デルモニア紀行

富浦伝十郎

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グリュン大森林

ヨーコの情報

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 (開発室から来た)ヨーコの話によれば今この世界ADサーバーのNPC達は調整中らしい。
その影響でデリドールみたいな都市には入れないのだという。 
( ヨーコを俺に引き合わせる為もあった先程の試験調整体ハンター二人組とかは別として )
暫く対人イベントは無い。

「・・この森にはエルフ族が棲んでる筈なんだけどな」

 エルフやドワーフ等の亜人種もFQ中での扱いはNPCと変わらない。
グリュン大森林のエルフは元々エンカウント率が非常に低いと言われている。
森に潜み人前に姿を現さない彼等は 敵対勢力ではないので討伐対象にならない。
エルフに関する定常的なイベントは存在しないとされている。
『こうすれば出て来る出会える』 というパターンが知られていないのだ。
極稀に目撃情報がネットに上がるけれども真実かどうかも定かでない。
目撃するのはビギナーが殆どで 名の通ったベテランからのレポートは皆無。
FQではモニタプレイのようにスクショや動画は撮れないので”証拠”もない。
エルフはキーイベント等には登場するので種族として存在するのは確かなのだが。
広報画像にも ”大森林のエルフ” は出ていないので実在が疑われている。
かく言う俺も見た(会った)ことはない。   ”謎の存在” だ。

 今回EクラスプレイヤーとしてLv1 ゴブリンでスタートしたので ”ひょっとしたら”
という期待を抱きつつ森に入った、というのが正直な処だ。
( 俺は既に Lv20を超えてしまい ビギナーと言えるか微妙になってしまったが )



「この森にエルフは居ますよ」
ヨーコが言った。
「尤も今回我々が遭遇することはありませんが」
(”噂”は本当だったのか !)

「そうなの?  てか何で知ってる?!」
俺はヨーコに詰め寄った。
”グリュン大森林のエルフ” はFQの七不思議の一つと言われてるんだぞ。

「申し上げましたように私はFQの企画開発室におりましたので」
ヨーコは心なしか得意げな表情で顔を上げた。
「閲覧可能な資料は全て閲覧・記憶しております」
そう言って自分の ”頭” を指す。
・・・初めて見たな。  ( これがヨーコの ”ドヤ顔” か!  )


そうか。 ヨーコにはディスクやカードのような媒体は不要だもんな。







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