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24.捕まえる僕

630.有史前の存在  (side会長)

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有史以前の存在というものがこの世の中にはいる
それは神族や魔王などと呼ばれ、確かに存在しているとわかってはいるが
ほとんど確認がとれていなく
そして恐れられ尊われ信仰されてきた者たちだ。
そして目の前にいるのは、その者たちと同等な存在の巨人族に間違いない


「おじいちゃん…アレは…あのっ!嘘でしょ?神話の……えっ?」


マサトも信じられないとばかりに、目の前の美しい女性から目を離せないでいる。


「お入りになってくださいな、私もあなた方とお話がしたいのです。
さぁ、お紅茶が冷めてしまいますわ?」


美しいが腹にくるように響く声に、笑うほど力が入らない膝を叱咤して歩を進めていく。
部屋の扉が閉まった瞬間、ワシは膝を付き床に頭を着けていた。


「この度は、そちらのご子息のアキラ君を預かっているにも関わらず
あのような怪我を負わせてしまい、申し訳ありませんでした。
私の監督不行き届き、力不足によるものであり、弁明のしようもありません、本当に申し訳ありませんでした。」


もうこれほどの絶対的強者など、何年いや何十年ぶりに対峙した。


美しい金髪のカールした長い髪に切れ長な目に高い鼻筋、しっかりとされた化粧がよく映える華やかな顔立ち
サテン生地のパールの光沢の胸元が開いているロング丈のドレス姿でため息が出るほど美しい姿だが
身長は優に3メートルは超えている。


「あぁ、そう……、話は聞いております。
そうですはね、そちらのジョン君とアキラはお付き合いしてると言うことでしたはね?
それなのに……、あのような姿で逃げ帰って来られてはね?
貴方がジョン君よね?……ふぅ…」



ダンッ!!

大きな音に顔を上げれば、横で同じように土下座をしていたジョン君が壁に吹き飛ばされていた。
ジョン君のいた場所には、美しい立ち姿で微笑んで立つQueenクイーンがいて


「あなたねぇ…、うちのアキラと付き合うなら強くなりなさい!
この程度の強さで、アキラを守りきれずに…、あのような怪我を負わさせるなど以ての外!
その代償はどうしていただこうかしら…?」


いかん…最悪な筋書きにワシの体は震え上がる。
思わず必死にQueenクイーンの足にすがりつく


「おっしゃる通りです。
本来ならこのジョンが、アキラ君をお守りしないといけなかったのですが…
このようなことに…
しかしどうか命だけは、もし気が収まらないとおっしゃるなら!
この老いぼれの命で、どうか手を打ってくださいませぬか?どうか…どうか…」


必死にすがるが…チラリともワシの方に目も向けず
ジョン君に向かって射るような冷たい視線を向けている。


ジョン君は吹き飛ばされたまま、壁に背をあてて荒い息を繰り返している。
目は見開かれて顔からは恐怖が滲み出ている。


このままでは本当に…、どうすればいいっ、どうすれば……


「ママっやめてよ……」
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