は何も改善されなかった。というより、余計複雑になってしまった気もする。少しでもアリスの情報を得られればと思い、書庫の改装が終わった今でもグレースを王宮に留めていたのだが、それに加えてわたしと結婚したいと公言し始めたキャロラインが王宮で暮らし始めたからだ。
意地でもわたしとグレースを二人きりにはさせないというキャロラインのおかげでグレースと過ごす苦痛は減ったが、これではグレースから何の情報も引き出せそうもない。
大きなため息と共にアリスのベッドにうつ伏せに倒れ込む。少しでもアリスを感じたくて毎夜こうしてアリスの寝室に忍び込むのはルーカス以外には秘密だ。綺麗に整えられたベッドはとても冷たく、喪失感に襲われる。
大丈夫、アリスは生きている。絶対に生きている。
自分に言い聞かせるように、心の中で繰り返した。そうでもしなければ、喪失感に押しつぶされてしまいそうだ。
ゴロリとひっくりかえり仰向けになり、ただぼんやりと天井を見つめる。残念ながら未だカサラング公爵の悪事を暴くことはできていない。
「いつか必ず証拠を掴んでみせるから待っていておくれ」
高い天井に向かってポツリと呟いたわたしの耳に、「はい」というアリスの可愛らしい返事が聞こえた気がした。
おそらくこの場にいた全員がキャロラインの言葉に耳を疑っただろう。
王太子妃になる? キャロラインが?
今までわたしのパートナーですら面倒だと思っていたキャロラインが、わたしの妻になるだって?
「ど、どうしてだい?」
なぜこの話の流れでいきなりそんな話になったのか? 本気で言っているのか?
等色々聞きたい事はあるが、とにかく理由だ。理由を教えて欲しい。
「アリス様の遺言だからですわ」
「アリスの遺言って……アリスは遺言を残していたのかい?」
バンっとテーブルの音をたてて立ち上がると、音に驚いた侍女が体をビクッと震わせた。けれどさすがはキャロライン。瞬き一つせずわたしから目を逸らさない。
カーティスからの報告では、アリスは切り付けられてすぐ消えたとあった。
実際には遺言を残す時間があったのか?
だとしたら、なぜわたしの耳に入っていない?
身を乗り出したわたしを冷めた目で見ながら、キャロラインはフッと冷たく笑った。
「わたくしは遺言だと思ってはおりませんが、アリス様が亡くなったと思ってらっしゃるウィルバート様には遺言だと申し上げた方が伝わるだろうと思いましたの」
キャロラインの口調は、ひどく嫌味で棘がある。彼女らしくない物の言い方だが、今は構っていられない。
「一体どういうことなんだい?」
穏やかではいられないわたしの心の内に気づいているのだろうか。キャロラインはわたしを嘲笑うかのように口元を緩ませた。
「キャロライン嬢、頼む、教えてくれないかい? アリスは遺言を残していたのだろうか?」
依然としてわたしを冷たい目で見ているキャロラインの前に、「ほいよ」っと、アーノルドが少し大きめのカップを置いた。
「んで、これがお前の分っと」
テーブルにわたしのカップと自分のカップを置いたアーノルドは、ルーカスとキャロラインの侍女にもカップを渡した。
何故自分達までっというような戸惑いの表情を浮かべるルーカス達だったが、何も言わず黙ってカップを受け取った。
「全員カップ持ったか?」
非常に雰囲気の悪いわたしとキャロラインの様子なんてまるっきり無視して、アーノルドは明るい声で言った。
「アーノルド、お茶なんかより今大事な話を……」
わたしが言い終わるのを待たず、アーノルドは口を開いた。
「このチャイはなぁ、俺がアリスに初めて会った日にいれてやったやつなんだ」
そう言われてカップに目を落とす。中には温かそうなミルクティーが入っている。
「ウィルバート、覚えてるか? アリスが王宮で迷って俺の部屋に来た時のこと」
「……あぁ、覚えているよ……その後変装して街にでかけた君達二人を、わたしは慌てて追いかけたんだったね」
アリスの事を思い出すと、なんだか体の力が抜けていくような気がする。脱力しながら椅子に腰掛けカップを口へと運ぶ。
温かい。
ほんのりした甘さが疲れた心に染み渡っていくようだ。
「おいしい……」
ポツリと呟いたキャロラインの表情は、先程までの冷めた顔とは違いとても弱々しく見えた。
「キャロライン様、どうぞこちらを浸して食べてみてください」
アナベルがキャロラインの前にビスケットの入った小皿を置いた。
「アリス様はアーノルド様の作るチャイと一緒に食べるビスケットが大好きでした」
アナベルの表情は悲しみを含んでいるものの、その口調は明るかった。アナベルが無理して明るく振る舞っているのが分かっているので、キャロラインもビスケットを口に運び、「とっても美味しいわ」っと明るい笑みを浮かべた。
となると、わたしも明るく振る舞わないわけにはいかない。
「アナベル、わたしにもビスケットをくれるかい?」
アナベルが嬉しそうな顔をして、わたしにビスケットいりの小皿を差し出した。しばし皆が物思いに浸りながら、黙ってチャイを飲む。
「アリス様は……本当に亡くなったのでしょうか?」
手にしたビスケットをぼんやりと眺めながらキャロラインがポツリと呟いた。
「……わたしもアリスに生きていて欲しいと思っているよ……」
キャロラインに本当の事が言えない以上、わたしに言えるのはこれだけだ。キャロラインがわたしを見つめている。わたしもキャロラインを見つめ返す。
「……先程の話ですが……」
キャロラインが静かに口を開いた。
「アリス様がわたくしにウィルバート様と結婚して欲しいと言ったのは事実です」
ただしそれは遺言ではなく、まだアリスが王宮にいる時だったと聞き、頭を殴られたかのような衝撃を受けた。
それだけではない。キャロラインは、アリスがわたしと別れたと言っていたと言うではないか!!
「な、なぜだ……」
わたしがこんなにもアリスの事を愛してるということが、アリスには全く伝わっていなかったのだろうか。別れたなんて、アリスはどうしてそんな事を言ったのだろう。
衝撃を受けたわたしに、キャロラインは頭の中を整理する時間を与えてくれない。
「わたくしはアリス様の願い通り、ウィルバート様と結婚するつもりです。ウィルバート様にはそのおつもりでいてくださいませ」
自分の持てる力全てで、わたしとグレースの関係を壊してみせると宣言すると、自分の侍女だけではなくアナベルをも連れて部屋を出て行ってしまった。
「厄介な事になりましたね」
ルーカスがため息をつくと、
「キャロラインとお前の結婚って想像つかないよな」
っとアーノルドが顎に手を当て考えこむ。
だが今はそんな事、どうだっていい。今気にしなければいけないのは、アリスがわたしと別れたと言った事だけだ。
アリスはくだらない嘘をつくような子ではない。とするならば、アリスは本気でわたしと別れたと思っていたのだ。
「どうしてアリスはわたしと別れたなんて言ったんだろう?」
わたしの問いかけに、アーノルドとルーカスが顔を見合わせる。
「確認するが、本当にお前はアリスに別れたいとか言ってないんだな?」
「当たり前だろう」
アリスを愛しているのに、何故別れ話なんかしなければいけないんだ。
「まぁ指輪渡すって言ってたくらいだし、お前が別れ話をするとは思えねーよなぁ」
アーノルドが同情するかのような顔でわたしを見た。
アーノルドの言う指輪とは、春喜宴の少し前にやってくるアリスの誕生日プレゼントにと用意したものだ。シンプルなデザインの指輪だが、ブルーダイヤモンドはわたしの瞳を、ゴールドはわたしの髪色を連想させてくれる。
誕生日にはこの指輪をプレゼントし、もう一度アリスにプロポーズをするつもりだった。グレース当て馬作戦でわたしへの想いを自覚したアリスは喜んでプロポーズを受けてくれると思っていたのに。わたしはどこで間違えたのだろう。
「クソっ!!」
そう吐き捨てたわたしにルーカスが、
「王太子ともあろうものが……」
っと諌めるが、わたしだって我慢できない時がある。
どこで間違えたか?
そんな事は考えるまでもなく分かっている。わたしの失敗は、アリスの恋心を煽るためにグレースを使ったことだ。
アリスに嫉妬させようなんて思わなければ、グレースに必要以上に期待をさせなければ……きっとアリスはわたしと別れたと思わなかっただろうし、カサラング公爵もこんな手段を使ってこなかっただろう。
「クソっ!!」
拳でテーブルを叩くと、紅茶カップがソーサーの上でガチャガチャっと音をたてた。
「後悔しても仕方ねーだろ。それよりアリスを見つける事を考えろよな」
「そうですね。アリス様なら笑って許してくださいますよ。さぁ誕生日までもう日にちもありませんし、急いで解決する方法を考えましょう」
わたしの自分を責める気持ちを察してくれている二人の言葉に救われる。二人ともわたしと同じようにアリスが生きていると思ってくれていることがありがたかった。
けれどしばらくたっても状況は何も改善されなかった。というより、余計複雑になってしまった気もする。少しでもアリスの情報を得られればと思い、書庫の改装が終わった今でもグレースを王宮に留めていたのだが、それに加えてわたしと結婚したいと公言し始めたキャロラインが王宮で暮らし始めたからだ。
意地でもわたしとグレースを二人きりにはさせないというキャロラインのおかげでグレースと過ごす苦痛は減ったが、これではグレースから何の情報も引き出せそうもない。
大きなため息と共にアリスのベッドにうつ伏せに倒れ込む。少しでもアリスを感じたくて毎夜こうしてアリスの寝室に忍び込むのはルーカス以外には秘密だ。綺麗に整えられたベッドはとても冷たく、喪失感に襲われる。
大丈夫、アリスは生きている。絶対に生きている。
自分に言い聞かせるように、心の中で繰り返した。そうでもしなければ、喪失感に押しつぶされてしまいそうだ。
ゴロリとひっくりかえり仰向けになり、ただぼんやりと天井を見つめる。残念ながら未だカサラング公爵の悪事を暴くことはできていない。
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