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18.胸のホールを埋めてください

417.君の昔を知る  (sideシノダ教授)

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「う~ん、たぶん記憶は一年半くらい前からなくなってるね…
体調面とかはどうなの?やっぱりよくなってる感じなのかな?」



アキラ君の覚えている日々のニュースや学会の発表情報などから、記憶が消えている期間はすぐに割り出せた。



「えぇ、驚くほど改善しています。
僕の記憶の中では、絶え間ない頭痛と吐き気と倦怠感で一日に五時間くらい活動できたらいい方でしたから…」


痛ましいアキラ君の言葉に眉間にシワが寄る


「…それはもう末期も末期だね
ふ~ん、計算があわないなぁ
会長、アキラ君に初めてあったときはそんな感じではなかったんですよね?」

「あぁ、初めてあったときは巧妙にわしに突っかかってきてたが…
それこそバイクに乗るわ自転車に乗るわで、今とあんまり変わっとらん感じじゃぞ?」

やはりアキラ君が記憶がある時期から会長に出会う半年くらいの間で、アキラ君の症状は急激に改善されているのだ…


「僕も驚いてます。僕の見立てだと…それこそもう数ヶ月くらいで死ぬと思っていました。

それが目覚めたら、体は楽だし、憧れの教授に治療してもらえてるし、それにこんなに可愛い恋人までいるし…

ここは天国じゃないかな?って思ってます」



アハハっと屈託なく笑って、ジョン君に目配せをするアキラ君に苦笑が漏れる。

辛すぎる事柄を心を守るために記憶から喪失するっという記憶障害はある。
しかしアキラ君は違う…
話を聞いていると忘れている事の方が断然幸せだったはずだ。



「かなり延命してるね、悪いけど僕が君に初めてあったときに感じた余命は一年から二年だよ…
かなり差異があるんだよねぇ

なんでだろうなぁ…」



たぶんこれはいくら考えていても答えはすぐにはでないだろう
今はそれよりも…

「まぁとりあえずこのことは棚上げかな?
あと僕の鑑定だとね気になるのが…
ん~ちょっと…イヤ、まぁこれはまぁいいかな?

それより今後の治療の話をしよう!
いつからできる?もう一緒に寝たんでしょ?明日にでもできる?」



アキラ君の笑みが引きつって、ジョン君が小さくため息を吐いた。
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