人探し探偵

第四話

忠告

目が覚めると目の前は真っ暗だった。
すぐに、目隠しをされているとわかった。
目隠しを取ろうとしたが、両手が背中の後ろで拘束されていて、思うように動くことができなかった。
俺が目を覚ましたのを察知して、男の人が話しかけてきた。
「目黒探偵事務所の目黒慶くん。だね？」
「・・・。」
「梶琥珀について、どこまで調べた？」
「まだ、全然。」
「どこまで調べたか、具体的に説明しろ。」
「高校の時変人だったことしか、知りません。」
「やれ。」
腹に衝撃が加わった。
「うっ...」
金属バッドや鉄パイプのような鈍器で殴られたようだ。
痛い。
息をうまく吸えない。
「本当のことを言え。お前がその女の家に行っているのは知っているんだ。」
「何もなかった。手ががりになりそうなものは、何も。」
「本当か？」
「ああ、本当だよ。」
このままじゃ、らちが明かない。
どうにかして逃げよう。
そう思っていると、扉の開く音がして誰かが部屋に入ってきたのがわかった。
「そうか。わかった。」
男の人の話しているのが聞こえる。
ただ、会話の内容までは聞こえなかった。
「目黒慶。この件から手を引け。」
「え？」
「お前たちの動き次第では、こちらとしても然るべき対応をとらせてもらう。」
「手を引けば良いんだろ。わかったからこの縄をほどいてくれ。」
「よし、やれ。」
頭の後頭部に衝撃が走った。
「全て、お前たち次第だ。」
男の人の声が遠のいていく。
俺はいつの間にか気を失っていた。