太陽と月の禁断

東 万里央(あずま まりお)

文字の大きさ
1 / 90
第1部

00.プロローグ

*無理やりの描写があります。苦手な方はお気を付け下さい。(五行下)





 あきらのぞっとするほど美しい微笑みがわたしを見下ろしている。その笑顔を見上げるわたしの顔には涙の痕がいくつもあった。

 ここはわたし達が生まれ陽が育った洋館の、樋野家の当主と正妻のためだけの寝室――通称「薔薇の間」と呼ばれる部屋だ。その天蓋つきのベッドの上でわたしは陽に、血を分けた双子の弟に犯され続けていた。

「ひっ……やっ……ああっ……」

 もう何度体の中に熱を放たれたのか分からない。すでに喉は枯れ絶望と疲労だけがわたしの目に浮かんでいた。それでも突き入れられるたびまだ声が漏れ出る。

「陽、もうやめてぇ……。こんなの、駄目だよぉ……」

 衣服はすべて取り払われ、手首はロープで拘束され、ベッドに大の字に繋がれている。もう何日目になるのだろうか、朝と夜を数える気力すらない。誰も助けに来ないことは分かっている。お父さんも、お母さんも、パパも、ママも、一樹君も皆いなくなってしまった。

 ずるりと陽の熱が体から一気に引き出される。白濁と蜜の入り混じりがどろりとシーツに流れた。

「お願い、陽。わたし、も、もう……」

 また涙がとめどなく零れてくる。

「駄目だ」

 陽は優しい、優しい、優しい声で告げ、わたしの目の端から流れる雫を啜った。

「好きだ、瑠奈るな。誰よりも愛してる」

 わたしの胸もとに形のよい唇を落とし、いくつもの赤い花を散らす。

「あ……」
「このまま永遠に一緒にいよう。俺たちは太陽と月なんだから、決して離れてはいけないんだ」

 そして再び楔をわたしの体にずぶりと容赦なく打ち込んだ。

「あああーっ……」

 わたしは悲鳴を上げ、限界まで身を仰け反らせた。陽が腰を激しく動かし始める。結合部がぐちゅぐちゅと嫌らしい音を立てた。わたしは体を揺すぶられながらただ喘ぐ。

「あっ……あっ……あっ……」

 陽のどこか上ずった声がわたしの耳に届いた。

「瑠奈、きれいだ。俺に抱かれるお前は、誰よりきれいだ……」

 どちらのものともつかぬ体液が、繋がる箇所から漏れ出して来る。わたしはその熱さとおぞましさに吐息を洩らした。

「瑠奈……俺だけの瑠奈」

 陽は言葉とともにわたしの腰を抱える。ぐい、とその一点に全ての力を込めた。

「あ、う」

 身体と身体の繋がる箇所が更に深く重なり、陽はついに私の一番奥へと入り込む。胎内で陽の欲がみるみる膨らみ、わたしの中で弾けるのを感じた。熱い迸りがどくどくと注ぎ込まれる。

「いやあ……」

 わたしは喘ぎながらもうつろな目で陽の顔を見上げた。どうして?と唇から声にならない声が漏れ出る。

 どうしてこんなことになってしまったのだろう? 

 わたしは陽に組敷かれ貫かれながら、確かに幸せだった八月のあの日を思い出していた。
感想 3

あなたにおすすめの小説

触れられないはずの私が、ただ一人の彼にだけ心も体も許してしまいました

由香
恋愛
男性に触れられると体調を崩す令嬢リリア。 そんな彼女にとって唯一“触れられる”存在は――幼なじみの公爵令息レオンだけだった。 手を取られ、抱き寄せられ、当たり前のように触れられる日々。 それがどれほど特別なことなのか、彼女はまだ知らない。 やがて政略結婚の話が持ち上がり、“触れられない相手との結婚”か、“彼に触れられる人生”かを選ぶことに。 「お前に触れていいのは俺だけだ」 逃げ場のない独占と、甘すぎる溺愛。 これは、触れられないはずの少女が、ただ一人にだけすべてを許していく物語。

皇帝の愛妾を痛めつけたら、相手は皇帝の姉でした

由香
恋愛
後宮で最も愛された妃・麗華。 ある日、皇帝に寵愛される“謎の女”を敵と誤解し、手を下してしまう。 だが―― その正体は、皇帝の姉だった。 「……遅かったな」 すべてを失った後で知る、取り返しのつかない真実。 愛も地位も壊れた先に残るのは、静かな後悔だけ。 これは、「愛されたかった女」が、すべてを壊すまでの物語。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす

小木楓
恋愛
完結しました✨ タグ&あらすじ変更しました。 略奪された大納言家の香子を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。 「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」 「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」 大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。 しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。 強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。 夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。 恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……? 「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」 逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。 それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。 「一生、私の腕の中で溺れていろ」 守るために壊し、愛するために縛る。 冷酷な仮面の下に隠された、 一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。 ★最後は極上のハッピーエンドです。 ※AI画像を使用しています。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

藤白ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end** ◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です! https://estar.jp/novels/26513389

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて

アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。 二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき