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良い子悪い子お祭り騒ぎ
イベントガチャ
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話し合いの日から3日。
それぞれの代表達は、この日を待ちわびていたかのように嬉々としてアッシュの下に早くから集まっていた。
その場には、今日はアッシュとマウリの他にもう一人いる。
「ガチャをする前に先に紹介しておくけど、こいつは四聖獣の玄武だ。 四聖獣の試練を突破したことで俺の召喚使い魔になった。 この島のことは、俺よりも詳しいからこの後の会議でも協力してもらうからそのつもりでいれくれ」
「玄武だ。 主のために力を尽くすつもりだ。 よろしく頼む」
四聖獣玄武。
四聖獣の試練を突破したことで、アッシュに新しく身につけた契約召喚の力だ。
アッシュは神力を対価にして契約した四聖獣を召喚することが出来る。 契約時にその力の殆どをアッシュに渡してしまった為に、以前のような大きな亀の姿をとることが出来ず魔法も使えない状態だ。 今は人間の初老の男性の姿をしているがこの状態でも身体能力的に言えばSR程度の力はあるというのだから流石は神に近い聖獣といったとこだが、それよりも玄武にはこの島の知識があるのでそれを活用させてもらうべく召喚した。
一度召喚してしまえば、後はアッシュの意志で召喚を解除しない限りは消えることはない。 ただ、玄武の召喚で神力を半分持っていかれているのでそう頻繁に召喚解除はしたくないところだ。
神力をどれだけ使っても1日で回復していた時とは違い、今は四聖獣の影響で島に満ちている神力が他の使徒の修行場にも行くようになっているので回復には時間がかかってしまうのだから。
玄武の使っていた障壁結界は、玄武を倒したマウリへと受け継がれマウリの持っていた結界魔法に融合されて、新しくユニークスキル守護方陣というスキルに進化した。
このスキルは、指定したエリアに自らの魔力で結界を張り、条件を設定する事で特定の者以外は結界の中に入れなくするスキルだ。
言うなれば、結界魔法の強化版なのだが、結界魔法よりも結界の強度が高くなった上に、結界の内部にも予め自身の決めた条件下で影響を与えることが出来それを破ると自動的に結界が作動して結界の外に相手を追い出すことが出きる。
現在は、結果内で危害・悪意を持った行動を起こすことで設定してある。
これにより、外部からの魔物の襲撃の脅威度はさらに低くなり街は安全に守られる状態になった。
問題があるとすれば、このスキルの発動には膨大な魔力を必要とし一度発動すると結界が破壊されない限りは、再度結界を張り直すことも内部の設定を変えることも出来ないということ。
種族の仲がイマイチ良くないとは言え、そこまでの感情を今現在表に出している者はいないのでとりあえずの所は問題になっていない。
「さて、この後いろいろと話合わないといけないからガチャをやっていこうか。 一応言っておくけど、イベントだからって必ず欲しい物が当たるわけじゃないからな」
そして、内容が変更されてから初めてのガチャ。
それもイベントガチャである。
今回のイベント内容は、ずばりSR以上が当たる確率が倍になるというものだ。
5%が倍になるのだから10%・・・イベントガチャは10連なので、10回やって1回は必ずSR以上が当たる計算である。
ただし、みんなが求めているのはLレア。
その確率は倍になっても2%にしかならない。
純粋な運次第だ。
四人の代表達は期待のこもった眼差しで見つめてくるが、こればっかりはホントに何をどうすることも出来ない。
アッシュがガチャギフトの能力を発動されると、目の前にガチャポンの機械が出現する。
見た目は小さな箱のようなガラスケースなのだが、その中には様々な色の玉が入っている。
アッシュがガチャポンの取っ手をゆっくりと回すと、中の玉がそれに合わせてグルグルと回転して混ざり合い、取り出し口から次々に玉が出てくる。
白、白、白、青、青、黄、黄、緑......虹。
おぉ! なんと9個目でLレアが出た!
これには集まったみんなからも驚きと喜びの声が上がる。
(ポトン)
ん? あぁ、そう言えばまだ10個目があるのを忘れていた。
「な、なんだとぉ!!」
そして最後に出た玉を見て、それまで以上に驚かずにいられなかった。
何故なら、
「.....一度ガチャでLレアが2個も出るなんて」
アッシュの手の中には虹色の玉が2つ握られていた。
Lレアが出る確率はイベントガチャのブーストがあっても2%にしかない。
その中でLレアが2つ.......ガチャ全体の中味がどれだけあるのかは不明だが、最近まで人員1万がここに含まれていたことも考えてみても決して中味が少ないとは言えないだろう。 確率としては1個当たるだけでも数千分の一とか下手した万分の一とかいくかもしれない。
その中でLレアを一度に2つも当てたのだから自分の運が怖い。
いや、集まったみんなの期待に答えられたのはうれしいが、この後反転して何かよくないことが逆に起こるんじゃないかって心配になるけど.....これは現実だ。
ひのきの棒 N
ひのきの棒 N
ひのきの棒 N
銅の剣 HN
バール HN
生活魔法スキル書 R
鑑定スキル書 R
魔人の首切り包丁 HR
Lレア以外で今回でたガチャはこんな感じだ。
武器に関しては語る必要はないかもしれないがスキル書とは何だろう?
「マウリさ~ん」
「ウム、分からん。 私たちの元の世界にもスキルという存在はあるが、このようなスキル書というのは聞いたことがない。 だが察するに、これを読んだ者に書かれたスキルを覚えさせるいうことでいいんじゃないだろうか。 まぁ、分からないことは試して見るのが早いがな」
「そうだね。 じゃ、俺は神様から力を貰ってる影響でスキルも魔法も覚えられないから代わりに誰か....フィルフィン生活魔法のスキル書いってみる?」
「残念ですが、私は既に魔法に関するスキルは極めたと言っていいほど所持していまして、生活魔法のスキルも覚えてしまっています」
「そっか。 なら、レオニード.....は魔法が使えないから生活魔法はマックスに使ってもらうとして.....」
「大将、スキルはいらねぇから俺にそのごっつい剣をくれねぇか?」
レオニードが示したのは魔人の首切り包丁。
包丁をそのまま人間サイズまで大きくしたような剣で、首切りという名前がついているだけあって刃の方も鋭くて太い。 おまけに、かなりの重量があって普通に持つだけでも相当な筋力が必要になる。 おそらくは、人間とエルフには持つことが出来ない。 力自慢のドワーフか身体能力に秀でた獣人族のどちらかでないと使えないと思われる。
アッシュも神力で体を強化すれば持てないことはないが、刀の方がしっくりくるので使うつもりはない。
「俺たち獣人は、スキルとか何かよりも自分の腕と武器をよっぽど信頼してんだ。 だから、どうせくれるなら俺たちは武器の方がいい」
試しにレオニードに魔人の首切り包丁を渡してみたら、いとも簡単に持ち上げて感覚を確かめるように振って見せた。
ただでさえ体の大きいレオニードが大きな剣を振る姿は威圧感がある。
うん。
どうせ俺は使わない武器だからあれはレオニードに上げることにしよう。
使ってくれる人の下にあったほうが武器も喜ぶだろう。
残った生活魔法と鑑定のスキル書は、生活魔法をマックスに鑑定を鍛冶で必要になるということからドランに使って貰うことにした。
鑑定のスキルは、人間の中で商人出身の者が何人か身につけているらしいがスキルとしては珍しい物らしく、効果も有用なものでドランとフィルフィンの間で奪い合いになったがフィルフィンには今回は我慢してもらうことにして、エルフにだけ何もなしなのもあれなので次回に良い物が出れば優先的に選ばせることで納得してもらった。
で、スキル書を使ってみた結果はマウリの予想どうりであった。
マックスは生活魔法のスキルを覚え、ドランは鑑定のスキルがステータスに追加されていてスキルの方も問題なく使うことが出来た。
スキル書は今回のガチャの変更によって追加されたのだと思うけど、これはこれで仲間の強化にも繋がることなので正直ありがたい。 今日は使い方を確かめる為に使ったけど、今後は必要な人に必要なスキルを渡せるように考える必要があるだろう。
ただ、仲間が増える以外にもガチャに楽しみが増えたことは間違いないので、次回のガチャも楽しみだ。
一応毎日ノーマルガチャも回してはいるけど、今のところノーマルガチャでは報告出来るような目ぼしい物は出ていない。 ノーマルガチャでも高レアが当たる可能性はあるので、今後はそっちも気合を入れて回すことにしよう。
そして、注目のLレア2つ。
果たして今回はどの英雄が現れるのか。
二つに玉を同時に開ける。
すると、虹色の輝きが部屋を包み込み、それが治まるとその場には二人の女性が立っていた。
一人は、白い服に緑色のローブを羽織った金髪の女性。 手には杖のような物を持っている。
もう一人は、小柄で腰の辺りまで伸びた黒髪が印象的な女性。 こちらは背中に体よりも大きなハンマーを背負っている。
二人に共通して言えるのは、タイプは違うが二人ともマウリに負けず劣らずの美人だということ。
お姉さん風とロリッ子。
マウリの真面目系? を加え3人の違ったタイプの美人女性がこの場にいる。
リースフィア・セレナーデ
種族 ハイエルフ ♀
職業 賢者
固有スキル
創造魔法
未来視
スキル
天弓術
超感覚
魔力吸収
魔法耐性
エリエリーゼ・ストライクハート
種族 エルダードワーフ ♀
職業 戦王鍛冶師
固有スキル
神造鍛冶
ウェポンブレイク
スキル
破槌術
体力超回復
超物理耐性
鉱脈探知
だって。
見てもらったら分かると思うけど、二人はエルフとドワーフ族だ。
そして、相変わらずLレアのステータスはぶっ飛んでる。
マウリに比べれはスキル自体の数は少ないが、その代わり固有スキルを2つ所持していて戦い方に偏りがある。
言うならば、マウリは万能型で二人は近接と魔法の特化型タイプだ。
「ようやく私たちもこちらに呼ばれたのですね」
「随分と待たされたもんだな」
「まったくです。 ですが、呼ばれたのが最後でなくて良かったです。 まさか貴女と同時とは思いませんでしたけど」
「それはこっちのセリフだっての。 何が嬉しくてこっちに呼ばれるのがお前と一緒なんだよ。 貧弱エルフの顔何てみたくないっての。 だが、あいつには悪いが主に会えるのが最後じゃなくて良かったぜ。 きっとあいつ、今頃ピーピー泣いてるぜ」
「脳筋ドワーフはこれだから困るのです。 そんなに人の不幸が嬉しいですか? 卑しい人ですね」
「あぁ? ウチにケンカ売ってんなら何時でも買うぞこら」
呼ばれて早々二人は言い争いを始める。
英雄だからといってエルフとドワーフはやはり仲がよろしくないようで.....。
「ウム、相変わらずだな二人とも。 ケンカするほど仲が良いとは言うが、ケンカをする前にまずは挨拶をする者がいるのではないのか」
「あらマウリお久しぶりですね。 元気そうで何よりです」
「ウチ達がいない間に、随分と主様とよろしくやってたみたいだな」
「ウム、これも先に呼ばれた者の特権ということだな。 まぁ、二人もこちらに呼ばれたのだからそれでいいじゃないか」
「フン、今夜は主様の事をいろいろと教えてもらうから宴の用意しておけよ」
「あらあら、二人だけなんてズルイですわよ。 私もマスターの事を教えてほしいに決まってるじゃないの」
「ウム、今宵はアッシュを酒の摘みに三人で再会を祝うとしよう」
「もしもしマウリさん? 本人の前で何を言っちゃってるのかな?」
「ウム、私は実に正直者だろアッシュ」
「いや、そういう意味じゃなくてですね.....まぁいいか。 初めまして、俺が君達二人を召喚したアッシュだ。 使徒としてまだまだ修行中の身ではあるけど、これから君達二人の力を俺に貸してくれるとうれしいな」
アッシュがそう言うと、リースフィアとエリエリーゼはアッシュの前に膝をついて頭を下げる。
「初めましてマスター。 私、ハイエルフの賢者リースフィアと申します」
「ウチはエルダードワーフのエリエリーゼだ。 気軽にエリーで構わないぜ主様」
「ム、私のことも気軽にリースとお呼び下さいマスター」
「分かったよリースにエリーだね。 俺のことも堅苦しい呼び方じゃなくてアッシュでいいからね」
「恐れながら、私たちの主人となられる方を呼び捨てにすることは出来ません。 ですので私は、アッシュ君と呼ばせていただきます」
「なら、ウチは普通にアッシュって呼ばせてもらうぜ。 堅苦しいのはウチも苦手何でな」
「了解。 そのあたりは自由にしてくれていいよ。 というか、特別にこれと言って召喚したからって縛るつもりはないから。 過去にどんなことがあったかは聞かないけど、ここに呼ばれたからには仲間であり大事な家族。 それ以上でもそれ以下でもないからそのつもりで」
マウリの時もそうだったけど、召喚で呼ばれた人が好意を持ってくれることはありがたいけど、それが助けられた何だと使命にも似た感じなのはうれしくない。
過去に何があったか何てそんなこと気にしないし、いちいち聞いたりもしない。
何時も言ってるけど、ここに呼ばれた以上は仲間であり家族。
それさえ覚えていてくれれば、行動を縛るつもり何てこれっぽっちもない。
「やはり、アッシュ君は素敵な方ですね」
「あぁ。 小っちゃいことは気にしない器のデカイ男だな」
「ウム、いい男だろ? だが、いくら二人とはいえアッシュの隣は渡さんぞ」
「フフ、それはどうでしょうねマウリ。 奥手の貴女よりも私は体で責めてアッシュ君を貴女よりも先に落としますよ」
「そうはさせねぇぞ。 アッシュはウチがもらう。 あんないい男は中々いないからな」
「あらあら、ロリコン風情がアッシュ君に抱いてもらえると本気で思っているのですか? フッ、笑えますね」
「よし、そのケンカ買った。 表出ろや年増エルフ」
「あら、今貴女言ってはならないことを私に言いましたね.....いいでしょう。 消し炭にしてあげますから表にでなさい」
「まぁまぁ、二人ともケンカはそのへんに......」
「ウム、ならば私はアッシュとお茶でも.....」
「「抜け駆けはゆるさないぜ(許しません)!! お前も(貴女も)一緒に来るのです!!」」
そう言って三人は出て行ってしまった。
その後すぐに、外からもの凄い派手な音が聞こえてきて.....一体なにをやっているんだか。
「.....とりあえず、ガチャも終わったし話し合いに入ろうか」
英雄の行動に言葉すらかけられず呆然としていた代表達に言葉を投げかけ、アッシュたちは話し合いを始めた。
あれを見た後なのからか話し合いはトントン拍子に進めることが出来た。
こうしてアッシュの下に、また新しい仲間が加わった。
それぞれの代表達は、この日を待ちわびていたかのように嬉々としてアッシュの下に早くから集まっていた。
その場には、今日はアッシュとマウリの他にもう一人いる。
「ガチャをする前に先に紹介しておくけど、こいつは四聖獣の玄武だ。 四聖獣の試練を突破したことで俺の召喚使い魔になった。 この島のことは、俺よりも詳しいからこの後の会議でも協力してもらうからそのつもりでいれくれ」
「玄武だ。 主のために力を尽くすつもりだ。 よろしく頼む」
四聖獣玄武。
四聖獣の試練を突破したことで、アッシュに新しく身につけた契約召喚の力だ。
アッシュは神力を対価にして契約した四聖獣を召喚することが出来る。 契約時にその力の殆どをアッシュに渡してしまった為に、以前のような大きな亀の姿をとることが出来ず魔法も使えない状態だ。 今は人間の初老の男性の姿をしているがこの状態でも身体能力的に言えばSR程度の力はあるというのだから流石は神に近い聖獣といったとこだが、それよりも玄武にはこの島の知識があるのでそれを活用させてもらうべく召喚した。
一度召喚してしまえば、後はアッシュの意志で召喚を解除しない限りは消えることはない。 ただ、玄武の召喚で神力を半分持っていかれているのでそう頻繁に召喚解除はしたくないところだ。
神力をどれだけ使っても1日で回復していた時とは違い、今は四聖獣の影響で島に満ちている神力が他の使徒の修行場にも行くようになっているので回復には時間がかかってしまうのだから。
玄武の使っていた障壁結界は、玄武を倒したマウリへと受け継がれマウリの持っていた結界魔法に融合されて、新しくユニークスキル守護方陣というスキルに進化した。
このスキルは、指定したエリアに自らの魔力で結界を張り、条件を設定する事で特定の者以外は結界の中に入れなくするスキルだ。
言うなれば、結界魔法の強化版なのだが、結界魔法よりも結界の強度が高くなった上に、結界の内部にも予め自身の決めた条件下で影響を与えることが出来それを破ると自動的に結界が作動して結界の外に相手を追い出すことが出きる。
現在は、結果内で危害・悪意を持った行動を起こすことで設定してある。
これにより、外部からの魔物の襲撃の脅威度はさらに低くなり街は安全に守られる状態になった。
問題があるとすれば、このスキルの発動には膨大な魔力を必要とし一度発動すると結界が破壊されない限りは、再度結界を張り直すことも内部の設定を変えることも出来ないということ。
種族の仲がイマイチ良くないとは言え、そこまでの感情を今現在表に出している者はいないのでとりあえずの所は問題になっていない。
「さて、この後いろいろと話合わないといけないからガチャをやっていこうか。 一応言っておくけど、イベントだからって必ず欲しい物が当たるわけじゃないからな」
そして、内容が変更されてから初めてのガチャ。
それもイベントガチャである。
今回のイベント内容は、ずばりSR以上が当たる確率が倍になるというものだ。
5%が倍になるのだから10%・・・イベントガチャは10連なので、10回やって1回は必ずSR以上が当たる計算である。
ただし、みんなが求めているのはLレア。
その確率は倍になっても2%にしかならない。
純粋な運次第だ。
四人の代表達は期待のこもった眼差しで見つめてくるが、こればっかりはホントに何をどうすることも出来ない。
アッシュがガチャギフトの能力を発動されると、目の前にガチャポンの機械が出現する。
見た目は小さな箱のようなガラスケースなのだが、その中には様々な色の玉が入っている。
アッシュがガチャポンの取っ手をゆっくりと回すと、中の玉がそれに合わせてグルグルと回転して混ざり合い、取り出し口から次々に玉が出てくる。
白、白、白、青、青、黄、黄、緑......虹。
おぉ! なんと9個目でLレアが出た!
これには集まったみんなからも驚きと喜びの声が上がる。
(ポトン)
ん? あぁ、そう言えばまだ10個目があるのを忘れていた。
「な、なんだとぉ!!」
そして最後に出た玉を見て、それまで以上に驚かずにいられなかった。
何故なら、
「.....一度ガチャでLレアが2個も出るなんて」
アッシュの手の中には虹色の玉が2つ握られていた。
Lレアが出る確率はイベントガチャのブーストがあっても2%にしかない。
その中でLレアが2つ.......ガチャ全体の中味がどれだけあるのかは不明だが、最近まで人員1万がここに含まれていたことも考えてみても決して中味が少ないとは言えないだろう。 確率としては1個当たるだけでも数千分の一とか下手した万分の一とかいくかもしれない。
その中でLレアを一度に2つも当てたのだから自分の運が怖い。
いや、集まったみんなの期待に答えられたのはうれしいが、この後反転して何かよくないことが逆に起こるんじゃないかって心配になるけど.....これは現実だ。
ひのきの棒 N
ひのきの棒 N
ひのきの棒 N
銅の剣 HN
バール HN
生活魔法スキル書 R
鑑定スキル書 R
魔人の首切り包丁 HR
Lレア以外で今回でたガチャはこんな感じだ。
武器に関しては語る必要はないかもしれないがスキル書とは何だろう?
「マウリさ~ん」
「ウム、分からん。 私たちの元の世界にもスキルという存在はあるが、このようなスキル書というのは聞いたことがない。 だが察するに、これを読んだ者に書かれたスキルを覚えさせるいうことでいいんじゃないだろうか。 まぁ、分からないことは試して見るのが早いがな」
「そうだね。 じゃ、俺は神様から力を貰ってる影響でスキルも魔法も覚えられないから代わりに誰か....フィルフィン生活魔法のスキル書いってみる?」
「残念ですが、私は既に魔法に関するスキルは極めたと言っていいほど所持していまして、生活魔法のスキルも覚えてしまっています」
「そっか。 なら、レオニード.....は魔法が使えないから生活魔法はマックスに使ってもらうとして.....」
「大将、スキルはいらねぇから俺にそのごっつい剣をくれねぇか?」
レオニードが示したのは魔人の首切り包丁。
包丁をそのまま人間サイズまで大きくしたような剣で、首切りという名前がついているだけあって刃の方も鋭くて太い。 おまけに、かなりの重量があって普通に持つだけでも相当な筋力が必要になる。 おそらくは、人間とエルフには持つことが出来ない。 力自慢のドワーフか身体能力に秀でた獣人族のどちらかでないと使えないと思われる。
アッシュも神力で体を強化すれば持てないことはないが、刀の方がしっくりくるので使うつもりはない。
「俺たち獣人は、スキルとか何かよりも自分の腕と武器をよっぽど信頼してんだ。 だから、どうせくれるなら俺たちは武器の方がいい」
試しにレオニードに魔人の首切り包丁を渡してみたら、いとも簡単に持ち上げて感覚を確かめるように振って見せた。
ただでさえ体の大きいレオニードが大きな剣を振る姿は威圧感がある。
うん。
どうせ俺は使わない武器だからあれはレオニードに上げることにしよう。
使ってくれる人の下にあったほうが武器も喜ぶだろう。
残った生活魔法と鑑定のスキル書は、生活魔法をマックスに鑑定を鍛冶で必要になるということからドランに使って貰うことにした。
鑑定のスキルは、人間の中で商人出身の者が何人か身につけているらしいがスキルとしては珍しい物らしく、効果も有用なものでドランとフィルフィンの間で奪い合いになったがフィルフィンには今回は我慢してもらうことにして、エルフにだけ何もなしなのもあれなので次回に良い物が出れば優先的に選ばせることで納得してもらった。
で、スキル書を使ってみた結果はマウリの予想どうりであった。
マックスは生活魔法のスキルを覚え、ドランは鑑定のスキルがステータスに追加されていてスキルの方も問題なく使うことが出来た。
スキル書は今回のガチャの変更によって追加されたのだと思うけど、これはこれで仲間の強化にも繋がることなので正直ありがたい。 今日は使い方を確かめる為に使ったけど、今後は必要な人に必要なスキルを渡せるように考える必要があるだろう。
ただ、仲間が増える以外にもガチャに楽しみが増えたことは間違いないので、次回のガチャも楽しみだ。
一応毎日ノーマルガチャも回してはいるけど、今のところノーマルガチャでは報告出来るような目ぼしい物は出ていない。 ノーマルガチャでも高レアが当たる可能性はあるので、今後はそっちも気合を入れて回すことにしよう。
そして、注目のLレア2つ。
果たして今回はどの英雄が現れるのか。
二つに玉を同時に開ける。
すると、虹色の輝きが部屋を包み込み、それが治まるとその場には二人の女性が立っていた。
一人は、白い服に緑色のローブを羽織った金髪の女性。 手には杖のような物を持っている。
もう一人は、小柄で腰の辺りまで伸びた黒髪が印象的な女性。 こちらは背中に体よりも大きなハンマーを背負っている。
二人に共通して言えるのは、タイプは違うが二人ともマウリに負けず劣らずの美人だということ。
お姉さん風とロリッ子。
マウリの真面目系? を加え3人の違ったタイプの美人女性がこの場にいる。
リースフィア・セレナーデ
種族 ハイエルフ ♀
職業 賢者
固有スキル
創造魔法
未来視
スキル
天弓術
超感覚
魔力吸収
魔法耐性
エリエリーゼ・ストライクハート
種族 エルダードワーフ ♀
職業 戦王鍛冶師
固有スキル
神造鍛冶
ウェポンブレイク
スキル
破槌術
体力超回復
超物理耐性
鉱脈探知
だって。
見てもらったら分かると思うけど、二人はエルフとドワーフ族だ。
そして、相変わらずLレアのステータスはぶっ飛んでる。
マウリに比べれはスキル自体の数は少ないが、その代わり固有スキルを2つ所持していて戦い方に偏りがある。
言うならば、マウリは万能型で二人は近接と魔法の特化型タイプだ。
「ようやく私たちもこちらに呼ばれたのですね」
「随分と待たされたもんだな」
「まったくです。 ですが、呼ばれたのが最後でなくて良かったです。 まさか貴女と同時とは思いませんでしたけど」
「それはこっちのセリフだっての。 何が嬉しくてこっちに呼ばれるのがお前と一緒なんだよ。 貧弱エルフの顔何てみたくないっての。 だが、あいつには悪いが主に会えるのが最後じゃなくて良かったぜ。 きっとあいつ、今頃ピーピー泣いてるぜ」
「脳筋ドワーフはこれだから困るのです。 そんなに人の不幸が嬉しいですか? 卑しい人ですね」
「あぁ? ウチにケンカ売ってんなら何時でも買うぞこら」
呼ばれて早々二人は言い争いを始める。
英雄だからといってエルフとドワーフはやはり仲がよろしくないようで.....。
「ウム、相変わらずだな二人とも。 ケンカするほど仲が良いとは言うが、ケンカをする前にまずは挨拶をする者がいるのではないのか」
「あらマウリお久しぶりですね。 元気そうで何よりです」
「ウチ達がいない間に、随分と主様とよろしくやってたみたいだな」
「ウム、これも先に呼ばれた者の特権ということだな。 まぁ、二人もこちらに呼ばれたのだからそれでいいじゃないか」
「フン、今夜は主様の事をいろいろと教えてもらうから宴の用意しておけよ」
「あらあら、二人だけなんてズルイですわよ。 私もマスターの事を教えてほしいに決まってるじゃないの」
「ウム、今宵はアッシュを酒の摘みに三人で再会を祝うとしよう」
「もしもしマウリさん? 本人の前で何を言っちゃってるのかな?」
「ウム、私は実に正直者だろアッシュ」
「いや、そういう意味じゃなくてですね.....まぁいいか。 初めまして、俺が君達二人を召喚したアッシュだ。 使徒としてまだまだ修行中の身ではあるけど、これから君達二人の力を俺に貸してくれるとうれしいな」
アッシュがそう言うと、リースフィアとエリエリーゼはアッシュの前に膝をついて頭を下げる。
「初めましてマスター。 私、ハイエルフの賢者リースフィアと申します」
「ウチはエルダードワーフのエリエリーゼだ。 気軽にエリーで構わないぜ主様」
「ム、私のことも気軽にリースとお呼び下さいマスター」
「分かったよリースにエリーだね。 俺のことも堅苦しい呼び方じゃなくてアッシュでいいからね」
「恐れながら、私たちの主人となられる方を呼び捨てにすることは出来ません。 ですので私は、アッシュ君と呼ばせていただきます」
「なら、ウチは普通にアッシュって呼ばせてもらうぜ。 堅苦しいのはウチも苦手何でな」
「了解。 そのあたりは自由にしてくれていいよ。 というか、特別にこれと言って召喚したからって縛るつもりはないから。 過去にどんなことがあったかは聞かないけど、ここに呼ばれたからには仲間であり大事な家族。 それ以上でもそれ以下でもないからそのつもりで」
マウリの時もそうだったけど、召喚で呼ばれた人が好意を持ってくれることはありがたいけど、それが助けられた何だと使命にも似た感じなのはうれしくない。
過去に何があったか何てそんなこと気にしないし、いちいち聞いたりもしない。
何時も言ってるけど、ここに呼ばれた以上は仲間であり家族。
それさえ覚えていてくれれば、行動を縛るつもり何てこれっぽっちもない。
「やはり、アッシュ君は素敵な方ですね」
「あぁ。 小っちゃいことは気にしない器のデカイ男だな」
「ウム、いい男だろ? だが、いくら二人とはいえアッシュの隣は渡さんぞ」
「フフ、それはどうでしょうねマウリ。 奥手の貴女よりも私は体で責めてアッシュ君を貴女よりも先に落としますよ」
「そうはさせねぇぞ。 アッシュはウチがもらう。 あんないい男は中々いないからな」
「あらあら、ロリコン風情がアッシュ君に抱いてもらえると本気で思っているのですか? フッ、笑えますね」
「よし、そのケンカ買った。 表出ろや年増エルフ」
「あら、今貴女言ってはならないことを私に言いましたね.....いいでしょう。 消し炭にしてあげますから表にでなさい」
「まぁまぁ、二人ともケンカはそのへんに......」
「ウム、ならば私はアッシュとお茶でも.....」
「「抜け駆けはゆるさないぜ(許しません)!! お前も(貴女も)一緒に来るのです!!」」
そう言って三人は出て行ってしまった。
その後すぐに、外からもの凄い派手な音が聞こえてきて.....一体なにをやっているんだか。
「.....とりあえず、ガチャも終わったし話し合いに入ろうか」
英雄の行動に言葉すらかけられず呆然としていた代表達に言葉を投げかけ、アッシュたちは話し合いを始めた。
あれを見た後なのからか話し合いはトントン拍子に進めることが出来た。
こうしてアッシュの下に、また新しい仲間が加わった。
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