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20.胸のホールを埋めてください 3

515.怯える二人

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「アキラ…どうしたの?寝れないの?
まだ寒いから、そんな格好してたら風邪ひいちゃうよ?」




リビングでソファでアキラがお茶を飲んでいた…俯きながら


「あぁ…ジョン君ごめんね…
起こしちゃったかな?
なんか寝れなくてね…」



僕に気づいてすぐに顔をあげて笑ってくれる
薄くなってきてたクマが、濃くなってきている…



「シノダ教授がもしひどいなら、睡眠薬を処方してくれるって言ってたけど、お願いする?」



アキラに近づいて目の下のクマを優しく撫でる、せっかく薄くなってきてたのに……



「睡眠薬ならうちにもたくさんあるよ
それこそ、気休めレベルからミノタウロスも爆睡させれるものまで揃ってるよ?
でもまぁ、実害はなさそうだから大丈夫じゃない?」




呑気な返答の恋人が恨めしい…
僕はアキラの不調が些細なことでも心配なのに…




記憶を失くしたとき、あの熱を軽く見なければよかったかもしれない
もっと早くシノダ教授に見せてたらよかったのかもしれない




「それでも…アキラはあまり体力ないから、なるべく寝なきゃ
前ね僕がアキラを困らせて、不眠と過労で倒れさせちゃったことがあるんだよ…、僕…心配だよ」




優しくアキラを抱きしめると、やっぱり体が冷えてしまっている
アキラが僕の首に手を回して抱きしめ返してくれる




「うん、ありがとう…心配かけて、ごめんね…本当にごめんね」




アキラは最近、すぐ謝る…
何を後ろめたく思ってるの?
記憶が思い出せないこと?
そんなのアキラのせいじゃないのに…
なんでそんなに辛そうな顔をするの?



「体冷えちゃってるね…ホットミルクでも作ろうか?
体が温まるよ?」



「ありがとう、でもいいよ…
ジョン君に抱きしめてもらってれば、温かいから…
ずっと、離さないで抱きしめてて…

このまま抱っこでベッドまで連れてってほしいなぁ
そしてそのまま一緒に寝るの
きっと気づいたら夢の中だよ、ねぇお願い……」



僕の腕に頬をすり寄りながら、そんな可愛いお願いをしてくる
本当に甘えるのが上手なアキラ




ベッドに下ろして抱きしめても、やっぱりうつらうつらはするのに、すぐにビクリッと目覚めてしまっている
そして僕の顔を見てほっとした顔をするんだ…



「側にいたい…ずっと…ジョン君の側にいたいんだ……」



泣きそうな顔で、辛そうに何を呟くの?
側にいるよ、ずっと側にいるのに…
アキラはどうしてそんなに、不安がってるの?




あの時のアキラを思い出す…
僕が消えるって泣いていたアキラ
僕が側にいるのに、僕が消えるって怯えていた……
アキラ……また僕を……忘れるの?
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