デルモニア紀行

富浦伝十郎

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赤土帯

我と共にあれ

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     私は其処にいた。
     15名の同胞と共に。
     星空の下 王の御前に向き合って並び 王の声を聞いた。
     王は言われた。
     「安けくして聞け。 我が僕達よ。
      我と共にあれ。 我と共に歩め。
      互いに助け、励まし、諦めず、
      困難に立ち向かえ。 汝らの命を燃やせ。
      我は我が力の全てを持ちて汝らを守らん」
     地獄の戦鬼をも従える王の声音は穏やかだった。
     まだ数を数えるのも覚束ぬ我等であったが
     此処からの事は鮮明に記憶している。
     あの夜、赤土の大地で王国は始まったのだ。

                             虫王紀: 第一章





 俺は16匹のワーム達に、簡単な指示を出した。
俺の傍にいる事、仲間同士助け合う事、俺の指示なく闘わない事、 ・・とか。
正直、はっきりとは覚えていない。
ワーム達がかなり大勢になったので一度は "挨拶"ぽい事もしておかないと、
くらいの考えだった。

 軍隊の教練に似た内容の訓練も 『仇敵必滅!』 みたいな感覚ではなく、
『運動会の練習』 のノリで進めて行った。
勿論、組合の連中と同じくワーム達にもスピード等の基礎スペック強化は施した。
素でも強力なランドワームが更にパワフルになったことは言うまでもない。

 その後ヨーコの第二分隊は主に”連携機動” に重点を置いて突撃を繰り返し、
俺の第一分隊は "個体機動" を主体に三組の相掛かりで修練を重ねて行った。
星明りもあるが、元々地中に棲むワーム達には夜の闇など関係ないようで、
彼らの動きは速度も精度も見違えるように上がって来ている。


「・・・このくらいでいいかな!」

 白み始めた東の空を見て俺は岩屋の天辺に跳び上がった。
( 折角作った石のドームだけれど中で夜を過ごすことは無かったな ) 
ヨーコがもう既に岩屋の前に駆け付けて立っている。

「総員、訓練終了!」

 指揮台宜しく石の半球の上に立った俺はワーム達に号令した。








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