鸞翔鬼伝 〜らんしょうきでん〜

四章 礎

二十．睦み合い 〜篠との契り〜 ＊

（男女の性表現有ります）






訓練の無い夜、翔隆は篠と二人きりで向かい合う…。
篠姫は布団の上に正座して、じっと愛しい翔隆を見つめている。
かたや翔隆は緊張して座り、目を泳がせていた。静かに、時だけが過ぎる…。
〈いかん…約束は約束だ〉
そう自分に言い聞かせて、翔隆は篠姫の頬に手を触れる。そして、そっと口付けた…。
「殿……」
篠姫は頬を紅潮させて、翔隆を見つめる。翔隆は微苦笑を浮かべて篠姫を見た。
〈…小さいな……壊れそうなのに…〉
そう思いながらも、翔隆は篠姫を抱き寄せて床に寝かせる。そして、頬に口付けして、首筋、肩へと口付けた。
そっと襦袢を脱がすと、白い肌が露わになる。
すると篠姫は恥ずかしそうに手を口元に当てて、目を伏せる。
「殿…優しゅうして下さいませ…」
「う、うむ…」
答えて乳房を触ると、柔らかい膨らみがあるのに気付く。
〈まだ十なのに…胸があるのだな…〉
女子の発育は早いのだろうか？
などと思いつつも、乳房を揉んで反対側の乳房を舐め、乳首を吸った。
　出来る限り優しく、そっとやらなくては…。
乳房を撫でながら舌を躰に這わせると、篠姫は身を捩よじらせた。
「ふふ…くすぐったぃ…」
「あ…すまん、嫌だったか？」
「いえ…殿のなさりたいようにして下さいませ」
「…分かった」
答えて、翔隆は篠姫の足を撫でながら持ち、その奥の秘部を触る。
そろそろと撫でてから顔を近付け、舐めた。
秘部を少しだけ広げて、舌を押し入れて舐め上げていく。
小さな花弁の中はとても狭くて、本当に大丈夫なのかと不安になる。
よくほぐしておかなければ、避けてしまうのではなかろうか…？
ちらりと篠姫の顔を見上げると、目を閉じている。
〈…初めは、痛いよな…〉
どうしたら、痛くないのだろうか？
考えながら舐めたり吸ったりしていたら、篠姫が足をもじもじとさせてきた。
「ん？ くすぐったかったか？」
尋ねると、篠姫は息を荒げながら翔隆を見つめる。
「分かりませぬ……何故か息が…」
「………」
どう答えていいか分からずに、翔隆は体を起こして篠姫を見る。
篠姫は頬を紅潮させて目を閉じている。
…どう、受け取っていいのか？
〈分からん…挿いれるべきなのか…？！〉
翔隆は躊躇いながらも、篠姫の細い足を持ち上げる。
「…痛いと思うが…」
「殿…その先は、仰らないで」
言葉を遮られ、翔隆は黙って秘部に己の男根を押し当てた。これ以上何か聞いては、女に対して失礼というもの…。
躰ごと挿れると、篠姫の躰がビクリと跳ねる。
「いっ……！！」
叫び掛けて、篠姫は己の肌襦袢を噛み締めた。それを見て、翔隆は眉をひそめながらも篠姫の腰を抱き、一気に貫く。
「んんーっっ！！」
更に腰をゆっくりと動かすと、激痛が篠姫の全身に走り、気を失いそうになる。
「くうぅっ！！」
それでも必死でギュッと襦袢を掴んで引き寄せ噛み締めながら、目を瞑った。
〈これが、睦み合い…！〉
乳母に聞いていた話の通りだ、と思う。
　
　「初めはとても痛いですが、慣れればとても良くなりますよ」
と、聞いた…。

どの位〝これ〟をすれば慣れるのかは分からないが、とにかく、やっと愛しい夫と一つになれたのだ。
〈絶対に、泣き叫んではいけない！〉
泣いてしまえば、優しい翔隆の事だ…すぐにやめてしまうだろう。
それだけは嫌だった。
　
　　　三年も待ったのだ……。
　
　翔隆と繋がりたくて、早く子供を儲けたくて、ずっと待ち焦がれていたのだ。
　
　…侍女の似推里と好き合っていると聞かされても…それでも、〝正室〟は自分なのだ、と言い聞かせて嫁ぐ日を夢見ていた。
　そして、やっと一つになれたのだから！
〈殿……殿はっ…〉
きっと、自分よりも泣きそうな顔でやっているに違いない。
そんな顔が脳裏に浮かび、篠姫は目を開けて翔隆の頭を両手で包み込んだ。
「篠……」
「殿…篠は大丈夫です。…どうか、そのまま…」
そう言い、ぎゅっと翔隆の頭を包む。愛しい人の泣き顔は見たくない。
それも、睦み合いの最中に。微笑んでくれるなら、ずっと見ていたいが…激痛で涙が出てしまうので見られない。だから、敢えて顔を隠した。
自分の泣いた顔も見られたくなかったからだ。
頭を抱えられて、何も言えなくなった翔隆はそのまま腰を動かす。
〈辛いだろうに…〉
悲鳴を上げられたら、すぐに止めようかと思っていた。
痛いのは当たり前だから、徐々にやれば、と考えたのだが…篠姫はそれを察知したかのように、声を出さずにいる。
か弱い女子にここまでやらせて、止めてしまったら恥を掻かせてしまう。
翔隆は決意を固めて、ぐっと奥まで挿れる。
「んんっ！！」
「…許せ。痛ければ、叫んでも構わん」
そう言うと、翔隆は上体を起こして篠姫の両足を掴んで自分の両脇に置くと、腰を持って貫いた。
「んっ、ううっー！！」
ビクリと篠姫の両足が跳ねるが、構わずに腰を動かした。
「んあ、あ、あああっ！！」
激しくなったので、篠姫は堪えられずに背を反らせて目を見開く。
「ああああっ！！」
痛みで翔隆を見る事も出来ず、全身を仰け反らせた。篠姫はそれでも拒むまいと、必死に両手で布を掴む。
早く気を放てば、篠姫の負担も無くなる。そう思い、翔隆は激しく腰を動かした。
「あ、いっ、ああ！！」
何度も何度も突かれる度、中で擦れる度に激痛が襲う。
〈早く慣れて…っ！〉
篠姫はそう強く願いながらも耐え続けた。
何度目か分からないが、翔隆が気を放ち、動きが止まった…。
痛みで放心し、ぐったりとしていると、頬に口付けられ頭を撫でられる。
「殿……？」
「…頑張ったな」
翔隆は床に付いてから、初めて笑顔を見せた。
「殿…！」
それが無性に嬉しくて、篠姫は翔隆に抱き付く。
嫌々やった訳でも、義務でやった訳でも無い。そう思えて嬉しかったのだ。
翔隆はそんな篠姫を、優しく抱き締めた。


　　【ここまで】