人探し探偵

第一話

人探し探偵

俺は目黒探偵事務所の所長、目黒めぐろ慶けい。
人探し専門の探偵だ。
俺の助手を紹介しよう。
川崎かわさき大和やまと。
俺の三歳下で、頭も良く、助手としていい働きをしてくれる。
一方で、今昼食を作っている雑用係は、吉宮よしみや裕貴ゆうき。
半年前くらい前に、ふらっと事務所にやってきて、どうしても雇ってほしいと言い出したから、仕方なく雑用係として雇ってあげた。
おっと、昼食ができたようだ。
見た目はいいんだけどな。
俺は一口食べて箸を置いた。
「まずい。何回目だよ。」
裕貴の作る飯は味が薄い。
そのうえ、ハーブとか香辛料とかをたくさん使っているせいで、匂いだけきつい。
俺は味が濃い方が好きだから、裕貴の作る飯は俺の舌に合わない。
「もういらない。大和、菓子パンくれ。」
裕貴は暗い顔して、ご飯を下げ始めた。
大和が俺にイチゴジャムのパンを手渡してくれた。
「ありがとう、大和。」
俺はパンを食べながら、裕貴に言った。
「もうそろそろ、まともな飯を作れるようになれよ。」
裕貴は俺の顔を見つめながら、
「すみません。努力します。」
と言った。
半年の間、毎日昼食を作らせているのに一向に上達する気配がない。
これからは、大和に作ってもらおうかな。
「慶さん、お客さんです。」
大和が俺を呼んだ。
「おう、わかった。」