デルモニア紀行

富浦伝十郎

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グリュン大森林

人材確保

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(  ビックリさせんじゃねぇよ !  )

 男の頭をもう一度叩きたくなるのをぐっと堪える。

「前より元気になった??? …こんなことまで ! 」
自分の体調に驚くハンター。 ( 鼻血拭けよ )
「アリガトウゴザイマス! こ、こいつもお願いします ! 」
我に返って相方の介抱を依頼して来る。
( 分ってるって !  )

「ヒール!」
既にセットを終えていた俺は相方にも”4倍ブースト”のヒールを掛けた。

「おぅふ! ・・・あれ??」
俯せに倒れていた相方は体を起こすと怪訝な表情で自身の体を撫で回した。
顔色も極めて良好だ。 鼻血は出ていないが完全回復+αといった処か。
( "ブーストヒール" 使えるな ! )

 先に回復した方のハンターがもう一人を促して揃って正座の姿勢を取った。
「此度は申し訳ありませんでしたっっ!」
二人揃って土下座して来る。
「また 御助命頂きましたことまことに有難う御座いますっ ! 」
「そういうのはもういいから」
俺はハンターの口上を遮って話始めた。

「もう お前等は俺の手下になったんだからそう畏まらなくていいぞ。
 俺は堅苦しいのは好かんのだ。 脚を崩して俺の話を聴け 」
俺が指示すると二人は胡坐を組んだ。

「 俺は”アキラ” という。キツネじゃないぞ。 お前らの名前を教えろ」
「ホセです」
「フリオっす」
「ホセ、フリオ。 いいか よく聴け。
 お前等には別にヤバい仕事をして貰う訳じゃないから心配するな。
 最近俺はデリドールに ”冒険者組合” という組合を立ち上げた。
 まあギルドみたいなものと思ってくれたらいい。
 街の人達や他のギルドから色々と依頼を引き受けて解決する仕事だ。
 護衛や討伐とか危険を伴う仕事もあるけども悪事は御法度 ってな。
 …分るか ? 」
「「 はい! 」」
揃って答える二人。
俺は二人に 人道や人情、法律に外れるような依頼は受けない事、
無理スジの依頼を組員に強要するつもりはない事 等を説明した。
その上で 討伐や 護衛依頼をこなせる人員が足りない事も話す。
そういう人材を招聘したり育成したいと考えている、と。

「お前等なら適任だろう」
弓の腕は確かだ。フィールドでの経験に富みモンスターとも闘える。
依頼を任せるのは勿論、組合員の指導にも当たって貰いたい。

「(組合員に)弓を教えてやってくれ 」
第一支部の場所と支部長の名前を教え 指示に従うよう伝える。
「「お安い御用で!」」
どんな無理難題を吹っ掛けられるかと不安な表情もあった二人が即答した。
俺は二人に剣二本と弓一張を返し、加えて白金貨を渡す。
「俺も”弓”を鍛錬したいんでな。 もう一つはそれ白金貨で何とかしてくれ」

「え こんなに!」
二人のハンターはあんぐりと口を開けた。
( ポルシェが買える額だからな )

「俺は金持ちなんだ。 余ったら他の組合員にも見繕ってやってくれ」
「「分かりました」」
「じゃあ 頼んだぞ。 ガルドス達に宜しくな!」
納得した二人の様子を確かめて手近の大樹の枝に跳び乗った。
呆然と見上げるハンター達に枝の上から呼び掛ける。

「分かってると思うが 裏切ったら許さんからな?」
慌てて正座し直して土下座の体勢を取る二人。

( "指導員" ゲット~ ♪ )
組合の懸案がこれで一つ解決した。
警戒を怠らぬよう気を引き締めつつ 俺は森の深奥へと樹上を跳び進むのだった。





 


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