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魔界暦975年 一の月
人間界からの侵入者
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ラウナスの玉座に座り、忠臣であるサルトルの定時報告を受けていた。基本的に毎朝十時と決められている。サルトルに一任するので、毎日の報告は不要と言っても、サルトルは首を縦に振らなかった。
「それはなりませぬ、陛下。信頼して頂けるのは至極光栄でございますが、忠臣だからと言って、過信はなりませぬ。私は絶対的な忠誠を誓い、それを日々の働きで示ているつもりですが、それでも、偉大なる魔王は陛下ただ一人なのです」
「分かった、分かったから。そう怒らないで」
ラウナスは苦笑した。
定時報告では特に何か問題があるようには思えなかった。
「問題はなさそうだな」
サルトルが渋い表情をした。
「一つ気掛かりなことがあります」
人間界と魔界を繋ぐゲートは封印されているはずなのだが、その封印自体の効力が弱っているらしい。
そして先日、ゲートから人間たちが数名、この魔界に侵入したという話だった。
「問題なら排除すれば?」
「もちろん。ただ迷い込んだのなら、それでも構わないのですが、意図的に侵入したようなのです」
「意図的に?」
サルトルは頷く。
「魔王討伐を目的にしてるようです」
「私のことか?」
「いかにも」
ラウナスは立ち上がった。
「それは興味深いな」
「陛下、どちらへ?まさか直々に人間どもを排除するつもりですか?」
「うん?駄目か?」
サルトルは首を横に振る。
「陛下自ら出向くほどの脅威ではございません」
「故意に泳がせてるんだろう?分かっているよ、サルトル。ただ、実戦経験が乏しい魔王というのは情けないじゃないか」
「なるほど。肩慣らしがしたいと?」
ラウナスは笑顔を見せた。
「陛下、暇潰しなのでは?」
「まさか」
さすがにサルトルは鋭い。
「では、誰か共の者を数名用意致します」
「あぁ、いや、メイドを一人連れて行く」
サルトルは驚いた。
「メイド?戦闘には不向きかと」
「いや、それも改善しないとな。人間のメイドたちは魔界生まれで魔界育ち。魔力の素養はあるはずだ」
「その通りですが、ただ」
不安な表情のサルトル。
「私の力はそれほど頼りないか?」
「いえ、滅相もありません」
「では、早速出立の準備を」
「かしこまりました」
サルトルは一礼をする。
「それはなりませぬ、陛下。信頼して頂けるのは至極光栄でございますが、忠臣だからと言って、過信はなりませぬ。私は絶対的な忠誠を誓い、それを日々の働きで示ているつもりですが、それでも、偉大なる魔王は陛下ただ一人なのです」
「分かった、分かったから。そう怒らないで」
ラウナスは苦笑した。
定時報告では特に何か問題があるようには思えなかった。
「問題はなさそうだな」
サルトルが渋い表情をした。
「一つ気掛かりなことがあります」
人間界と魔界を繋ぐゲートは封印されているはずなのだが、その封印自体の効力が弱っているらしい。
そして先日、ゲートから人間たちが数名、この魔界に侵入したという話だった。
「問題なら排除すれば?」
「もちろん。ただ迷い込んだのなら、それでも構わないのですが、意図的に侵入したようなのです」
「意図的に?」
サルトルは頷く。
「魔王討伐を目的にしてるようです」
「私のことか?」
「いかにも」
ラウナスは立ち上がった。
「それは興味深いな」
「陛下、どちらへ?まさか直々に人間どもを排除するつもりですか?」
「うん?駄目か?」
サルトルは首を横に振る。
「陛下自ら出向くほどの脅威ではございません」
「故意に泳がせてるんだろう?分かっているよ、サルトル。ただ、実戦経験が乏しい魔王というのは情けないじゃないか」
「なるほど。肩慣らしがしたいと?」
ラウナスは笑顔を見せた。
「陛下、暇潰しなのでは?」
「まさか」
さすがにサルトルは鋭い。
「では、誰か共の者を数名用意致します」
「あぁ、いや、メイドを一人連れて行く」
サルトルは驚いた。
「メイド?戦闘には不向きかと」
「いや、それも改善しないとな。人間のメイドたちは魔界生まれで魔界育ち。魔力の素養はあるはずだ」
「その通りですが、ただ」
不安な表情のサルトル。
「私の力はそれほど頼りないか?」
「いえ、滅相もありません」
「では、早速出立の準備を」
「かしこまりました」
サルトルは一礼をする。
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