デルモニア紀行

富浦伝十郎

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赤土帯

魔導修行 part 2

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「今度はストーンショット(SS) 行くぞ ! 」
初期スペルのFBはマスターしてナントカボーナスで消費MPも半減できた。
Lv1から使用可能な炎系魔法には他にフレイム( F ) というのもある。
指先に蝋燭の炎くらいの火(初期レベルの場合)を灯す、というものだ。
長時間持続するので洞穴等の暗がりで照明に使われたりする。
消費MPは1だ。
これもマスターしておくかだが消費MPの最小単位は1だ。 ボーナスは使えない。
それにフレイムをカンストさせるには膨大な時間が掛かる。
FBのMP消費が1となった今、重要度が高いとは言えない。
時間に余裕がある時に取り組めば良いだろう。

 となると初級水魔法のヒールが候補に上がって来る訳だが。
ダメージを負った治療対象がいない。 俺もヨーコもHPは満タンだ。
俺達がヒールを掛け合ったら鼻血ブーになってしまう。
ヨーコの攻撃を受けて俺が自分を治す、というのも考えたがそれは痛すぎる。
俺にはこれっぽっちもMの気は無いしな。

 スキルLv2に上がり解放されたファイアーブロー(FBL) はどうか。
FBLは火炎放射器のように円錐形の炎を前方に吹き出す攻撃魔法だ。
デフォルトの拡散角度は30度くらい。 範囲攻撃としても使用できる。
かなり "使える" スペルではあるが、俺達は先程FBをマスターしたばかりだ。
また炎系というのはどうか。

 上に上げたスペルの他にLv2になって解放されたスペルはあと二つ。
土系のSSと風系のウインドブレード(WB) だ。 
何方も消費MPはFBと同じ2となっている。
SSは石礫を放つ魔法で上級魔導士はデカい岩を発射して敵を圧し潰したりする。
( デフォルトでは石のサイズが上がっていくのだ )
WBは鎌鼬のように空気の斬撃を放つ魔法だ。ウインドカッターとも呼ばれる。
この何方かで迷った。
"投石" をカンストした俺に(初期は) 石礫を数十m飛ばすだけのSSは今更だろう。
剣士ジョブと疾駆スキルに加えセパレーター切れぬものなしを持つ俺にWBというのもな。
勿論、何れは全てをマスターする心算だ。
どのスペルもアジャスト可能になれば "使い道" は色々思い浮かぶものだし。


 ちょっとの間思案した結果選んだのがストーンショットだ。
理由の一つは 『対面練習がやり易い』 という点。 礫が見えるから避け易い。
"投石" に慣れた俺には初期レベルのSSは小学生のドッジボールみたいなもんだ。
ヨーコのショットにも何とか対応できると思う。 当たっても"打ち身"だしな。
一方ウィンドブレードは視認し辛い。 切り傷だらけの血塗れになりそうだ。
練習時にはイイ防具が要るだろう。


 (  そう言えば俺はまだ裸のままだったな! ) 






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