人探し探偵

第四話

自宅直撃

大和が、梶さんの住所を聞くと、依頼人からはすぐに返信がきた。
「ここですね。」
そのメールに書いてあった住所を訪ねた。
4階建ての普通のアパート。
「誰もいなさそうですね。」
「よし、お前ら誰も来ないか見張ってろ。」
俺はそういうと、針金を取り出した。
「は？何してるんですか？」
「ピッチング。」
「犯罪じゃないですか。」
「お前も犯罪すれすれのことやってるだろ。」
俺がそう言うと、大和は黙りこんでしまった。
ガチャン
鍵の開く音がした。
「よし、入ろう。」
恐る恐る部屋の中に入ると、やっぱり誰もいなかった。
部屋の中は綺麗に整頓されていた。
「なんか、計画性を感じますね。」
大和は言った。
「どういうことだ？」
「全部片付けて出ていったって感じですね。」
「たしかに、自分の意思で行方をくらませたのか。事件性はなさそうだな。」
裕貴は部屋のあちこちを眺めていた。
「手がかりが無さそうだから、撤収するぞ。」
俺は二人に言った。
「わかりました。ばれたら大事ですもんね。」
大和はそそくさと部屋を出た。
「裕貴、行くぞ。」
裕貴を呼んだが、手がかりを探すのに夢中になっているのか反応がなかった。
「裕貴、」
俺は裕貴の肩を叩いた。
裕貴は後ろを振り向き、俺を見ると少し驚いていた。
「どれだけ夢中になってんだよ。帰るぞ。」
「はい、すみません。」
俺たちは事務所に戻った。