金の羊亭へようこそ! 〝元〟聖女様の宿屋経営物語

紗々置 遼嘉

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第一章 始まりの館

Chapter149 ドレミの歌

 夕方にはユスヘルディナも帰ってきたので、紅茶を出してみる。
「うん、どれも美味しい!」
「そう?良かった。ダージリン以外は自由に飲んでいいからね」
「やったぁ!あ、今日の夜のデザートに栗マンジュウ2つ確保で!お金が貯まったんだ~♪」
「あんまり使わないようにしないと」
心配してフィナアリスが言うと、ユスヘルディナは「はーい」と答えて荷物を置きに行く。
「今日はハンバーガーとスープとフライドポテトでいいかしら?」
「やった!」とルベルジュノー。
そこにリュカシオンも帰ってきた。
「ただいまー!」
「あらお帰りなさい、早かったのね」
「明日から忙しくなるから今日は早く帰れって言われてさ。ミモザ入れてくる」
そう言いリュカシオンは階段の踊り場のカゴに伝言鳥のミモザを入れに行く。
リュカシオンが降りてきたのでアルシャインが紅茶を淹れる。
「リオンは好きかしら…これがアッサム、これはアールグレイ、これはブレンドよ」
「何?紅茶?」
リュカシオンは一口飲んでから頷く。
「うん、美味い!」
「良かった。ダージリン以外は自由に飲んでいいからね」
リュカシオンにも伝えておいて、アルシャインはフィッシュハンバーガーを作る。
その時、カシアンが帰ってきた。
「ただいまー!飯に間に合った?!」
「お帰りなさい、間に合ったよ」
笑いながらレオリアムが言う。
「後でお給金と家賃について話さないとね~」
アルシャインはお皿を並べながら言う。
「あー…じゃあさ、家賃とプラマイゼロじゃ駄目かな?」
「ゼロは駄目よ。護衛をしてもらうんだから」
「だってまだ伯爵家から給金貰ってるし、悪いよ。その分は寄付って事で」
「寄付ね…ん~…じゃあアルベルティーナのレストランとレオリアム医院の寄付箱に入れるわ!」
アルシャインが笑って言うとカシアンは頷いた。

 今日のディナーもてんてこ舞いだった。
「野菜ライスコロッケとソーセージブリトーお待ち!」とルベルジュノー。
「はい季節のフルーツタルトです!」とオルランド。
お土産もたくさん売れて、追加注文まで入ってパイを作った。
「今日はおやつの日なの?!」
ティナジゼルが言うと、お客さん達はくすくす笑う。
「もうここがみんなのレストランなんだから、頑張ってくれよナージィ」
愛称で呼ばれてティナジゼルは半分怒りながらもキャンディを詰める。
ベアトリスも丁寧に袋に詰めていた。

お客さんが少なくなったので、アルシャインはピアノを弾く。
「ドレミ、ドレミ、ドレミの歌だ♪ドレミファソラシドいくつある~?」
「ん?ドレミファソラシド…8つ!」とベアトリス。
「せいかーい!レモンとバナナとキュウリと梨、お野菜どーれだ?」
「野菜……キュウリ?」とマリアンナ。
「うん、正解♪簡単だったね、さあ行くよ~♪ミモザの花びら33枚フッサフサ♪3つに増えたら花びらは何枚かな~?」
「え、急に難しくしないで!」とクリストフ。
「33が3つになると~?」
「あ!99!」とオルランド。
「せいかーい!ファルファッレを45個茹でたらトマトソースを掛けて34回かき混ぜて~さあいくつ~?」
「ファルファッレってなぁに?」とティナジゼル。
「蝶々リボンの形のパスタよ~♪」
「あれ?えっと45と35?」とルーベンス。
「ファルファッレを45個茹でたらトマトソースを掛けて34回かき混ぜて~さあいくつ~?」
アルシャインがもう一度歌う。
「あ、79!」
「せいかーい!空にはキラキラお星さま、無数にきらめくお星さま、あ流れ星だ!1・2・3・4・5・6・7・8、12345678、12345678ついでに5つも、さあいくつ~?」
「え?分かんない!」とクリストフ。
クリストフとメルヒオールとティナジゼルとベアトリスは、皆を見る。
「12345678を足して………えっと36で…」
アルベルティーナがテーブルに指で書いて計算する。
「えーと…112!」とユスヘルディナ。
「あ、113!」とリナメイシー。
「リーナせいかーい!」
「やった!」
とリナメイシーは小さくガッツポーズを取る。
「らくだの行列1・2・3、3・2・5の4・2・2さあいくつ~?」
「123と…」とティナジゼル。
小さい子供達が指を折って数えながら頑張っているので皆で見守る。
「さんにーごーの…」とクリストフ。
「らくだの行列1・2・3、3・2・5の4・2・2♪」
「24!」とメルヒオール。
「せいかーい!白い雲がモクモクだぁ、あ、羊雲!数えてみたら58個!風で32個飛ばされたら何個かな~?」
なるべく小さい子供達に解かせてあげたいので、皆は掃除と片付けをしながら見ていた。
「えー、分かんない…」とベアトリス。
「ヒント!5から3を引くといくつかな~?」
「2個!」とクリストフ。
「うん!じゃあ8から2を引くと~?」
4人は両手の指を使って数えて、ほぼ同時に言う。
「ろくー!」
「それをつなげると~?」
「26ー!」
クリストフとメルヒオールとティナジゼルとベアトリスが一斉に答えた。
「はい、せいかーい♪ドレミの歌だ、ドレミの歌だ、ドーナツ3つを半分にしたら何個かな~?」
「6つ!」とティナジゼル。
「それを半分にしたら何個かな~?」
「えっと…えっと、12!」とメルヒオール。
「そこから4つ食べちゃうと何個だ~?」
「4つ…」
「はい!8つ!」とティナジゼル。
「せいかーい!ドレミファソラシド、ドレミの歌だよドシラソファミレド、ドレミファソラシド全部でいくつ~?」
「24?」とルーベンス。
「あ!ドレミがあるから27よ!」とユスヘルディナ。
「ユナせいかーい♪また明日~♪」
お客さんが立ち上がったのでそう終わらせてピアノをしまう。
みんなで片付けてから、ユスヘルディナは栗マンジュウを四等分ずつにして女の子皆で分ける。
男の子は余ったコロコロドーナツとボーロとクッキーを掛けてジャンケンをした。
それを横目に、ベアトリスとリナメイシーとフィナアリスがグリーンティーを買って淹れて持っていく。
「なんで買っておかないのかしら」とマリアンナ。
「きっとジャンケンが好きなのよ」とリナメイシー。
みんなは2階に上がって思い思いの時間を過ごす。
アルシャインはミシン部屋で自分のワンピースを作った。
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