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調査
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「黒天の破窮」によって世界中に大混乱が起こった。そんな中でも強い意志を持った栄傑と呼ばれるようなものたちはなんとか自分の生存本能を自制することができていた。そんな存在の中には王やその側近たちがいた。そのため、各国でも大混乱が起こったあとの事後処理は迅速に進んだ。しかし、栄傑は各国の重鎮だけではない。
世界中には冒険者という存在がおり、彼らが僻地にいる魔獣などの脅威を取り除くことが各国の安全維持の一助となっている。そんな彼らは強さによって格付けがされている。上からA~Gまでのランクが割り振られている。ただし、それはあくまで人の限界までをランク付けしたもので、人外の強さを持つものにはランクSという特別なランクが設けられている。そして、本来ランク上げは一段階ずつしか上がらないのに対し、ランクSに選ばれる基準は1つだけ。「一人で一国を落とす力を持つ。」ということだけだ。しかし、見極めのためだけに国を滅ぼさせるはずもなく、現在はランクSとの模擬戦の結果から判断する体制がとられている。
そんなランクSは現在世界に4人いる。そのうちの一人が今、元凶のいる森の前へと足を運んでいた。
「ここはいつ来ても狂った奴等の気配がビリビリ伝わってくるんだが、今日はあの2体のせいで霞んでやがるな。」
そんな男勝りな口調で話す彼女こそランクS冒険者が一人、真炎の異名を持つレヴェーナ・ヴォルカニカである。端正な顔立ちながら左目には黒い眼帯をつけ、セミロングの赤髪が烈火のごとく揺らめいている。胸元にはサラシを巻き、赤に真っ白なラインが入ったロングコートを肩に羽織っている。
「レヴェーナ様、これは早急に止めなければ付近にも甚大な被害が予想されるのでは?」
そう冷静に分析し、意見するのは彼女のもとでメイド服姿で世話係をする女性、ミランダである。
「んなこたぁ分かってるよ。そのために遠路遙々ここまで来たんだからな。」
「そういいつつ自分と渡り合えるだけの相手がいると期待しているんでしょう?」
「惜しいな。私に競り勝てるだけの相手を求めて……いや、いるだろうと思っているのさ。」
それを聞いた瞬間、ミランダの顔が驚愕に染まる。
「気配だけではって話だ。ただし、理智的な生物に限るがな。」
その限定条件をつけたとしてもあまり意味はないだろう。なにせ、ここまで世界中に影響を与えるほどの強者となると理智的でなければまずたどり着けない領域である。
「まぁ、とにかく元凶の目の前まで行くとするか。」
そういって森の中へ入っていくのだった。
世界中には冒険者という存在がおり、彼らが僻地にいる魔獣などの脅威を取り除くことが各国の安全維持の一助となっている。そんな彼らは強さによって格付けがされている。上からA~Gまでのランクが割り振られている。ただし、それはあくまで人の限界までをランク付けしたもので、人外の強さを持つものにはランクSという特別なランクが設けられている。そして、本来ランク上げは一段階ずつしか上がらないのに対し、ランクSに選ばれる基準は1つだけ。「一人で一国を落とす力を持つ。」ということだけだ。しかし、見極めのためだけに国を滅ぼさせるはずもなく、現在はランクSとの模擬戦の結果から判断する体制がとられている。
そんなランクSは現在世界に4人いる。そのうちの一人が今、元凶のいる森の前へと足を運んでいた。
「ここはいつ来ても狂った奴等の気配がビリビリ伝わってくるんだが、今日はあの2体のせいで霞んでやがるな。」
そんな男勝りな口調で話す彼女こそランクS冒険者が一人、真炎の異名を持つレヴェーナ・ヴォルカニカである。端正な顔立ちながら左目には黒い眼帯をつけ、セミロングの赤髪が烈火のごとく揺らめいている。胸元にはサラシを巻き、赤に真っ白なラインが入ったロングコートを肩に羽織っている。
「レヴェーナ様、これは早急に止めなければ付近にも甚大な被害が予想されるのでは?」
そう冷静に分析し、意見するのは彼女のもとでメイド服姿で世話係をする女性、ミランダである。
「んなこたぁ分かってるよ。そのために遠路遙々ここまで来たんだからな。」
「そういいつつ自分と渡り合えるだけの相手がいると期待しているんでしょう?」
「惜しいな。私に競り勝てるだけの相手を求めて……いや、いるだろうと思っているのさ。」
それを聞いた瞬間、ミランダの顔が驚愕に染まる。
「気配だけではって話だ。ただし、理智的な生物に限るがな。」
その限定条件をつけたとしてもあまり意味はないだろう。なにせ、ここまで世界中に影響を与えるほどの強者となると理智的でなければまずたどり着けない領域である。
「まぁ、とにかく元凶の目の前まで行くとするか。」
そういって森の中へ入っていくのだった。
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