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18.胸のホールを埋めてください

409.アキラの悪癖

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アキラ宅に着いて、とりあえずインターフォンを鳴らすが…
鳴らない…?窓という窓のシャッターは閉まってるし…
出掛けてる?イヤでも多分中にいるなぁ


「はぁ…おじいちゃん、たぶんまたアキラが沈んでると思う…
今度は何を勘違いして引き籠もってるんだろう?」

「そうみたいじゃなぁ…
しかたないやつじゃ…」

僕の鍵もあるし、なんなく入れるのだが…
中の様子が気になってドキドキしながら家に入っていくと、外光が入らないため全体的に暗い…



リビングから光が漏れているので、そちらに向かう
扉を開くとソファに座ってアキラが何かをしていた


開かれた扉に驚いてこっちを振り向いた顔は、いつもの寝癖のついたアキラの顔でなんだかすごく嬉しかった



「えっ?ジョン君?会長達まで…
なんで?急に…」
「おまえさんが連絡してこんからじゃろうが!
記憶が飛んでて、三日も意識がなかった人間を、本当は一人にしときたくないんじゃからな?
連絡なかったら乗り込むっと宣言しといたはずじゃぞ?」
「えぇ!あれは初日だけの話じゃ…」


おじいちゃんとアキラが言い合ってるのを気にせず、ローテーブルの上に散乱しているものに目が行く…大きな針とか黒い綿とか
何よりも白くてフワフワでこの手触りに微かに残る臭い…


「コレ…僕の毛だよね?」


ビクッとアキラの体が跳ねて、恐る恐るこっちの様子を見てくる



「はっ?何この量…もしかして貯めてたの?やめてよ、虫が湧くじゃん!
捨ててよ!」


アキラのソファの横には大型の圧縮袋いっぱいの白い僕の毛


それを取り上げようと手を伸ばすと
アキラが阻止をするように袋を抱きしめた


「湧かないよ!ちゃんとしっかりと手洗いして乾燥機にかけて、無香料の防虫剤これでもかって入ってたもん!
だめぇ、すごく大事にして管理してあったから…
捨てるとか絶対にやめて!」

「はぁ?馬鹿なの!アキラ何してるの?それ僕にとっては胸毛とかワキ毛とか貯められてた感覚だよ?
やめてよ恥ずかしい…絶対に捨ててやる」

「イヤだ!絶対にイヤだ!胸毛だろうがワキ毛だろうが、こんなフワフワで可愛い毛なら問題ないよ!
なんか記憶はないけど、僕のこだわりみたいなのめちゃくちゃ感じるの…
絶対に死守する!」



ギャイギャイ言い合ってたら、おじいちゃんとシノダ教授と田中さんに生温かい目で見られてしまっていた。
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